ついに『RIZIN』揃い踏みへたどり着いた「朝倉兄弟」未来&海“覚悟”の先にあるもの

日刊サイゾー

2018/9/15 00:00


 さあ、いよいよ兄弟揃い踏みだ!――総合格闘界の大注目株、朝倉未来(みくる・26歳)と朝倉海(かい・24歳)が、9月30日(日)開催の『RIZIN.13』(さいたまスーパーアリーナ)に兄弟揃って出場する。不良の格闘技大会『THE OUTSIDER』の出身ゆえ色眼鏡で見られることも多かった朝倉兄弟だが、プロの世界で着実に勝ちを積み重ね、ついに2人して辿り着いた大舞台。夢、屈辱、覚悟、声援……あらゆる想いを拳に乗せて、ここで一気に突き抜けろ!

試合を目前に控えた9月某日、新宿歌舞伎町の喫茶店で朝倉兄弟にインタビューを行った。

――1年半前に電話取材をしたとき、お2人は「兄弟揃ってRIZINに出たい」という夢を語っていましたが、ついにその日がやってきましたね。

朝倉未来(以下、未来) 大きかったのは、昨年末に弟がRIZINに出れたことですね。その時点で、弟が負けることはまずないとわかっていたんで、俺もいずれは出れるんだろうなと思っていました。

朝倉海(以下、海) いろいろなタイミングもあって、僕が先に行くパターンがこれまでも多かったんですよ。THE OUTSIDERでベルトを獲ったのも、ROAD FCに出たのも、僕が先でした。でもやっぱり兄弟で一緒に出るとなると一気にインパクトを残せるので、僕としてはこうして2人でRIZINのリングに立てる日を、ずっと待ち望んでいました。

――今大会の様子はフジテレビなどで放送されます。2人で地上波に乗るチャンスでもありますが、今の心境は?

未来 どうせならファンに伝わりやすい相手とやらせてほしかったのに、無名の外国人を当てられたことに関しては正直モチベーションが上がらなかった。でも、相手はカザフスタンの若くて打撃も強い選手と聞いているんで、まあ、有名無名関係なく俺が派手にKOしてやろうかなと思っています。

海 THE OUTSIDERの出身ということでナメられることが多かったから、兄弟揃って見返してやろう、という思いが強いです。「兄弟で出場」というのはRIZIN史上初だと思うし、僕らは絶対外れのない試合をする自信があるんで、それを世間に知らしめるチャンスだと思っています。いつも以上に気合いが入っていますね。

――お2人の試合を見ていて感じるのは、「仕留める意思が非常に強く、いつも試合が面白い」ということです。

未来 お客さんあっての格闘技大会ですから、見ている人を楽しませないと意味がないと常々思っています。お客さんが求めるのは判定じゃなく、白黒ハッキリ付けること。あと、ケンカにも判定はないですよね。ずっとそういう世界で生きてきたから、仕留めることしか考えていません。

――今は大事な時期なので、「優勢だったら安全運転をして勝ちを拾いにいく」みたいな意識にはならないですか?

未来 逆に安全な戦いができないんですよ。勝ちにいくなら、仕留めるしかない。ファイトスタイル的に、ポイントや判定を狙えないんですよ。ケンカと一緒で、早く終わらせたいだけなんで。

海 僕も兄貴と考えは一緒で、ポイントを稼ごうとかは一切考えていないですね。勝つことよりも面白い試合をすることが優先順位として上にある。性格的に絶対、盛り上げようとしちゃうんですよ。面白い試合をすれば、結果も自然と勝ちに繋がるんじゃないかと思っています。

――朝倉兄弟の応援シートはあっという間に予定枚数がさばけてしまい、現在は追加シートを発売中です(詳細は本稿最下段に)。注目度がアップしていることに対し、プレッシャーは感じますか?

未来 ないですね。今回と比べたら前回のRIZINデビュー戦(8月に行われた日沖発戦)のほうがハンパなかった。すでに弟がRIZINで2戦2勝していたし、地元(愛知)開催で大勢の人が応援に駆けつけてくれていたから、ものすごいプレッシャーでした。まあでも追い込まれた状況のほうが強くなれる性格なんで、それを楽しんだりもしていましたけど。

――RIZINでデビュー以来、周囲の反応は変わりましたか?

海 変わりましたね、本当に。応援してくれる人の数が増えました。今日もここに来る途中、ファンの人に話しかけられました。最近そういうことが増えて嬉しいです。

未来 認知度は上がりましたけど、俺は声をかけられたくないんで、外出するときは帽子とサングラスを着用することが多いです。

――お兄さんは昔、地元の愛知でケンカに明け暮れていたそうですが(記事参照)、かつてケンカした人々も、今では応援してくれているのでしょうか?

未来 半々ぐらいじゃないしょうか。基本的にケンカが終わったらノーサイドと思っていて、仲良くなるパターンが多かったですし、相手が嫌がっているのにやったりしたことや、集団でいじめるようなことは一度もしたことがないんで、そんなに悪い関係にはならなかったですね。

――プロ格闘家として、現在のファイトマネーに満足していますか?

海 プロになった当初と比べたら、大きな額をもらっていますけど、もっと上を見ています。

未来 ありがたいことに俺たち兄弟を応援してくれる熱いスポンサーの方たちもいるから、生活に困ってはいませんけど、俺は試合に命をかけているんでね。ファイトマネーはもっともらってもいいんじゃないか、と思っています。今年活躍してから、RIZINにそう要求するつもりです。

――上京してから約1年。誘惑に負けそうになることは?

海 僕は誘惑に強いほうなので、まったく。自分に厳しくないと格闘技は強くなれないですから。

未来 俺はもともと悪い世界にいて、人より何倍も多い誘惑の中で戦いながら、ここまで辿り着きましたから、そんなのは全然問題にしていないです。誘惑に弱かったら、こうしてプロの格闘家になることもなかったと思います。

――今日お越しいただいた歌舞伎町は、まさに誘惑の街ですが(笑)。

未来 生まれて初めて歌舞伎町に来たんですけど、ギラギラしていますね。昔を思い出しました。(歌舞伎町の雰囲気は)嫌いじゃないけど、好きでもないですね、今は。

――さて、ここからしばらくは、お兄さんに質問です。4月のCORO戦と8月日沖戦、それぞれの収穫や反省点は?

未来 CORO戦は勝ったから言うんですけど、計量後のリカバリーに失敗しまして。夕方6時から試合だったんですが、昼にケーキを10個も食べてしまって、胃が痛かった。そこで反省してリカバリーの方法を身につけたので、日沖戦では調子が良かったです。計量後に甘いものは食べないほうがいい、ちょっとお腹が減っているぐらいでいい、ということがわかったのが収穫です。技術面の収穫としては、2戦を通じて圧力の強さが増しました。

――日沖選手をミドルキックで倒したあと、パンチで追撃してTKO勝ちしましたが、そのことについて先日、意思表示のツイートをしましたね。

未来 「相手が倒れたら追撃しないほうが格好いい」という考えもあるんでしょうけど、それは覚悟のない、リスクを背負っていない人の理想に過ぎないということを言いたかった。その甘さが命取りになるかもしれないじゃないですか。最後レフェリーが止めるまでは絶対に目を離しちゃダメだし、攻撃の手を緩めちゃいけないというのが俺の考えです。

――次に戦う、カルシャガ・ダウトベック選手(24歳・カザフスタン)の印象は?

未来 相当危険な相手だと思いますね。あんなに打撃が強い選手は日本人ではあまりいない。シラットの世界大会で1日3試合やって、すべてKO勝利で優勝しているし、これまでのプロ通算成績は6勝1敗で、KO率は100%。UFCファイターを何人も輩出しているタイガームエタイの所属なんで、無名だけど強い選手であることに間違いはないでしょう。寝技や組み技の動画はなかったから、そこは試合で初めて確かめる感じになりますね。

――寝技や組み技の技術が未知数なのは、未来選手も同様ですよね。

未来 はい。練習仲間以外は、俺のスキルを知りません。まあそこも自信を持っているんで、今回はちょっとMMAファイターとしての強さを見せたいと思います。

――「川尻達也選手や高谷裕之選手とも試合をしたい」と、日沖戦のあとのマイクでおっしゃっていましたが。

未来 ファンが見たがっているんじゃないか、という予想で指名しただけです。リスペクトはありますけど、特別な思い入れがあるわけじゃない。ホント、相手は誰でもいいんですよ。でもどうせやるなら有名な選手のほうがいいし、そのほうがお茶の間のファンも喜ぶんじゃないかと思って。

――先の展望はどこまで見据えていますか?

未来 今を必死に生きているんで、そのときそのとき、やりたいことをやるだけですね。今だったら9月に勝って、年末もRIZINのリングに立ちたいなと思っているぐらい。数年後の目標とかは特にないです。

――では、ここからは弟さんに質問です。5月のマネル・ケイプ戦。結果は判定勝ちでしたが、ご本人は満足していますか?

海 反省点ばっかりです。絶対に仕留めてやろうと思っていたんで、判定になったことがまず悔しくて。「判定がおかしい」という声もあったけど、それぐらいの僅差だったから、言われてもしょうがないかな、と。

――あれだけ当ててもケイプは倒れないのか、という驚きもありました。

海 当たっているけどギリギリ外されている感がありました。パンチ力もすごかった。序盤にもらってめちゃくちゃ効いた。初めて味わう硬さと重さでした。トップ選手のケイプに勝てたのは自信になりましたけど、修正しなきゃいけない点もたくさん見つかった試合でしたね。攻撃のバリエーション不足だったり、力んで大振りになりすぎた点だったり。テイクダウンも、もっと入ってもよかったし。

――踏み付けからのサッカーボールキックが、惜しかった!

海 ああいう技って、面白いし観客も沸くじゃないですか。だから前からやろうと思っていたんですけど、上手くヒットしなかった。そのへんも反省して今後に生かします。

――ケイプ戦のあと、練習中にケガをしたそうですが、大丈夫ですか?

海 右膝の半月板を断裂して、歩けなくなっちゃって。全治2ヶ月と言われたけど、最新医療を駆使して一気に治したから、もう大丈夫です。

――次戦の相手、トップノイ・タイガームエタイ選手(26歳・タイ)の印象は?

海 ムエタイで200戦以上やっていて、MMAでは7戦6勝1敗。気性も荒い選手らしいので、僕とはきっと噛み合うはず。MMAの試合動画を見たけど、寝技の展開になっていないんで、そこの力量はわからないけど、打撃は強そうですね。理想は打撃でKOすること。それ以外の展開でも勝てるようにいろいろ作戦を練っていますけど、まあ、向き合った際の感覚重視で戦おうと思っています。

――トップノイ選手以外に、今後倒したい相手は?

海 誰というのは特にないけど、一緒ぐらいの階級の選手を片っ端から倒したいですね。「強いから試合を受けない」という選択肢は、僕たち兄弟にはありません。相手が強ければ強いほど燃えるんで、そういうのをどんどん当ててほしいです。

――お兄さんから弟さんにアドバイスはありますか?

未来 トップノイは肘の使い方が相当上手いな、と。そこは気をつけたほうがいいかな。

――肘打ちありのルールなんですか?

未来 お互いが合意したら、ありです。俺の試合は相手が合意しなかったので、肘なしですけど。

――それでは最後にお2人から、ファンへの呼びかけをお願いします。

未来 俺の人生というかここまでのストーリー性は、日本の中でも飛び抜けていると思うんですよ。まさにドン底から這い上がってきた。チャンピオンになれば映画にもできるような人生だと思うんで、その歴史の1ページを会場で見てほしいですね。

海 僕たちは1戦1戦、命をかけて戦っている覚悟があるんで、その戦いを、その覚悟を目に焼き付けてほしいです。

「格闘技はスポーツ」と捉える選手も多いが、この2人の戦いからは「格闘技は、やるかやられるかのケンカだ!」と言わんばかりの勢いと覚悟が伝わってくる。9月30日。試合の目撃者たちはきっと、「ヤバい兄弟が現れた!」という驚きと興奮に包まれるはずだ。
(取材・文=岡林敬太/撮影=長谷英史)

【RIZIN.13 朝倉兄弟応援シートA席 6,000円 追加発売中】
枚数に限りがありますのでお早めにこちらの電話番号かE-mailよりお申し込みください!
電話:03-6892-7080(平日9:30~18:00/土曜・日曜・祝日は休業)
E-mail:houjin3@iace.co.jp

【大会名】RIZIN.13
【日時】2018年9月30日(日)13:30開場/15:00開始
【会場】さいたまスーパーアリーナ
【主な対戦カード】
那須川天心 vs. 堀口恭司
大砂嵐 vs. ボブサップ
大雅 vs. 原口健飛
ミルコ・クロコップ vs. ロッキー・マルティネス
浜崎朱加 vs. 黒部三奈
砂辺光久 vs. 越智晴雄
朝倉海 vs. トップノイ・タイガームエタイ
朝倉未来 vs. カルシャガ・ダウトベック
中村優作 vs. マネル・ケイプ
アンディ・ウィン vs. 山本美憂


【チケット情報】※完売間近
http://jp.rizinff.com/_ct/17190942

【放送概要】
20:02~フジテレビで全国放送!
スカパー!、GYAO!、FITE TVで生放送・配信が決定!
詳細は下記
http://jp.rizinff.com/_ct/17202557

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