有村架純が『中学聖日記』で演じる女性教諭のイライラ誘う役柄

wezzy

2018/9/25 12:15


 『義母と娘のブルース』(TBS系)が高く評価されたTBS連続ドラマの「火曜22時枠」だが、次クールの作品は波紋を呼ぶだろう。10月9日スタートの『中学聖日記』だ。主演の有村架純(25)演じる中学校教師・聖(ひじり)が、10歳年下の教え子と恋に落ちる「禁断のラブストーリー」。純粋な恋心として描かれることが予想されるが、その設定からして物議を醸すことは必至だ。

「教師と生徒の恋」は多くのフィクションで定番のモチーフだが、もちろん現実的には犯罪行為。フィクションにおいては、その関係に理解のない「周囲の大人」や「常識」が壁として立ちふさがり、いくつもの障害を乗り越えなければ成就しないため、恋する二人は燃え上がる。そんな主人公たちに感情移入して盛り上がる読者・視聴者もかつては大勢いたものだが、時代の流れとして、今はどうだろうか。

今年8月、北海道帯広市の40代女性中学教諭が教え子だった男子高校生にみだらな行為をしたとして道青少年健全育成条例違反の疑いで書類送検された。教諭は男子高校生が中学2・3年時の担任だったといい、男子高校生の家族が教諭の免職を求めていたという。この事件の女性教諭と男子生徒は複数回にわたり深夜に逢瀬を交わし、保護者に問い詰められたことで女性教諭は「もうメールをしない」と約束。しかし高校進学後にも携帯電話でのやり取りがあり、再び生徒の保護者の知るところとなると女性教諭は「今後連絡や関係を一切持たない」とする念書に署名押印。ところがその後も2人の関係は継続していたという。

客観的に見て、『中学聖日記』のストーリーにも似た、生徒と教師の恋愛だろうが、やはり正当化できない。また、今年は東京、群馬や滋賀、広島などでも女性教諭が元教え子の男子生徒にわいせつ行為を働いた事件が表面化している。

ドラマ『中学聖日記』の原作は、マンガ誌『FEEL YOUNG』(祥伝社)に連載中の同名漫画。同作は『東京タラレバ娘』(講談社)や『逃げるは恥だが役に立つ』(同)など、大ヒットドラマの原作を多数輩出する「an・anマンガ大賞」のグランプリに輝いたこともある。フランス在住の漫画家・かわかみじゅんこが卓越した視点で描く、せつなくも美しい年の差恋愛ストーリーで、大人の女性から絶大な支持を集めている……ようだが、ドラマ化はリスキーだったのではないか。

というのも、原作における主人公の女性教諭・末永聖は、中学三年生のクラス担任を受け持つが、頼りないドジっ子で「センター分けあざとい」「ノーメイクのフリしてまつ毛の根元うめてるしちゃんと」「いやらしい」「使えないよね」「伝達ミスとか多いし」「てか鈍くない?」「完全にナメられてるのにギリ気付かないとこもうざい」「ちがうね、あれは演技だね」等と生徒たちから評されている。ちなみに友達は全然いない。

そんな聖にどうしようもなく惹かれてしまったイケメン生徒が黒岩晶。聖は婚約者(全く嫌な奴ではない)がいるのだが、なぜか彼女も晶に魅力を感じてしまったようで、二人は急接近していく。だが恋の芽生えはあっという間に保護者の知るところとなり、問題化する。

聖は、何を考えているのかよくわからない。わかるように描かれていない。自分自身の立場にも相手への影響力にも鈍感、無自覚で、ちょっとしたホラーですらある。大半の読者は彼女にイライラし、彼女に批判的な視線を向ける外野(晶以外の生徒たちや教員たち)を応援したくなるだろう。同時に晶も、考えを周囲に伝えないキャラクターで、どこまでも自分勝手な晶と聖に周囲が振り回されていく。

こうなると、聖を演じる有村架純が、ドラマのキャラクターとリンクして「嫌われる」懸念もある。同枠で同じように女性向け漫画を実写化した連続ドラマ『あなたのことはそれほど』の主人公を演じた波瑠は、堂々と不倫に走る女性という役柄から、不当にバッシングされた。有村架純もその道をたどるかもしれない。これまでが「清純派」のイメージで売られてきたため、なおさら強い反発が起こる可能性もある。

原作漫画の『中学聖日記』を面白くしているのは、なかなか思い通りにいかない女性教諭と生徒の恋ではなく、むしろ生徒同士の友人関係や恋愛関係、それと聖の婚約者とその上司の微妙なやり取りなどだ。メインの二人はイライラを誘うキャラクターだが、周辺の登場人物が彼らに容赦なくツッコミを入れるドライな視点を持ち合わせているところが同作の魅力だろう。ドラマでもこうした周辺の人間模様を丁寧に描いてくれるのだろうか。少なくとも、「禁断の恋」をストレートに応援するよりは、批判的な視点で描いたほうが時代に即した作品になるだろう。

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