訪朝した堀潤氏「北朝鮮の実情に衝撃を受け続けた一週間。総裁選でも徹底議論を」

AbemaTIMES

2018/9/12 07:00


 7日に告示された、自民党総裁選挙。安倍総理と石破元幹事長の一騎打ちの構図になったが、8bit News主宰の堀潤氏は、北朝鮮問題について2人の考えを聞きたいと話す。そのきっかけは、先月末の北朝鮮視察だったという。

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先月末、およそ一週間の日程で平壌に行ってきた。そこで見た景色、知り合った人々との会話を振り返ると。日本から見えている北朝鮮の風景というのは一側面に過ぎず、いかにステレオタイプなものかを痛感した。

経済制裁下にあってもGDPを伸ばしていると聞いていたが、確かに首都平壌の街は発展していた。核を手に入れたことによって市民に自信が漲っているとも感じた。これからは国家財政を教育や科学技術の振興に向けられる、と希望を語る研究者にも出会った。貧しい農村部を良くするために、教員養成の学校では、遠隔教育の研究も進んでいた。いつか日本とビジネスをすることを目指して、日本のこと、日本語を学ぶ若者がいて、様々なことを教えてくれた。言葉はとても流暢で、日本の歌も知っていた。

 明るい若者たちだったが、経済制裁のことを尋ねると、ある女の子は「正直しんどい部分もあります。生活の質を落とさなければいけなくなった。休日に雑貨を見て回るのが趣味だったけど、制裁が始まってからは輸入品がなくなり、国産品ばかりになってしまった。ださいんですよ」と。確かに彼らは農村部からみれば裕福で恵まれた環境にいる若者だけれど、日本の普通の若者と変わらない感覚も持っていると思った。

一方で、日本人が拉致問題の解決を議論するように、彼らは戦時賠償戦の話をしたし、日本人に対して、かつての日本軍兵士のようなイメージを持っている部分もあるようだった。「私たち東京に行ける日がきたら、みなさん優しくしてくれますか」とも言っていた。

僕たちを案内してくれた人は「他の国との交渉を担当する人の方が早く出世するんですよね」とが言っていた。それはビジネスの話ができるからだということだった。経済発展を目指す北朝鮮では、"商談をまとめた"ということが評価につながる。ところが日本担当は、核、ミサイル、拉致、歴史認識という課題と向き合い続けなければならない。「私自身、我が国が日本人を拉致していたと聞いた時はコップを落とすくらい驚いた。ただ、横田さん夫妻にはお孫さんにも面会いただくなど、やれることを順番にやってきたつもりだ。これを根に持つということではないが、日本が戦時賠償をしていないことも問題だ。それらが乗り越えられて始めて、次に進める。日本語を勉強することを決めた、その選択は正しかったのか。正直日本の皆さんとはビジネスの話をしたい」、そう言っていた。

今回の総裁選では石破さんが平壌に連絡事務所を設置すると主張している。北朝鮮を視察してみて、改めてこれに賛成できると思った。もちろん一人の日本国民として、拉致問題は絶対に解決させなければならない。しかし、今のやり方が本当に正しいのだろうか。トランプ大統領と一緒に圧力を優先させて、本当に解決するだろうか。べき論だけでぶつかり合って、数か月に一度、厳しい交渉をするのではなく、常日頃から連絡・交流があり、お互いに無駄口も叩けるような中でこそ、話が前進していく部分はあるのではないか。

そういう議論を、ぜひ総裁候補の二人から聞きたい。安倍さんからは具体的な進捗について話をしてほしいし、石破さんには、何を条件に連絡事務所を設置するのか、何から始めるのか。

12日放送のAbemaTV『 AbemaPrime 』では、僕が現地で取材した映像をたっぷり紹介しながら、北朝鮮問題の今後について考えたい。

■プロフィール

1977年生まれ。ジャーナリスト・キャスター。NPO法人「8bitNews」代表。立教大学卒業後の2001年、アナウンサーとしてNHK入局。岡山放送局、東京アナウンス室を経て2013 年4月、フリーに。現在、AbemaTV『 AbemaPrime 』などにレギュラー出演中

▶堀氏の北朝鮮レポートは12日21時から生放送

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