さらば青春の光インタビュー! 10年目で辿り着いたコントの極み「アイディアは100回枯渇した」

日刊サイゾー

2018/9/12 19:00



2008年に『キングオブコント』への参加を目指して結成され、結成10年目を迎えるお笑いコンビ・さらば青春の光が最新DVD『真っ二つ』(ポニーキャニオン)を発売した。

4月より東京・大阪・名古屋の全国3カ所を巡り、コンビ史上最大規模となる2,500人以上を動員した同名単独ライブから、CBGKシブゲキ!!での千秋楽の様子を収録した内容となっており、テレビとはまた違った、彼らの生の迫力を楽しむことができる。

今回はそんな、さらば青春の光の森田哲矢と東ブクロを直撃。本DVDの見所や、コンビのこれからについて話を聞いてきた。

──DVDを見たのですが、ひとつのコントの長さが結構あって演劇を見ているような感じがしました。

東ブクロ 僕たちのことを、なんとなく知っている人って、やっぱり『キングオブコント』でコント1本、2本見たことあるなっていうような人が多いと思うんですけど、そういう場所でやっているネタって、4分とかそういう長さのもの。DVDに入っているものは10分、15分やっているもので、それを見てもらって、ああ、全然違う面白さがあるなっていうところを知ってもらいたいですね。どうしても4分じゃできないことをやっているので、「これぞ、さらば青春の光やぞ」っていうのを、このDVDを通じて知ってもらえたら。

森田 ネタの間口は広いと思うんで、僕らを知らない人も楽しめる内容なんじゃないかなと。舞台なので時間を気にせず間を使えるので、使えるだけ時間を使ってます。

──セットもしっかりしていて、お笑いライブにしてはお金がかかっているなという印象だったのですが。

森田 お金、めちゃくちゃかかっています(笑)。セットがやっぱり大きいです。全部美術さんに発注して作っているので。

──コントとはいえ、演劇の匂いも強く感じさせる内容で、笑いを取る力だけでなく演技をする力もすごいなと感じたのですが、演劇的な勉強を過去にしたりはしたんでしょうか?

森田 全然していないです。我流といえば我流です。

東ブクロ 大阪は漫才をやる人が多いんですけど、僕ら、いつの間にかコントを主体とするようになって、意識したわけではないけど、こういうふうに作るようになっていたんです。

──しっかりしたコントの方が、漫才をするより自分たちらしい笑いが生まれやすい?

森田 そうですね。コントの方が面白さは伝えられる。漫才は型が決まっちゃうと速攻でがんじがらめになっちゃうとか。そんなんがあるんで。

──ネタはどうやって作っているんですか?

東ブクロ 森田が書いているんです。

森田 いつも必死こいて考えているんです。アイデアは降ってくるっていいたいところですけど、実際はアホほど考えて作っています。

──ネタを作るのって、すごくたいへんそうですよね。アイデアもいつもいつもあるものでもないでしょうし。

森田 考えていて、もうできひんのちゃうかっていう時もありますよ。もうヤバいなって、枯渇したなっていう状態は、これまで100回くらいあるんじゃないですか。もうあかん、もうできひんわって。

──アイデアはどこから出てくるんですか

森田 日常とか、テレビ見ている時とか、人と話していたり、喫茶店で横の人の会話を聞いてる時に出てくるんです。隣からたまたま聞こえてきたりすることが面白かったりするんで、これ脚色して使ってやろうって。例えば今回のDVDにラーメン屋のネタが入っていますけど、それはテレビで食い逃げのニュース見て思いついたことだったりするんです。逃げた人の考えを分析して、不味かったら逃げるよなって考えたことがネタになったり。

──テレビで流せないギリギリのネタも多いと感じたんですけど。

森田 それ、みんなに言われるんですけど、そんなにでもないと思うんですけどね。

東ブクロ 僕らにしたら、今回のはマイルドな方だと思います。

森田 もっと流せないネタも、ほかにいっぱいあるんで。

──テレビでやる時と、ライブでやる時の違いってあるんですか?

森田 舞台でやる方がシンプルな笑いですよね。テレビはやっぱりどこか作った笑いというか、観覧の方も盛り上げてくれるというところがあるので。

東ブクロ テレビだと、前説とかいて、スタジオが温まった状態で出れるんです。ライブだとそこはゼロの状態から温めていくので。恐いといえば恐いです。

森田 舞台の方が生の笑い、生の反応が返ってくる感じがあります。僕らのライブを見るお客さんはほんとにフラットな感じで会場にやってくるんです。ワーキャーが一切ないので。普通ほかのコンビがこれ言ったら笑いますよ、みたいなところも、それくらいじゃ笑いませんよ、という感じです。品定めされる感じでしっかり見るという感じ。それが恐いところでもあります。

──ネタの話に戻りますけど、コンビでやっていて、片方が書いて片方は書いていないってなると、ケンカになったりしないんですか

森田 う~ん。どうですかね。僕らはならないですね。性格は全然違いますけど、ベクトルは同じという感じで、ずっとやってきて仲はいいですから。ケンカはほとんどないですね。

──東ブクロさんは同志社大学の文学部卒なんで、てっきり僕は東ブクロさんが書く方が得意で、こういう舞台のコントを書いているのかなと。

東ブクロ いや、全然。同志社大学っていっても裏口入学ですから(笑)。

森田 (笑)。

東ブクロ コンビで2人でネタ作っているところのほうがケンカになるんちゃうかと思いますけどね。ケンカはないですね。もう10年一緒にやっていますけど。

森田 僕自身がこいつ(東ブクロ)のこと計り知れない面白さがあると評価していますからね。ポテンシャルを秘めているという感じがあるなって。人間って脳みそ3割くらいしか使っていないって言いますけど、こいつの場合はまだ0.5割くらいしか使っていないんじゃないかって。

──10年やってきてネタもだいぶ変化しましたか?

森田 長くなりましたよね。

東ブクロ もともと3分、4分のネタをライブに落としていましたけど、それが長くなって、昔よりはわかりやすくなっていると思いますね。

森田 昔は4分にするので必死やったんです。ひとつのアイデアを4分に引っ張れなかったんです。今は10分のやつを4分にするのが大変。テレビで1分のネタとか言われると、逆にどうしていいかわからなくなる。若手の頃は1分のネタしかできなかったのが、その感覚をもう忘れてしまっている(笑)。

──ネタはアドリブも多く入ってくるんですか?

東ブクロ あります。でも、僕らはほかに比べたら少ない方だと思いますけどね。

──10年やって成長したことってどこですか?

森田 僕は心が寛容になったと思います。相方に対してですけど(笑)。こんなやつと組んでいるというところで僕ほど優しい人間はいないと思うんです。(東ブクロは)芸人としては破天荒で騒動も起こしていますけど、自分より面白みがあるやつやとは思っています。

──東ブクロさんの過去に起こした騒動などがネタになったりもするんですか?

森田 そうですね。今となっては(笑)。

──いろいろトラブルが発生した時って、相方としてはどんな心境なんですか?

森田 うちの相方が騒動起こしたときは、すごいなって。芸人やなって。たけしさんみたいなやつが出てきたなって。でも、周りのみんながめちゃ怒ってましたから、足並み揃えて僕もあかんぞって怒りましたけど(笑)。でも実際は僕自身、そういうところは寛容なんですけどね。ちょっと危険な香しているほうが芸人らしいやんって思う方なので。

──東ブクロさんから見て森田さんはこの10年で変わりましたか?

東ブクロ だいぶ変わりましたね。それこそ最初の頃は森田は松本人志さんに憧れていて影響をもろに受けていましたからね。

森田 学生時代はダウンタウン一色やったんで。ああいうしゃべり方がおもろいとか。松本信者になっていましたね。松竹入った頃はネタもぼそっと一言言うみたいな感じでやっていました。

──松本信者なのに吉本じゃなく松竹を選んだというのも面白いですね。

森田 そこは、ちょっとビビったんです(笑)。

東ブクロ その頃の森田は、周りとつるむ感じでもないし……。

森田 尖ることが普通でしょって(笑)。

東ブクロ それが僕とコンビを組んでから、だんだん変わっていって。

森田 そうなんです。だってこいつが暗いですから。暗い同士は絶対売れへんなって。僕は、根は明るいんで。無理して松本さんみたいにしようって思っていただけなんで。もう尖らん方がええよねって。天才以外は尖っちゃダメやって。

──紆余曲折して今のネタの方向性になって、自分たちの進路としていい感じになっていると思いますか?

森田 そうですね。なんだかんだで足を運んでくれるお客さんがいますからね。

東ブクロ 個人事務所もやれてますからね。

──個人事務所の話がでましたけど、個人事務所になってからのほうが、ぶっちゃけ儲かるようになったんじゃないですか

森田 個人の方が儲かるって言いますよね。言われるんですけど、家賃もありますし、いろいろお金がかかるんですよ。

──武井荘さんが個人事務所で儲けてるって話をよく聞きますけど。

森田 武井荘さんは、あれもうべらぼうに儲けてます(笑)。

東ブクロ (笑)。

森田 あれは単価が違いますもん。僕らは単価はそんなに高くないので。

東ブクロ 単価は安いですね。

森田 猫も飼っていますしね。猫のエサ代もかかるし(笑)。

──お二人はその個人事務所の社長と副社長なんですよね。どっちが社長か副社長かで給料も変わってくるんですか?

森田 給料は一緒です。

東ブクロ どっちが社長になるかは相撲で決めたんですよ。

森田 日本人たるもの和の心ですよ。相撲で決まったことがすべてなんです。戦争とかダメです。全部相撲で決めればいいんです。会社は僕とこいつとマネジャーの3人です。あと猫が一匹(笑)。

──森田さんはコントの最中、結構声を張っていますけど、喉をつぶしたりはしないんですか?

森田 潰します。今回のDVDも千秋楽を入れているので、まあまあ潰していると思います。毎回千秋楽をDVDにするんですけど、一番喉のコンディションが悪い時やったりするんですよ(笑)、ネタはもちろん千秋楽やから一番仕上がっているんですけどね。

──地方とかに行くと、どこかウケがいいですか?

東ブクロ 今回だと大阪は盛上がりましたね。

森田 大阪は、なんだかんだで僕らの泥臭さが合っているのか、よく笑ってくれますね。

──大阪以外だとどこへ行ったりするんですか?

森田 福岡行きたいですね。

東ブクロ 森田の場合、こういうのは風俗目的ですわ。

──行く土地土地で、お気に入りの風俗とかあるんですか?

森田 土地土地でロールプレイングですよ。わーって歩いてどこがいいかなって。

──稼ぎは風俗に消えていく感じなんですか?

森田 そんなこともないですよ。でもまあ風俗はよく行きます。行く時は週2とかで行きますよ。おごりとかもありますんで。

──最高月いくらくらい使ったんですか?

森田 10万くらいじゃないですか。スタッフさんとか社長さんにおごってもらうことの方が多いんです。金持っているスタッフさんと飯行くじゃないですか。なんとなくエロい話するんですよ。自分がハマっている風俗の話とかすると、酒も入っているから、その人ムラムラしてくるんですよ。じゃあ、おごるから行くかみたいになるんですけど。もうそうなったら、いっちょ上がりですね(笑)。

──飯おごってもらうより風俗おごってもらう方がうれしいですしね。

森田 そうですよ。風俗おごってくれる人が一番いい人です(笑)。だってなかなかおごれるもんじゃないですよ。一番心意気があります。

──ライブに話を戻しますけど、客層は今どういう感じですか?

森田 男多いですね~。一応老若男女です。僕らのライブは。

東ブクロ 結構スーツで仕事お終わりに来てくれてる人が多い印象です。

森田 カップルも多いですね。彼女が彼氏に連れてこられてとか。もちろんその逆も。誰でも入りやすい環境だと思いますよ。

──客入りはどんどん増えていますか?

森田 今回が一番入ったんじゃないですか。

東ブクロ チケットが一瞬で売れたんです。

──全国的なブレイクも間近かもしれませんよ。

森田 いやいや、僕らはブレイクなんてしないです。もうしないことはわかっているんです。徐々に上げていって、ブレイクと同じ位置に行くのが正しい売れ方だと思っています。

東ブクロ みなさん、なんとなく名前は聞いたことあるみたいな位置からブレイクってなかなか難しいですよ。僕らそういうタイプでもないし。

森田 そういう意味では東ブクロはまだ引き出しが眠っていますから、可能性はあるかもしれませんね。ゴルフが好きなんで、全英オープンとかで優勝してくれたら(笑)。

──10年でひとつの形を作り上げて、この後ですけど、どういう未来図を思い描いているんですか?

森田 テレビとかでも、なんか面白いよな、気いついたらおるみたいな感じが本当はいいんですけどね。売れ方的にはハナダイさん(博多華丸・大吉)みたいな感じになりたいなって。今はもう松本人志さんではないです。おこがましいです(笑)。そんなこと言ったらハナダイさんに失礼ですけど。でも、ネタだけは評価されていたいです。ここだけは他人に負けたくないって。1年1年成長していきたい。来年の単独ライブも今回のDVDの内容を越えるものにするつもりなので楽しみにしていてください。

東ブクロ 来年さらに大きくなれるように頑張ります。もっと大きな会場でできるようになるようになりたいですね。
(取材・文=名鹿祥史)

●さらば青春の光 単独LIVE『真っ二つ』
PCBE-12506 ≫商品詳細&購入 本体価格¥3,333+税
収録分数:105分
発売元:TBSラジオ
販売元:ポニーキャニオン
(C)2018 TBS RADIO / THE MORIHIGASHI

「さらば青春の光」公式サイト
http://www.sarabaseisyunnohikari.com/
森田哲矢 公式Twitter
http://twitter.com/saraba_morita
東ブクロ 公式Twitter
http://twitter.com/sarabahigasi

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