上川隆也、大ファンと公言する『ルパン三世』への出演 「勇を奮って」

クランクイン!

2018/9/11 17:00

 上川隆也が、放送中のTVアニメ『ルパン三世 PART5』で後半戦の鍵を握る最重要人物・エンゾ役の声優に抜てきされた。シリーズの大ファンで、長編アニメ『ルパン三世 カリオストロの城』にいたってはセリフをすべて覚えていたという上川。それだけに今回のオファーには「恐れ多い」と恐縮しきり。覚悟を決めて飛び込んだアフレコの様子を直撃すると、確かな演技力と一本気な魅力で見るものを惹きつけている俳優・上川隆也の原点までが垣間見えた。

【写真】上川隆也、『ルパン三世 PART5』インタビューフォト

現代のフランスを舞台に、ルパン一味が新たな敵に立ち向かう姿を描く本作。上川は「小学生の頃に1stシリーズが放映になって、その後も成長とともにシリーズを見続けていました。この作品は唯一無二のもので、年齢を重ねて繰り返し見ても、また違った味わいを受け取れる。『PART5』には、“これまでのシリーズで見たことある”という一コマもあって、それが何作目の何話と特定できるようにも作られています。そうしたスタッフさんの遊び心も見応えがある」と熱弁するほど、『ルパン三世』の大ファン。「ルパン一味と銭形。この5人の色合いの妙が一番の魅力だと思います」と話す。

それだけに抜てきには「お受けするかどうか、お返事の締め切りギリギリまで迷いました」と悩みに悩んだそう。「声優をやっていらっしゃる方には尊敬しかない」と常に声優のすごみも感じていた。「お断りすることも可能だったと思いますが、そうしたら自分はきっと後悔するんじゃないかとも思いました。こんな機会がまた得られる保証もありませんし、僕にお話をいただけたという巡り合わせもありがたいと思い直したんです。勇を奮ってお受けしました」と大きな覚悟が必要だったという。

ルパンと対峙することとなるエンゾは、未だベールに包まれた謎多き人物だ。上川は「ルパンと相対することは間違いないですが、『カリオストロの城』の伯爵のような観客がキチンと憎めるような敵役とは、また一味違います。エンゾの主義主張には、彼なりの正義がある。目指す目標にブレがない男です」と分析。人類の未来のために、新たなシステムを構築しようとしている天才プログラマーとのことで「ある種、理想の社会を作ろうとしている男で、演じる上でも熱量が必要だと思っています」と意欲をみなぎらせる。

アフレコでは、レギュラー声優陣のやり取りを目にして「惚れ惚れする演技、巧みなマイク前の動き……。魅入られます」と大興奮で、「神々が戯れているような光景です(笑)。侵すべからざる空間が眼前にありました。凡人である僕もなんとか食らいついていきたいです」とニッコリ。『天元突破グレンラガン』以来、声優経験も重ねている上川。理想として掲げているものとして、林原めぐみから聞いたエピソードを明かす。

「例えばAというキャラクターを演じていて、AとBが対峙して会話をするシーンだったとします。林原さんは、Aの目線でそのシーンを演じていたので、会話をしている相手のBの顔しか覚えていないそうなんです。演じていたAの表情は映っていた筈なのに覚えていない。とんでもない境地です。いつかそこに至れたら幸せだろうとは思いますが、遠く及びません(苦笑)」。

「自分の過去の作品に100点を出したことはありません。それは自分を焚きつける要素にもなっています」という上川にとって、“たどり着けない世界を目指していくこと”は実写の芝居も同じ。役者としての原点は「学生時代に、小中学校をまわってお芝居をする劇団にいた経験」だと語る。「少々やんちゃな子が多い学校でお芝居をしたことがあって。終演後、控え室で後片付けをしていたら、そのやんちゃな子が数人、やって来たんです。一悶着起きるのかと思いきや、照れ臭そうに“面白かったよ、また来いよな”と。本当に嬉しかった。それまで以上に、お芝居をやりたいと強く思ったきっかけです」。誰かの心を動かすことができる。上川はその感動を胸に刻み、ひたむきに走り続ける。(取材・文・写真:成田おり枝)

『ルパン三世 PART5』は放送中。

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