コリコリ食感がたまらない「寒漬」は、山口県の冬の風物詩

TABILABO

2018/9/15 05:59


山口県のなかでも、主に瀬戸内海に面した宇部市や山口市阿知須(あじす)地域で古くから作られてきた漬物が「寒漬(かんづけ)」。昔は各家庭で作られていて、寒風にたなびく干し大根は冬の風物詩にもなっています。

現在では、高齢化と手間がかかることから家庭で作る人も減ってきていますが、山口県民にとっては、なくてはならない故郷の味なんです。

かけた手間の分だけ
濃縮された「寒漬」のうまみ



寒漬を作るのはとても手間と時間がかかります。

1. 冬季に収穫した大根を塩漬けにする
2. 櫓(やぐら)に吊るし、約3ヶ月にわたって冬の冷たい風にさらして干し上げる
3. 干し上がった大根をローラーで平たく伸ばし、叩いたらカチカチと音がするまで完全に乾燥させる
4. 袋に入れて一ヶ月ほど貯蔵し、しんなり熟成させる
5. 1~2ミリほどに切って醤油やみりん、砂糖などで1週間ほど漬け込む

漬け上がった寒漬は飴色に輝き、醤油と砂糖の甘じょっぱい香りが食欲を誘います。時間と手間を惜しまず漬け込まれた寒漬は、素朴ながらも深い味わい。コリコリした食感を楽しみながら白いご飯と一緒に食べるのはもちろん、カレーの付け合せやお茶受け、巻き寿司の具など、食べ方は様々です。

「給食の寒漬が忘れられない」
引き継がれる、山口の味



寒漬に使われる大根は、すべて山口県産のもの。「地産地消」を合言葉に、道の駅などを通して地元の野菜や特産物の販売にも力を入れていて、生産者と消費者の距離が近いことも伝統を守っていくためにひと役買っています。

また、寒漬づくりが盛んだった山口県阿知須地域では、小学校の給食でも食べられていたそうです。「子供の頃に給食で食べた寒漬の味を、自分の子供にも食べさせたい」と、後継者不足などから一度は途絶えてしまった寒漬づくりを、残された機械などを受け継ぎ、手探りながらも思い出の味を復活させようとする動きもあるんです。


購入は、大黒屋より。

Top image: (C) Makoto Kujiraoka

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