「お局さまのマイルール」でボーナスまで決まる パワハラまがいの集団いじめに法的な問題は?

しらべぇ

2018/9/15 10:30


(Kangah/iStock/Getty Images Plus)

ときに子供たちの命を奪う結果にもつながる、いじめ。しかし、学校だけでなく会社の中にも、いじめは存在する。いじめを繰り返すような社員をのさばらせている会社も、ある意味ブラック企業と言えるかもしれない。

GPSを使って残業時間の証拠を自動で記録できるスマホアプリ『残業証拠レコーダー』を開発した日本リーガルネットワーク社には、そんな社内いじめがはびこる会社のエピソードが寄せられた。

■お局軍団からの集団いじめ


Aさんは、設計会社の図面作成部門に中途採用で入社したという。

「入社してすぐにお局さま方からの集団いじめ。昼休みのお昼ごはんは一人離れた位置にいたにも関わらず、聞こえるように嫌味文句を言われ続けました。

家族ぐるみの会社なので、健康診断の結果は、社長の奥さんが勝手に開けて他のお局さま方に報告。社員は下の名前で呼び捨て。ボーナスは、お局さまの一声で女子だけに出るとか、意味わからない会社でした。ボーナスもその1回限りで後は出たことはありません」

また、めでたく社内結婚に至ったAさんだが、それもお局さまの逆鱗に触れてしまう。

「社内恋愛で結婚しましたが、お局さまの一人の方に激怒され、『私たちと同じじゃないから』と目の前で言われました。どうやら先に社内恋愛で結婚してたみたいで、『同じだね』って専務に言われたのがイヤだったらしく」

■まるで「お局さま条約」


家族経営だというAさんの会社は、「お局さまこそがルール」と言っても過言ではない状態だったようだ。

「たまたま、通帳を作るのに銀行員が会社に来ていて、急に通帳を作ることになってお財布を車に置いてきてしまったので(駐車場が遠い)、話しやすかった男の先輩に借りたら、『男には金を借りるな!』とお局さま方に言われました。

でも、お局さまは好意を持った人に貸したりしていて…『なぜ私は借りちゃダメなの? この会社独自の決まりがある?』と凄く悩みました。お局さま条約みたいなものがあるような会社でした」

■弁護士の見解は…


(©ニュースサイトしらべぇ)

会社ぐるみではないかもしれないが、目上の女性たちによる集団的ないじめと、そうした風土をそのままにしておく状況。法律的な問題はないのだろうか。鎧橋総合法律事務所の早野述久弁護士に聞いたところ…

早野弁護士:会社は、労働者が快適に働けるように職場を管理する義務(職場環境配慮義務)を負っています。仮に会社が職場のハラスメント行為を放置した場合には、労働者は職場環境配慮義務違反があったものとして会社に対して損害賠償請求することができます。

今回のAさんは、会社の先輩であるお局さまから集団いじめを受けていたということですから、録音テープなど集団いじめが存在している証拠を確保した上で、会社の上司に相談するのがよかったでしょう。

このように労働者から明確に集団いじめの相談を受けたにもかかわらず、会社がその問題を放置した場合には、職場環境配慮義務違反があったものとして会社に対して損害賠償請求することができます。

■いじめ被害者は「我慢」が多い


社内いじめの被害に遭った人は、対処がわからず我慢してしまうことが多い、と早野弁護士は語る。

早野弁護士:また、仮に労働者から明確に相談を受けていなくても、会社が集団いじめの存在を認識しながら黙認していたような場合には、やはり職場環境配慮義務違反があったものとして会社に対して損害賠償請求することができる可能性があります。

労働者の方は、いじめ・ハラスメントがあっても何も言えずに我慢してしまうことが多いですが、いじめ・ハラスメントがあるかもしれないと思った場合には、会社の上司のほか弁護士などの専門家に相談してみるのもよいでしょう。

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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト 取材協力/日本リーガルネットワーク

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