視聴率絶好調「義母と娘のブルース」耳まで美味しい角食に挑む佐藤健、バカだって成長できる8話

エキレビ!

2018/9/11 09:45

「オレ、麦田章。ベーカリー麦田の店長をやっている。言うまでもないと思うが、人生、モテてきた」

綾瀬はるか主演の火曜ドラマ『義母と娘のブルース』。先週放送された第8話の視聴率は1週のブランクをものともせず15.5%と最高記録を更新! 残り2回でどれだけ上昇するのか、今から楽しみだ。

第2章では、佐藤健の伸び伸びとした元ヤン風の演技が際立ちまくっている。相手が女ターミネーターのようなキャリアウーマン・綾瀬はるかだからなおさらだろう。『半分、青い』の物静かな役柄との落差に困惑している視聴者もいるようだが、ここは『仮面ライダー電王』のときのような佐藤の多重人格っぷりを楽しみたい。


ベーカリー麦田復活の秘策は「先代の味」?
ベーカリー麦田の再建に悪戦苦闘する元キャリアウーマンの亜希子(綾瀬はるか)。焼きたてのパンを提供したものの、客足は離れて行く一方だ。店主の麦田章は亜希子のことが気になって仕方がないようだが、そんな章に亜希子はベーカリー麦田の一時閉店を提案。リニューアルオープンに再起を賭けようとする。

下山(麻生祐未)、晴美(奥貫薫)、猪本(真凛)を集めてパンについてのグループインタビューを行う亜希子。さりげなく下町のオバサン、専業主婦、ワーキングマザー(たぶん)と属性の違う女性を集めているところがさすがキャリアウーマン。3人から繁盛していた頃のベーカリー麦田がいかに街の人々に親しまれていたかを聞いた亜希子は、先代、つまり章の父・誠(宇梶剛士)に会いに行く。狙いは「先代の味の復活」だ。

そしてとうとうベーカリー麦田に誠をつれてきて、渋る章にパンづくりの特訓をさせようとする。

「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥です!」

シンプルなことわざだが、綾瀬はるかにバシッと言い切られるとめっちゃ説得力ある。章の頭を無理やり下げさせるムーブもキレキレ。ちなみに親子役の2人だが、宇梶の身長は188、佐藤の身長は170で18センチ差(いずれも公称)。

反目しあいながらパンづくりを始める2人を見つめる亜希子の表情が心なしか柔和になっているのは、素直に親子の良さを感じているからだろう。一方、みゆき(上白石萌歌)から店について忌憚のない意見をもらうとあからさまに嬉しそうな顔をする。血はつながっていなくても、こちらはこちらで親子なのだ。

味の決め手は「思い入れ」
「何も言わねえのは、何も言うことがねえからだ」

章のつくるパンは特徴のない、美味しくもなければマズくもないパンだった。分量も手順も間違ってはいない。だから誠は試食しても黙っていた。

「章、これ本当に美味いと思ってつくってるのか? これ、食ってほしいと思ってつくってるか?」

誠は亜希子に「思い入れ」の差だと語る。麦田のパンは、誠が客になんとか気に入ってもらいたいと試行錯誤した挙げ句に完成させたものばかりだった。大切なのは技術やレシピではなく、スピリット。必要なのは先代からの特訓ではなく、自分なりの試行錯誤。亜希子は「先代の味の復活」を目指した自分の不明を素直に詫びる。

章は「耳まで美味しい角食」をつくってみたいと言い始める。章のパンは、先代のレシピにとらわれるあまり、いつの間にか個性を失っていたのだ。さっそく自己流の研究に燃える章。佐藤健はヤンキー風の芝居をしていてもパンづくりの手付きが大変器用。

亜希子はみゆきと一緒に店のアイデアのブレストをするが、途中でいきなりみゆきが「奇跡みたいなのがあるといいよね」と言って、良一(竹野内豊)の写真がうつると不意打ちで泣ける……。ベーカリー麦田では、大樹(井之脇海)が行き詰まっていた章のレシピをパソコンで整理して提案する。大樹、有能すぎるでしょ……。

「耳まで美味しい角食」の開発は成功。工夫と試行錯誤の楽しさに目覚めた章に、亜希子は30種のパンの改良を命じる。「どんどん変態になっていただきたいと存じます」という亜希子のセリフがおかしい。

2つの親子の物語
リニューアルオープンに向けて準備が進むベーカリー麦田。みゆきは楽しい店にするためのアイデア出しに夢中になっていった。プレゼンの準備を優しく、厳しく指導する亜希子。

章の前でのみゆきのプレゼンは、「小さな奇跡のパン屋さん」というものだった。綾瀬はるかの女子高生ボイスが違和感なくてすごい。というか、めちゃめちゃ楽しそうな顔をしているのが本当に良い。章はみゆきのアイデアを受け入れてハイタッチ。みゆきは自分の頭で考え、準備し、楽しいアイデアを実現する楽しさを知ったようだ。亜希子は、章とみゆきの2人のバカ(ごめん)を同時に意識改革させることに成功したことになる。

最後に酒好きの亜希子のためにさまざまな味が楽しめる5色のミニあんぱんをつくる章。喜色満面の亜希子に章は胸ときめくが、その様子を外から見ていたみゆきの胸には複雑な思いが去来する……。

運動会の顛末を描いた第3話とともにオリジナル色が強く、まるで料理ドラマのようなストーリーだった第8話は、全体の“タメ”にあたる部分だった。パンづくりと店づくりを通して、血のつながっている章と誠、血のつながっていない亜希子とみゆきという対照的な2つの親子の“子”がそれぞれ成長を遂げていった。

血のつながりがない親子が愛情と行動で絆を結んでいく物語は、血のつながりのある親子をネガティブに描くことが少なくないのだが、このドラマはどちらも肯定的に描いているのが特徴だ。親の生き様から子が学び、試行錯誤を重ねて自分の生き方を掴む。そういう親子のあり方に、血がつながっているか、つながっていないかは関係ないということなのだろう。それはそうと、原作にある父が章のために残したレシピのエピソードが好きなんだけど、あれは登場しないのかな……?

本日放送の第9話では、いよいよ章の恋心が爆発! 2人の恋路はどうなる? みゆきはどう反応する? 今夜10時から。
(大山くまお)

【作品データ】
『義母と娘のブルース』
原作:桜沢鈴『義母と娘のブルース』
脚本:森下佳子
音楽:高見優、信澤宣明
演出:平川雄一朗、中前勇児
プロデュース:飯田和孝、中井芳彦、大形美佑葵
※各話、放送後にTVerにて配信

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