国産メーカーだけでも1万種類以上!? ポイントをおさえた壁紙選びのコツ

日刊Sumai

2018/9/14 21:30

住宅壁面の仕上げ材として使われている壁紙(クロス)。
昨今のインテリア人気により、珪藻土・タイル・ペイント等の仕上げ方法も増えていますが、日本の住宅ではまだまだ壁紙がメインの仕上げ材として使われています。
ほとんどの人が日常的に自宅で壁紙を目にはしているものの、いざ新築やリフォームで壁紙を選ぶ段階になると、「何を基準に選べばいいか分からない!」「そもそも何か違いがあるの?」「壁紙でそんなに変わらないでしょ」と言う方が多いのが実状です。
そこで今回は壁紙の種類をご紹介しながら、インテリアの質を高める壁紙の選び方をご紹介していきます。
壁紙(クロス)はどんな種類があるの?
壁紙は日本の大手メーカーのものだけでも、1万種類近く存在します。
またその他に海外商品を扱うメーカーや商社、昨今DIY人気の影響もあり壁紙のセレクトショップまで存在しています。
その数を合わせると天文学的な数字になり、その中から自宅に合うものを選ぶことを考えると、壁紙選びが想像以上に大変で難しい作業だとイメージできるかと思います。
そんな膨大な種類がある壁紙ですが、意匠的に、1・織物調、2・石目調、3・木質調、4・柄物調、5・和調の大きく5つに分けることができます。

1・織物調
織物調はマンションから戸建てまでの多くの住宅で使われており、みなさんも必ず目にしたことがあるはず。
特徴としてはその名の通り布の織り目柄になっており、空間に柔らかさや温かみを演出するのに適した万能な壁紙です。
また他の種類の壁紙に比べて個性が強くないぶん、飽きがきにくい壁紙です。
特にこだわりもなく使われる人がいる一方で、少し色味の入ったものを空間全体に使用することで、織物調の特性を活かした上品で質感の高いインテリアを作ることができます。
壁紙
少しベージュがかった織物調の壁紙を使用したコーディネート例。
床やダイニングテーブルのダークブラウンとソファーのベージュ色をつなぐ役割を果たし、重くなりすぎずシックで統一感ある空間に仕上げました。
壁紙
こちらはベンチの張地やキッチンの面材の色に合わせて、織物調のグレージュ色の壁紙でコーディネート。
それにより直線的なフォルムによるすっきり感と、色による柔らかな温もりが共存するダイニングキッチンに仕上げています。
巾木やベンチシートのベースと見比べると、織物調の壁紙に色が入っていることが見て取れます。
上記2つの写真からも分かるように、織物調のクロスはその空間に存在する家具や設備等の色を取り入れて、空間全体をなじませ柔らかな雰囲気を作る場合に使用すると、統一感があり品のあるインテリアを作れます。
また織物調の中で織柄が大きい(太い)ものと、小さい(細い)ものがあります。
ナチュラルテイストやアジアンテイストなどの素材感がポイントのインテリアには織柄が大きいものを。
モダンテイストなどのすっきりした印象のインテリアには織柄が小さいものを合わせると、よりインテリアの質は高まります。

2・石目調
石目調は織物調に比べて、表面の凹凸が少なく空間がすっきり広がりを感じられるのが特徴です。
漆喰塗りのようなデザインが多く存在し、コテ跡の違いで雰囲気が大きく変わります。
特にコテ跡が少なく目立ちにくいものは、モダンやナチュラルといった幅広いインテリアで使えるためとても重宝します。
その他にもタイル柄や石柄・打ちっぱなしのコンクリートのようなデザインもあり、昨今人気のビンテージテイストのインテリアとの相性も抜群でよく使われています。

こちらのお宅ではコテ跡が少ないホワイト色の石目調をナチュラルテイストに合わせています。
石目調はタイルやエコカラット等とテクスチャー(素材感)が近いため、一緒に用いるとインテリアの質を大きく高めてくれます。
また、無垢材を利用した素材感のある家具と合わせると、家具の質感や素材感を引立て温みのある雰囲気を作るのに一役買ってくれます。

こちらはナチュラルテイストから一転、ダーク系のインテリアの写真です。
ピアノの演奏会などを行う音楽ホールを住宅内に作って欲しいというお施主様のご要望を受け、トータルコーディネートしましした。
実はこちらの壁紙は、先程のナチュラルインテリアと全く同じ石目調のものを使用しています。
この場合、ホワイトの石目調のクロスがピアノやチェア・ブラインドのブラックを引き立て、メリハリのある空間を演出する役割を果たしています。
色によるコントラストが、音楽ホールを利用する人に緊張感や期待感を与えられるよう考えデザインしました。

3・木質調
木質調は木目を表現したもので、様々な種類があります。
壁面全面に使用すると空間が重くうるさくなりがちなので、壁全面より天井や柱などで部分的に使うのがポイント。
近年のビンテージテイストのインテリア人気により、最近様々な木柄の壁紙が増えています。
壁紙
上の写真は天井に木目調クロスを使用した例です。
住宅の天井に貼る場合は、床材よりも1トーンほど薄い色のものを選ぶのがオススメ。
その理由は、天井は床や壁と違って光が当たりにくく暗く見えるので、空間が重くなるためです。
一方で商業施設の様に天井が高い場所は、逆にダーク系の色を入れて空間の広がりを抑えて落ち着きを演出することも。
スターバックスなどのダークグレーの天井がいい例です。
また木目の柄がうるさいものは圧迫感を感じさせるため、天井に貼る場合は避けた方が賢明です。
木目の柄はシンプルで質感のいいものを選びましょう。
統一感を目指すなら、フロリーングの板幅に近い幅のクロスを選ぶと、より空間全体のバランスがよくなります。
天井にしても、壁や柱にしても、実際に板を張るよりはるかにリーズナブルで、空間の雰囲気を大きく変えることができるのが木質調のメリットです。

4・色柄物調
近年多くの家でアクセントクロスとして使われています。
デザイン的・色彩的に様々な種類が存在し、玄関やリビング・トイレ、子ども部屋と使われる場が広がっています。
個性を演出できる一方で空間に大きな影響を与えるため、インテリアテイストにマッチするものを選ぶことが重要です。
また、ひとつの空間に2種類以上取り入れると、空間がうるさくなりすぎて、アクセントクロスとしての効果が低くなります。
壁紙
こちらは洗面スペースに鏡面アクセントクロスとして使用した例です。
柄に薄く金色が入ったものを選び、水栓金具・タオルハンガー・ブラケットライトのゴールド色をリピテーションし(繰り返し)、統一感と質感を高めています。

こちらは住宅の2階ホールの壁面に使用した例です。
大柄のデザインのクロスを大胆に配置し、旅館のような雰囲気を演出しています。
リビングなどは面積も広く、このようなクロスは合わせにくいですが、ホールやトイレは色彩的に干渉するものが少ないため、このような大胆なクロスを選んでみるのもおススメです。
壁紙
こちらはベッドルームにアクセントクロスとして、色が入っている壁紙を選んだ例です。
写真では水色に見えますが、グリーンのカーテンとの相性も考え、またほどよく空間のアクセントになるように、エメラルドグリーンの壁紙をセレクトしています。
一般的にアクセントクロスというと、その壁紙自体が個性的で主張するものを選びがちですが、このように一歩引きつつも、さらりと空間のアクセントになる壁紙を選ぶと、おしゃれでゆとりのあるインテリアを作れます。

5・和調
和調の壁紙はやはり和室で使うことが一番多い壁紙です。
他の部屋との差を演出しやすく、比較的選びやすいのが特徴です。
マンション等で和室がない場合はベッドルームに和調の壁紙を使い、旅館のような和風テイストのベッドルームに仕上げても素敵です。
和紙や土壁などの素材感に特徴がある壁紙と、和柄や和色を使った壁紙に大きく分けることができます。
目指す空間によって使い分けることで、空間を大いに演出できます。
壁紙
写真は建具や雪見障子のヒノキ色に合わせて、ベージュ色の和紙テイストの壁紙でコーディネート。
色味を抑えて同系色にすることにより、統一感と和紙の質感をより感じられるように考えデザインしています。
シンプルですが、温かみや優しさを感じられる和の空間になっています。
壁紙
一方、こちらは和調クロスの色柄タイプである金屏風クロスを大胆に使った事例です。
ここまで派手な壁紙は、なかなか実空間では使えないため、納戸でご提案させていただいたところ、お施主様から「面白いね!」ということで採用いただきました(4面すべてに貼っています)。
コンセプトは「秀吉部屋」です(笑)。
実空間は金のお陰で光が反射し、写真より室内はもっと明るく厳かな感じがします。
納戸やホールなどは家具やカーテンなどがないため、周囲のインテリアをあまり気にせずに、この様な思い切った壁紙を選んでみると毎日が楽しくなりますよ。

まとめ
いかがでしたか?
壁や天井はインテリアのおいて大きな面積を占めるため、空間に与える影響は大きいです。
それぞれのクロスの持つ特長を知り、その特長を活かして、質の高いインテリアを目指してみてはいかがでしょうか。

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