『サンズ・オブ・アナーキー』の2年後が舞台、スピンオフ『Mayans M.C.』は本編凌ぐリアリティ

海外ドラマNAVI

2018/9/12 20:00

荒くれ者のライダー集団が、郊外の街をギャングから守り抜く『サンズ・オブ・アナーキー』。全7シーズンが製作された好評のドラマに、スピンオフが誕生した。米FXで9月4日から放送中の『Mayans M.C.(原題)』は、前作の雰囲気を忠実に継承している。土埃の中で繰り広げられる男たちの友情、笑い、そしてバイオレンスの世界が、およそ4年の時を経て帰ってきた。

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■バイク愛好家集団、裏ビジネスで麻薬抗争に巻き込まれる
米国で2014年12月まで放送された本家『サンズ・オブ・アナーキー』は、カリフォルニア州郊外の街で自動車修理工場を営む男たちの物語。彼らの裏の顔は、違法な武器商人。ある時ギャングが街の征服を目論んだことから、銃を手に取り、故郷を守るために立ち上がることに。

ファン待望のスピンオフとなる『Mayans M.C.』は、本編から2年余り後の世界が舞台となる。メキシコとの国境付近で活動するバイク・クラブ「マヤンズ」には、アメリカへのドラッグ密輸で麻薬カルテルのビジネスを支えるという陰の仕事が。

第1話では、監獄生活を送っていたイージー(J・D・パルド)が社会復帰。すぐに、マヤンズの南カリフォルニア支部のリーダー候補に抜擢される。順調に思えたクラブでの生活だが、次第に暗雲が。マヤンズの内部分裂、捜査当局の介入、不穏な第三者の影などにより、チームの結束は風前の灯に。さらに、取引先の麻薬カルテルを卑劣な手段で崩壊させようと目論む反抗勢力が現れる。密輸ビジネスを手伝っていただけのマヤンズは、ギャング抗争の泥沼に巻き込まれてゆく。

■イースター・エッグを探そう
本編と同じくカート・サッターが製作に名を連ねる本シリーズは、『サンズ・オブ・アナーキー』の世界観を忠実に受け継いでいる。争いが絶えないながらも強い絆で結ばれたマヤンズは、強面の集団ながら愛すべき間抜けな一面もちらほら。前作にも通じる友情ドラマと、ときに良いスパイスとなるショッキングな暴力シーンも健在。こうした特徴を挙げる米Varietyは、どれだけ観ても色褪せることがないと評価する。

前作の視聴者を唸らせる仕掛けは、ディテールにも潜む。イージーの登場シーンで、死んだカラスが画面に登場すると米IndieWireは指摘する。本編の最終話でジャックスの運命を決定付けたシーンでも、2羽のカラスが登場していた。ジャックスに代わり新たな主役になるという象徴だろうか。他にも本編とのリンクは随所に登場し、まるでイースター・エッグ探しのようにファンを楽しませてくれると、同メディアはシリーズの遊び心を歓迎している。

■本編と違うオリジナリティも
前作の空気感をそのまま引き継ぎつつも、独自の世界を展開しているのがシリーズの不思議な魅力だ。主人公イージーについて、ジャックスとは別のタイプの人物だとIndieWireは見ている。サンズ・オブ・アナーキーを率いていたジャックスとは違い、イージーはまだリーダー候補。また、その座に就くことを望んでいないというのも大きな相違点だ。さらにスピンオフ全体として、そのストーリーから本編以上のリアリティが感じられるようになったとも評価する。密度の濃いプロットに、銃撃戦や流血シーンも豊富な本作。同じ目的の元に団結するギャングたちや、それぞれの目的を胸に秘めたメンバー、そして個人レベルや集団レベルで重ねられる秘密と嘘――。壮大なストーリーの隙間を縫うように、個人レベルの血の通ったエピソードが何本も走っていると述べる。

リブートやリメイクの溢れかえる昨今のドラマ界において、スピンオフのスタンスをわかりやすく打ち出すことは非常に重要だとVarietyは指摘し、作品の立ち位置を高く評価する。ジャックスが役割を終えた後の世界を描くという取り組みは非常に特徴的で、差別化につながっている。

スピンオフ『Mayans M.C.』は、米FXで放送中。日本では本家『サンズ・オブ・アナーキー』の全シーズンをAmazon Video、dTVなどで視聴可能。(海外ドラマNAVI)

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J・D・パルド (C) Joe Seer / Shutterstock.com
『サンズ・オブ・アナーキー』 (C)2016 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

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