全米大ヒットの新感覚ホラー。「無音は無理!」なアナタは瞬殺決定...<連載/ウワサの映画 Vol.51>

Walkerplus

2018/9/14 08:00

低予算のホラー作品ながら予期せぬ大・大・大ヒットを記録した「クワイエット・プレイス」。クリス・プラットやスティーブン・キングらもSNSで絶賛してて、超楽しみだったんだよね。描かれるのは、静寂を強いられた世界×ある家族の感動すら誘うサバイバル…。何がどうなっちゃうのかは言えませんが、あらゆる音に過敏になっちゃってドッと疲れたっ! 当事者レベルで体感させる”新次元の恐怖”に心臓バクバクです!

舞台は、音に反応し人間を襲う“何か”によって荒廃し、人類滅亡の危機に瀕した地球。リー(ジョン・クラシンスキー)とエヴリン(エミリー・ブラント)の夫婦は、3人の子どもと共に、その過酷な状況を生き抜いていました。脅威の“何か”は呼吸の音さえ逃さず、一瞬でも音を立てれば”即死”する…。手話を使い、裸足で歩き、道には砂を敷き詰め、静寂と共に暮らす家族たちでしたが、なんと、エヴリンは出産を目前に控えているのでした! 果たして一家は、最後まで沈黙を貫けるのでしょうか…!?

ママ役の実力派エミリー・ブラントと、本作の監督も務めたパパ役のジョン・クラシンスキーは、実生活でもおしどり夫婦として有名。妻に比べパッとしないキャリアの旦那でしたが、監督としても初挑戦となったホラー畑で名采配をふるい(脚本にも参加してます)、思わぬ大ブレイクです!

まさにアイデア勝ちの本作は、「”音”禁止」のルールが、静けさと極限の緊張が支配する不穏な空間を創出。観客には、一家と共に息を殺して納屋に潜むという試練の疑似体験が待ち受けます。抑えめの効果音と確か十数個程度のセリフしかない中で、たまに出ちゃう小~さな生活音が異様に増幅される…。”自分の不注意”が防げたはずの死を招く不条理設定が、もう効果テキメン! 観客は全神経を研ぎ澄ませ、劇場内に響く些細な音を聞きつけて率先して怖がるっていう巧妙な構造です。

意外にも、家族のドラマに泣かされちゃうんだよな~。特に、父ちゃんにねぇ。耳が聞こえない娘がいることで手話を習得していたこの家族。そんな彼らのサバイブ術や、”ある出来事”に傷付いた娘と父の間にできた溝を乗り越えて団結していくさまを、強烈な画の力で伝えきります。ストレスフルな環境下で徐々に高ぶっていく感情の迫力がものすごい...。生死の際で求め合う”愛”は”恐怖”によって強固になっていくわけで、なんだか複雑。

役者もそれぞれ名演技! まずは、ある時は突き出た釘を踏み、ある時は出産の修羅場を迎えて悶絶するエミリーの”おののき顔”に拍手。そして、終盤の雄姿と手話に「父ちゃあ~ん!!!」と叫びたくなるジョンの不器用なパパ像も光ってます。イチオシは、長女の役柄同様に自身も聴覚に障害をもつミリセント・シモンズちゃん。父ちゃんお手製の補聴器を付けた凛々しい姿で演技を超えた現実味をもたらす彼女は、本作のキモと言ってもいい。父親と姉の仲を取り持とうとする長男役のノア・ジュプ君(今作もかわいい~)も含め、それぞれが的確に魅せる”家族のつながり”。一家に肩入れすればするほど恐怖も増してくから、もう大変…。

日頃は無頓着な”音”が生命を持っているかのように描かれ、良くも悪くもその存在の大きさを実感しました。声も出せない苦痛と恐怖のWパンチが、これほど精神を参らせとはね...。加えて、すべてが予測不可能っていう”ドキドキ&ビクビク”もハンパなくて、ホラー慣れしてる人にもオススメなんです。反射的な”びっくり”は防ぎようも慣れようもないから!

言葉をこねくり回しても伝えきれない(さんざん書いといて…)、やはり体感してナンボの1本です! 結局のところ”何か”の正体にまつわる詳細などは謎のままだったな…、と思ったら、すでに続編も動き出してるようですよ。「無音の行」再びかぁ…。待ち遠しい…なぁぁ…(怖)。【東海ウォーカー】

【映画ライター/おおまえ】年間200本以上の映画を鑑賞。ジャンル問わず鑑賞するが、駄作にはクソっ!っとポップコーンを投げつける、という辛口な部分も。そんなライターが、良いも悪いも、最新映画をレビューします!  最近のお気に入りは「イコライザー2」(10月5日公開)のペドロ・パスカル!(東海ウォーカー・おおまえ)

https://news.walkerplus.com/article/161719/

あなたにおすすめ