【agehasprings】ただのリメイクでは終わらないDA PUMP「U.S.A.」の魅力とは

Billboard JAPAN

2018/9/10 09:00



「ダサかっこいい」の言葉と共に現在の日本の音楽シーンを席巻しているDA PUMPの最新曲「U.S.A.」。チャートアクションとしては非常に分かり易く可視化されていて、動画再生回数の指標が6月25日付けのチャート1位を獲得してから、9月3日付けのチャートまで11週連続1位をキープし続けており、Hot100のチャートにおいてもトップ4位以上を10週連続でキープし続けている。

印象的なダンスがインターネットミーム化しバイラルヒットに繋がった楽曲と言えば、近年だと星野源の「恋」。思わず真似したくなるようなダンスは老若男女問わず受け入れられ、楽曲自体の素晴らしさ、ドラマの大ヒットも相まって、近年では異例のロングヒットに繋がった。また楽曲のみならず、本人達のビジュアルや振り付けまでを含めた総合なパッケージとして支持されている点においては、BTSの世界的なヒットに近いものも感じる。

DA PUMPの「U.S.A.」はまさに近年のバイラルヒットの方程式を併せ持った楽曲と言えるのではないだろうか。

それでは楽曲を分析していこう。

この曲が昔流行った曲のリバイバルだということはみなさんご存知だと思う。「Joe Yellow」というDomenico Ricchiniがメンバーのイタロ・ディスコ音楽を主に作っていたグループの曲だ。イタロ・ディスコやイタロ・ダンスミュージックの先駆者でもあるプロデューサーのSeverino Lombardoniが、当時ダンスミュージックの最先端のものを作っていた、Claudio AccatinoやCirelli Donatella、Anna Maria Giocoたちと一緒に楽曲を作っている。Dolly Popの「Take My Gum」など日本でもダンスグループのMAXがカバーしたことでも有名な曲も手がけているクリエイターたちである。

コード進行はAメロのBm-D-A、Bm-D-E、BメロのG-E、G-F#、サビのG-A-Bmの繰り返しといういわゆる循環コードある。Aメロ、Bメロなどで出てくる「E」というコードの一時的な転調が良い意味での違和感を演出していてリスナーへのフックになっている。原曲は割とシンプルなユーロビートと呼ばれるアレンジが施されているが、今回のDA PUMPバージョンでは原曲のユーロビートの雰囲気は生かしつつ、シンセのリフや、ハードロック調のギターのリフやオブリがさらに派手さを演出していて、現代のリスナーに寄り添った、日本版「U.S.A.」を手がけたアレンジャーKAZの巧みな技のオンパレードな作品でもある。

また今回、日本語詞を手がけたshungo.の貢献も大きい。原曲では男女関係の再燃を表現した内容になっているが、このDA PUMPバージョンでは純粋な日本人が思い描いてきたアメリカへの思いや憧れ、現状を、絶妙に誰にでもわかりやすい言葉選びで表現している。カタカナと英語表記へのこだわりにshungo.のセンスが垣間見られる。

そして何と言っても今回この曲をパフォーマンスしている「DA PUMP」の実力の高さが如実に現れている。ISSAのストレートかつツヤのある歌声でなければこの曲は成り立たなかっただろうし、KENZO、TOMOが中心となって振り付けしたダンスを6人のパフォーマーが高い技術で表現できなかったら、ただのダンスミュージックになっていただろう。歌番組で他のアーティストの振り付けを取り入れたり、他の事務所のアーティストのライブに参加したり、活動20年以上にもなる経験値がなせる技だろう。

「U.S.A.」で再燃のきっかけをつかんだDA PUMP、カップリング曲にもしっかり注目してDA PUMPのアーティストとしての幅もぜひ感じてみてほしい。Text:横山裕章 (agehasprings)

◎横山裕章 参加作品情報
振付家・ダンサー 北村明子の最新作
アジア国際共同制作プロジェクト【Cross Transit project 「土の脈」】
音楽ディレクター・音響として参加

2018年10月12日(金)~2018年10月14日(日) 
神奈川県 神奈川芸術劇場

2018年10月20日(土)
長野県 まつもと市民芸術館

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