投資信託を購入するときにチェックしたい4つのポイント


数千本もある投資信託の中から購入したいと思うものを選ぶのは、なかなか骨が折れますね。しかも投資方針や投資対象資産にばかり注目し、銀行や証券会社がおすすめする商品を言われるがままに購入していませんか。そこで購入するときに判断基準となる4つのチェックポイントを紹介しますので、窓口で担当者と会話するときや、ネットで情報収集するときに役立ててください。

○■4つのポイントで安定的に収益を生み出し続けているかを評価しよう

以下の表を見てください。4つのポイントと、何をチェックすればよいかを整理しました。これらのチェックポイントを確認することで、中長期にわたって安定した収益を生み出しているのか。これからも生み出せそうかを評価できます。順に詳しく解説します。
○(1)コスト

投資信託にかかるコストは大きく3つあります。以下の図に3つのコストが発生するタイミングを整理しました。

(1) 購入時(申込時)にかかる「申込手数料」
(2) 運用中にかかる「信託報酬」
(3) 解約時にかかる「信託財産留保額」

(1)申込手数料は、購入時に窓口となる証券会社や銀行に支払う手数料のことです。商品によっては申込手数料がかからないものがあり「ノーロード」といいます。

投資信託は、申込手数料込の金額指定で購入することが多いので、いくら支払ったか分かりにくいという欠点がありますので、いくら支払うかしっかりチェックしましょう。

例えば、税込手数料2%の投資信託を10,000円分購入する場合には、9,804円分の投資信託と9,804円の2%である196円の手数料を支払い、あわせて10,000円となるように計算します。お店で物を買うときみたいに、10,000円分の投資信託と10,000円の2%である200円の手数料であわせて10,200円とはなりません。

(2)信託報酬は、投資信託の運用元が徴収する管理料のことです。ファンドマネージャーの給料や運用レポートの作成費用などに充てられます。投資信託の総残高である「純資産総額の年○%」として徴収されます。

年率は0.5%~3%程度が一般的です。毎日の基準価額を計算するときに自動で差し引かれていますので、投資家が直接支払うことはありません。逆に言うと、見えないコストとして毎日差し引かれていることになります。

(3)信託財産留保額は、投資信託を解約する際に支払う違約金のようなものです。解約して現金化するときに、運用元が資産を売却するにも費用がかかりますのでその費用を投資家に負担してもらう仕組みです。
○(2)規模と安定性

規模と安定性は、純資産総額と基準価額を見てチェックします。純資産総額と基準価額の関係を以下の表に整理しました。
○純資産総額と基準価額の関係

投資信託で運用している資産の総額は、純資産総額で表しますので、この金額が大きいほど投資信託の規模が大きいといえます。また金額が小さくなると運用を終了してしまう可能性があります。最低でも30億円以上あると安心です。しかし現時点で30億円以上あるから安心というわけでなく、直近半年や1年で純資産総額が減っていないかをチェックし、増加傾向にあることを確認しましょう。

このとき基準価額も同じように上昇していれば新規に購入している人が増えつつ、収益が順調に生まれているといえます。しかし基準価額が下落していれば運用が低迷していることがわかります。もし、純資産総額が減っているにも関わらず基準価額が上昇している場合は解約する人が多く、運用期間終了が迫っている可能性があります。
○(3)収益性

投資信託がどのくらいの収益を上げているかによって、得られるリターンが決まりますので重要なポイントです。3つの指標を理解しておきましょう。

(1)トータルリターン:一定期間で得られた利益率。ここでいう利益は「基準価額の増減+分配金額」
(2)騰落率:一定期間での基準価額の変動率。
(3)シャープレシオ:リスク1%に対して何%リターンを得られたか

(1)トータルリターンは投資信託の運用成績を表している指標です。数値が大きければ成績が良いといえますが、直近のトータルリターンの値だけを見るのではなく、3年や5年といった中長期で安定的にリターンが出ているかをチェックしましょう。

(2)騰落率は基準価額の変動にだけ注目したものです。トータルリターンと同じように増減をチェックします。やはり3年や5年といった中長期で安定しているかが重要です。

(3)シャープレシオは運用の効率性を表す指標で、リターンをリスクで割って計算します。数値で評価するので収益性の項目に入れています。

リスクで割ると、リスク1%あたりのリターンが計算できます。シャープレシオが大きいほど効率よく運用できているといえます。異なる投資信託を比べるとき、当然リスクの大きさは投資信託それぞれで違っています。そんなとき、リスクを同じ大きさに直した場合のリターンで見比べられます。0.3以上の値が安定的に出ているかチェックしましょう。

ちなみに、トータルリターンと騰落率をネット証券のファンド検索で見ると、トータルリターンは年率換算されているので騰落率と大きく乖離があるように見えます。騰落率は数値を年数で割って計算しましょう。

※参考:マネックス証券ファンド検索画面の新成長株ファンド (明治安田アセットマネジメント)
○(4)投資効率

投資信託の場合は、預金や債券でもらえる利息と異なり、分配回数が少ないほど投資効率がよくなります。分配すればするほど、純資産総額が目減りし基準価額も下落するからです。利益が出ている状態で分配金を受け取ると、その利益に対して20.315%の税金がかかりますので、分配回数が少ないほど課税回数も少なくなります。また年1回の分配だったとして、分配金額が毎年減少してきている投資信託は要注意。分配金支払いのための収益が出ていない可能性があります。純資産総額が少なくなっていないか確認しましょう。

ここで紹介したチェックポイントを理解すれば、何となく投資信託を購入している状態からレベルアップできること間違いなしです。

ちなみにチェックポイントをインデックスファンドに対してチェックする場合にはあまり当てはまりません。なぜなら、インデックスファンドは日経平均株価などの指標値に連動するように設計されているからです。市場の増減に左右されて規模や収益性が変動します。とはいえ、確認項目として見ておくに越したことはありません。

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