松田翔太、二面性を持つ慶喜を演じ「完全に悪役なんだなって思います(笑)」

ザテレビジョン

2018/9/16 08:00

鈴木亮平が主演を務める大河ドラマ「西郷どん」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)。

9月9日に放送された第34回では、ついに松田翔太演じる一橋慶喜が将軍の座についた。

慶喜は、一橋家の当主、そして遊び人の“ヒー様”として2つの顔を持ち、島津斉彬(渡辺謙)らに次期将軍候補として担ぎ出されていた人物。下級武士だった頃の主人公・西郷吉之助(鈴木)、橋本佐内(風間俊介)は「将軍に興味などない」という冷めた“ヒー様”をやる気にしようと奮闘し、3人の間には友情も芽生えていた。

しかしながら、幕府の中心人物となった慶喜と吉之助は徐々に敵対する関係に。しかし、7月29日に放送された第28回では、吉之助が慶喜に「我らもはや、ここまででございもす」と言い放ち、そこから2人の争いは激化していった。

そんな“西郷吉之助最大の敵”である慶喜を松田はどのように演じているのか、インタビューで聞いた。

■ 鈴木亮平の印象は「言葉のいらない安心感があります」

――慶喜を演じることになった時は、どのように思いましたか?

以前、大河ドラマ「篤姫」(2008年)で徳川家茂を演じていたので、「今度は慶喜か」と不思議な感じがしました。家茂を演じていた時に、慶喜がすごくプレッシャーをかけてきて、苦しい思いがあったので嫌な印象はあったんです…。

ただ、家茂が亡くなったあとの世界をどう見られるのかなと期待も膨らみました。

それに、鈴木くんとは彼のデビュー作で共演していて、一緒に食事にも行った仲なので、今回、久々にご一緒できてすごくうれしかったです。

――鈴木さんが演じている吉之助の印象はいかがですか?

鈴木くんは柔軟な方で、1シーンずつを切り詰めて演じるのではなく、全体の大きい世界を見ながらやっているので、すごくやりやすくて、温かみを感じました。

僕らが対立しているシーンでも、彼からは愛情を感じるんです。嫌われている気がしなくて、仲間の一人として受け入れてくれているような気持ちになって、ついて行きたくなります。言葉のいらない安心感があります。

――「西郷どん」での慶喜の描かれ方についてはどのように思いますか?

事前に慶喜の人物像について調べた時は、冷静で戦略的な人物だと思っていました。でも、このドラマの中では、割と感情的で“乱暴なお殿様”のような印象で、完全に悪役なんだなって思います(笑)。

僕は、ヒールにどこかで同情できる部分があるので、ヒールを演じるのは好きですね。

でも、ずっと怒鳴っているので、慶喜が主役だったら一年間の大河ドラマは大変だと思います(笑)。

――では、そんな慶喜を演じる上で意識したのはどんな部分でしたか?

僕は演じる役に、筋を見つけることをいつも大事にしていて、そこから見えてくるものを表現しようと思っているんですが、大河ドラマにおいては少し違っているんです。

大河ドラマは長期間の撮影の中で役も変わっていくので、役の筋だけにこだわってしまうと、それがぶれた時に混乱してしまう可能性があると思うんです。

特に、今作で脚本を担当されている中園(ミホ)さんの描く慶喜は、謎めいた部分も多いので、そこを楽しもうと思って演じています。

「ここで笑ってください」と言われたらその通りに笑ってみて、その時にどんな気持ちになるのかを現場で感じながら演じているイメージです。

――せりふだけではなく、表情だけで慶喜の影を表現している場面も多いように見えますが、演技のポイントなどはあるんでしょうか?

悲しそうな目や、影のある表情などの演技は過度にしないよう心掛けてます。

言葉の裏にある気持ちを大げさに出し過ぎないことで、将軍という立場の人間の強がりも見えたらいいなと思っているんです。

その表情から、“何を考えているのか分からない人”として、観ている方に想像していただきたいです。

■ 男の女々しさをうまく表現しています

――中園さんの脚本の魅力はどんなところだと思いますか?

女性らしさがあるところですかね。

男の女々しさをうまく表現していますし、男らしい男を描くときには、優しさを描いているんです。男から見た優しさとはまた違った描き方をされている気がします。

――ふき(高梨臨)のキャラクターは、中園さんの描くかわいらしい女性性が現れている気がします。

ふきは、「西郷さんから逃げているんですよね?」とか、「こうなんでしょ?」と慶喜に言うんですけど、ふき自身が思っていることは脚本には描かれていないんです。

意思があった方が、跳ね返すことができるんですけど、ふきの言葉は自分が悔しくなっちゃうだけなんですよね…。

――では、慶喜はなぜふきを身請けしたんだと思われますか?

自分が想像していないことを言ってくるからじゃないでしょうか。

征夷大将軍になっても、ふきは立場に関わらず意見してくるんです。そこに惹かれているんですかね。

あとは単純にきれいだからっていうのもあると思いますけど(笑)。

――慶喜には“ヒー様”という遊び人としての顔もありますが、その二面性はどのように表現しましたか?

扮装が変わればイメージも変わるので、変わったようには見えているかもしれませんが、気持ち的には同じです。

政治的なことに巻き込まれていって、自然と“ヒー様”の状態ではいられなくなっていくので、あえて変化は付けないようにしていました。

――さまざまな扮装をしていますが、お気に入りの衣装はありますか?

僕は、大河ドラマ「平清盛」(2012年)で後白河天皇を演じている時から、御所に行くときの衣装が好きなんです。あれはモードだと思います。

烏帽子の中には、実は内側にいろんな色がついていたり、隠れたこだわりがあるんです。そういう部分に日本人の“見せない美学”みたいなものも見えておしゃれだなと思います。

――“ヒー様”としては、吉之助と佐内と3人で友情を築いていた時代もありましたが、そこから吉之助への印象は変化しましたか?

その時代がなかったら、慶喜の気持ちはもっと楽だったなと思います。

昔の吉之助のことを知っているからこそ、それが弱みになって、躊躇してしまう気持ちも出てきてしまうんです。逆に吉之助には、どんな性格かも把握されていて、そこをうまく利用されているような感じがします。

戦で慶喜と吉之助がどうやって兵を動かしたり、前に出たり引いたりっていう心理戦をする中で、昔の僕の感覚を知られているからこそ、吉之助にうまくやられてしまったのかなと思っています。

だから実は、非常にやりづらい部分もありました。

――慶喜は吉之助に対する情が芽生えていたということでしょうか。

それもありますし、出会ったころの吉之助は自分より全然地位が低くて、そこからのし上がってきたと思っていたらいつの間にか追い付かれてしまったんですよね。

慶喜はこれ以上出世することはないので、吉之助が下から迫ってくる感じがプレッシャーに感じていたんだと思います。

――では最後に、慶喜にとって重要なシーンである「大政奉還」を撮影したご感想を教えてください。

状況的に対応して一枚のカードを切ったということだと思うので、感情的ではなく淡々と、周りの反応にも動じないように演じました。

ただ、今後何が起こるのかと内心はドキドキしているという感じはありました。

260年続いた徳川家を終わらせるということで、慶喜は歴史に名が残りますし、その判断をした男になるために大政奉還をしたという部分もあるのかなとも思います。

やらざるを得ないことだったので、慶喜にもいろんな感情があったんじゃないですか「えっこれ本当にやるの?」とも思っていたかもしれないですよね。

でも、慶喜の判断は間違っていなかったんじゃないかなと、今では思っています。(ザテレビジョン)

https://news.walkerplus.com/article/161961/

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