認知症の約20%も!「脳梗塞」「脳出血」で発症するって知ってた?

日刊Sumai

2018/9/14 21:30

少しずつ認知症の症状が現れるアルツハイマー型認知症とは異なり、脳梗塞、脳出血などの脳血管が原因で認知症になる人は少なくありません。
しかも、脳梗塞は40代、50代でも発症します。
とはいっても、脳梗塞は生活改善などで防ごうと思えば防げる病気です。
ここでは脳梗塞で認知症を発症した人の介護について、一例を紹介します。
参考になれば幸いです。
ある日突然、父が倒れて自宅で介護することに…
同居している義理の父親(78歳)が脳梗塞で倒れ、退院したら自宅での介護を考えているという主婦A(48歳)さん。
脳梗塞
KY / PIXTA(ピクスタ)
Aさんのご主人は営業部で出張も多いため、主介護者となるのは必然的に自分だろうと感じていました。
Aさんは事務職で比較的休暇が取りやすく、仮に会社を辞めてもご主人の収入でなんとかなるとも考えました。
当初、Aさんは自宅で介護(在宅介護)するか、介護施設に入所させるかで悩んでいました。
しかし、父の意識はしっかりしているため、施設入所はやはり気が引けました。

離職せず介護休業を利用して介護に専念
Aさんは結局、自宅で介護という方法を選択しました。
そして、現在の仕事について、次の4つの選択肢を考えました。
  1. 勤務時間を短くして早く帰宅し、介護できるようにする
  2. 地元のスーパーなどでのパートに切り替える
  3. 自宅でできる仕事をする
  4. 仕事をしないで介護に専念する
Aさんが選択したのは1でしたが、上司に相談すると、しばらく介護休業をとればいいとアドバイスされました。
介護休業申出書
ふじよ / PIXTA(ピクスタ)
介護休業は雇用保険から介護休業給付金が支給され、1回の介護休業期間は最長3か月です(介護休暇は最長5日間)。
言われるまま介護休業をとり、父の介護に専念することにしました。

自宅でリハビリと介護に追われる日々に
3か月ほど入院して自宅に帰ってきた父は、左半身麻痺と言語障害がありましたが、自分でご飯を食べたり、トイレに行くことはできます。
食事
KY / PIXTA(ピクスタ)
リハビリ通院によって父親も機能回復を目指して頑張っていました。
あまり回復はしないものの、現状を維持しながらそれなりに自立した生活が続きました。
Aさんの介護は食事づくりと食事介助、歩行訓練の手助けや見守り、薬の管理、トイレ介助などです。
歩行中に倒れると自分では起き上がれないうえ、下手をすると命の危険性もあります。自宅であっても目が離せないのです。
転倒
しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)

「デイケア」に通い介護者も負担が軽減
Aさんは父親に、より質の高いリハビリを受けさせようと考え、デイケアを利用することにしました。
デイケア
Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)
要介護3の父は毎日楽しくデイケアに通うようになり、Aさんの負担も一気に軽減されます。
そして、仕事にも復帰しました。
仕事の時間を短縮して、デイケアから帰ってくる父親を迎え入れることにしたのです。
ところが、事態は急変しました。昼間大人しくしていた父が夜中に起きて動き回るという異常な行動をするようになります。
昼夜逆転現象の始まりでした。
Aさんの疲労はこれまで以上となり、睡眠不足の日が続きます。
睡眠不足
Ushico / PIXTA(ピクスタ)

認知症の19%にも及ぶ!脳梗塞が原因で認知症に発展するケースも多い
脳梗塞や脳出血などによって発症する認知症のことを「脳血管性認知症」と呼び、認知症全体の19%にも及んでいます。
主な症状としては、何に対しても意欲や自発性がなくなるとともに、感情の起伏が激しくなり、些細なことで怒ったり落ち込んだりします。
認知症
NOV / PIXTA(ピクスタ)
ただ、判断力や記憶力は比較的保たれています。
また、手足に麻痺や感覚の障害、言語障害などの症状が現れることもあります。
日中に活動する意欲が少ないため、不眠や昼夜逆転につながり、その対応に振り回される家族も睡眠不足や大きなストレスを抱えてしまいます。

「介護施設」に入所して落ち着きを取り戻した父
その後、Aさんの父は「脳血管性認知症」を発症してしまいます。
夜中に窓を割って出て行こうとしたり、家の中を歩き回るようになりました。
Aさんは毎晩のように繰り返す父の対応に追われ、ついに疲労で倒れ入院してしまいます。
それを見かねたAさんのご主人は、父親をグループホーム(認知症の人を対象とした介護施設)に入所させることにしました。
老人ホーム
IYO / PIXTA(ピクスタ)
施設では父親に応じた介護プランが作られ、介護士が日々のケアを行います。
異常行動を繰り返していた父もよやく落ち着きを取り戻し、面会に訪れるAさんとも笑顔で会話できるようになりました。

Aさんの父親の場合、最初からデイサービスか施設か、という選択ではなく、自然の流れで最終的に施設に入所したケースです。
自宅で介護する人が増えていますが、介護の負担が大きいか小さいかによって、最初から施設入所という選択もあり得るでしょう。
脳血管性認知症の人が必ずしもこのような流れを辿るわけではありません。
あくまでも参考として、一つの流れを知っておくと良いでしょう。

【参考】
※ 厚生労働省 Q&A~介護休業給付~
※ 認知症ねっと 認知症とは?原因・症状・対処法から予防まで

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