全身ユニクロは危険。ZARA、GU、どう使い分けるのが賢いか?

日刊SPA!

2018/9/12 08:55



メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第194回目をよろしくお願いします。

統計によると、個人が所有する洋服の量は10年前と比較して数倍にまで増えているそうです。その原因はもちろんファストファッション。服の価格破壊が進み、今では極上のデニムも1枚2000円程度で購入できるほど。10年前ならば考えられないほどデフレが進みました。多くの人がそんなファストファッションの恩恵を受けているかと思います。

ユニクロ、GU、ZARA、H&Mと国内外ファストファッションブランドが乱立していますが……どのブランドがどんな特徴があるか、あなたは把握していますか?

今回はファストファッションの特徴マップをお届けします。実は明確な違いがある各ブランド、「これを買うならココ」と分かっていれば無駄な時間とお金を費やさずに済みます。ぜひご参考ください。

◆極上の定番品ならユニクロ一強。ただし「全身ユニクロ」は危険

国内を代表するファストファッションブランドならやっぱりユニクロ一強。2018年現在、世界ランキング3位を誇るユニクロの特徴は「素材」にあります。

高級ブランドが採用するデニム「カイハラ」、高級コットン「スーピマ」、希少素材である「カシミア」、アウトドアメーカーでさえ値段を落とせなかった「シームレスダウン」など素材に徹底的にこだわり、極上品を低価格でラインナップできているのが、ほかのブランドにないユニクロだけの魅力です。

では、なぜユニクロはここまで「高品質低価格」を実現できるのでしょうか。それは他ブランドと明確に違うロングスパン戦略に理由があります。

通常、ほかのファストファッションブランドは「多型少量生産」です。それぞれの枚数はさほど多くないけれど、大量のデザインを用意して消費者同士が被らないようにするのが狙い。「あ、それH&Mでしょ」「それZARAだね」など、他人と被りブランドバレするのを防ぐわけです。

洋服の価値は「他人との差別化」にあります。他人よりもかっこよく見える、特別に見えるからありがたがる傾向があります。だからこそファストファッションブランドは「買いやすいけど、大量に型があるから他人と被らない」ように考えて「多型少量生産」を採用しています。

ところが、ユニクロはこの戦略と真逆です。通常のファストファッションブランドと比べると、ユニクロは型数がかなり少ない。「少型大量生産」がユニクロがとっている戦略。それも同じモデルを何年も何十年も売り続けるほどロングスパンで展開しています。フリースも、カイハラデニムも、スーピマTシャツも、エアリズムも、ヒートテックもすべて1シーズン限りではなく、何年も、うまくいけば10年も売り続けています。

どんな商品も生産数と価格は反比例します。生産数が増えれば増えるほど単価は下がりやすく提供できるわけです。ユニクロはロングスパン戦略で極上品の単価を限りなく下げて提供する道を選びました。だからその反面、ユニクロの服は他ブランドよりもデザイン性が弱く、シンプルなものが多い傾向があります。そのまま着用すれば他人と被りまくってしまう。

だからこそ「ユニバレ」なんて言葉も生まれました。そのため、ユニクロを着用するなら「着こなし術」が必要です。確かに素材は極上品なためコスパはいいですが、デザインがシンプルすぎるため着こなしで差別化する必要があります。

定番品が欲しいならユニクロに行くべきなのですが、着こなしに自信のない状態での「全身ユニクロ」は地味になりがちで危険なのです。

◆主張のあるデザイン服ならZARA一強!!

前記のユニクロと異なり、ショートスパンで「多型少量生産」を採っているのがZARA。アパレル専門店ランキングでも全世界で1位のブランドです。

ZARAの特徴はまるで海外高級ブランドで見かけるようなハイエンドデザインが手頃に買えるところです。型数が大量なため、たびたびお店に足を運んでも新しいアイテムが並んでいるのも大きなメリット。毎週のように商品が入れ替わるため、他人とかぶりにくいうえに、どんな嗜好の持ち主でもお店の中で1品くらいは気に入るものがある「多様性」が嬉しいわけです。

「同じファストファッション、そんなに違いないでしょ?」

そう思う人はぜひ改めて一度、見にいってみてください。同じシャツでもユニクロでは絶対に見かけないような素材使いや柄使いのものが大量にあるはずです。太ストライプでレーヨン素材を使ったまるでレディースのようなデザイン性の高いメンズシャツ。主張の強いフォトプリントTシャツや、「これどうやって着るんだ?」と悩むほどデザイン性が高いコート……などなど。

ユニクロだけで地味になりがちなとき、「何か一つデザイン服を」と考えたときには、ZARAを選ぶのもいいでしょう。値段はユニクロよりも高く、素材はユニクロよりも劣っていますが、デザインは際立ったものが多く見ていて飽きません。

またZARAはユニクロが手を出せていないバッグや靴、アクセサリー類などが豊富に展開されているのもポイント。それも2、3万円レベルに見えるレザー調のバッグや、高級ブランドのデザインを踏襲した格安靴などがあり、ファッション好きでもそれなりに満足できるはずです。

無地のシャツや無地のデニムなど定番品を探すのには向かないけれど、アクセサリーやデザイン服を探すなら、ここが一番トレンドが早いといえます。

◆やりすぎじゃないデザイン服、ONカジュアルならGU!!

最後はGU、「ユニクロの弟ブランド」と思いきや、実はやってることは真逆です。先述の通り、ユニクロはロングスパン戦略、GUはどちらかといえばZARAと同じショートスパンの「多型少量生産」。

特徴としてはZARAと同じですが、海外ブランドのZARAとは異なり、癖が少ないのがGU最大のウリ。保守的な日本人に合わせてバランスのとれた「デザイン服と定番服の中間」を提案しています。例えば、最近ならシンプルなセットアップスーツを上下7000円程度で販売していたり、そうかと思えば、稀代の個性派デザイナー、キム・ジョーンズとコラボしてど派手なデザイン服にチャレンジしていたり。どちらのいい面もあわせもつのがGUの特徴です。品質もZARA以上ユニクロ未満なものも多い。

創業当初は「デザイン服」という打ち出し方にこだわったのか、10代20代の若い層を狙っていたブランドでしたが、途中からロゴを変えリブランディング。現在では30代40代もターゲットに見据えたビジネス服展開なども行なっています。店舗に行くと、案外大人が多いです。

「やりすぎじゃないデザイン服」や「ONカジュアル」を揃えたいときはGUがいいでしょう。型数も多く、他人とかぶりにくいのも嬉しい限りです。

以上、ファストファッションブランドも探している服に合わせて選ぶべき。ぜひご参考に!

【MB】

ファッションバイヤー。メンズファッションの底上げを図るべく各メディアで執筆中。“買って着て書いて”一人三役をこなす。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」。初の著書『最速でおしゃれに見せる方法』はベストセラーに。最新刊『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』が発売中!

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