藤井聡太七段が初代「最速最強」に!佐々木勇気六段とフルセットの熱戦制す/AbemaTVトーナメント決勝

AbemaTIMES

2018/9/9 22:42


 持ち時間5分、1手につき5秒が加算される超早指し戦「AbemaTVトーナメント Inspired by 羽生善治」の決勝(三番勝負)が9月9日に放送され、最年少棋士・藤井聡太七段(16)が佐々木勇気六段(24)にフルセットの末、2勝1敗で勝利し、初代「最速最強」の座についた。従来の早指し戦よりもはるかに短い時間の中で、棋力・集中力・直感などを求められたが、極限状態の中で天才棋士が新たな輝きを見せた。

 秒単位での思考の繰り返しで、藤井七段の感覚が新境地に入った。「本当にとても短い持ち時間の中での対局だったので、その中で集中して考えていくことで自分の中では感覚が研ぎ澄まされました」。若手有利と言われる早指し戦の中でも、1手ごとに5秒増えるとはいえ、持ち時間5分という短さは未体験ゾーン。そんな対局を繰り返す中で、藤井七段に新たな能力が身についた。

 予選から準決勝まで三番勝負を4回行い、8勝1敗の快進撃。高見泰地叡王との1局目に敗れただけという破竹の勢いで決勝まで駆け上がった。だが、相手は若き実力者・佐々木六段。終盤での攻め合いで乱れが生じ、97手で敗れた。それでも勝った佐々木六段に「ずっと苦しくての逆転勝ち。『勝てた』という感じは、あんまりしないですね」と、むしろ精神的なダメージを与えた。この効果もあってか、2局目は一気に攻め切って69手の短手数で完勝。決定局となった3局目も、佐々木六段の受けを激しい攻めで押しつぶし、122手の快勝を収めた。

この1年の成長ぶりを、連勝を止められた先輩棋士に全力でぶつけた三番勝負だった。2017年7月2日。デビュー以来、史上最多の29連勝を続けていた当時の藤井四段が、プロ初黒星を喫したのが、佐々木五段(当時)だった。あれから約1年。若手だけでなく中堅、ベテラン棋士にも揉まれ、タイトルホルダーとの対局も経験した。記録的なスピードで段位も上がり、今では七段。最年少棋戦優勝も果たし、今では先輩棋士の上座について対局する機会も増えた。今回の決勝で解説を務め、永世竜王・棋王の資格を持つ渡辺明棋王が「どんな条件でやっても強い」と太鼓判を押すとおり、この1年がどれだけ藤井七段にとって大きなものだったかを示す三番勝負にもなった。

 将棋界の第一人者・羽生善治竜王が、新たな将棋の戦い方・ファンへの見せ方として着想した、今回の超早指し戦AbemaTVトーナメント。どの若手棋士が羽生竜王と戦い、さらにその上に行けるのか、という点に注目が集まったが、羽生竜王に2連勝して決勝へ進んだ佐々木六段の、さらに上を藤井七段が行った。優勝については「本当に強敵ばかりのトーナメントでしたけど、こうして優勝という結果を残すことができて、とても自信になりましたし、本当にいろいろ収穫があったなと思います。今回も本当に得がたい経験をすることができたので、次回があれば、是非また参加したいなと思います」と振り返った。現在の将棋界は、8つのタイトルを8人の棋士が持ち合う、まさに群雄割拠の時代。将来のタイトルホルダーの候補者として既に名前が挙がる藤井七段は初代「最速最強」という肩書きを持って、大きな目標へとまた歩み始める。

◆AbemaTVトーナメント Inspired by 羽生善治 将棋界で初めて7つのタイトルで永世称号の資格を得る「永世七冠」を達成した羽生善治竜王が着想した、独自のルールで行われる超早指し戦によるトーナメント。持ち時間は各5分で、1手指すごとに5秒が加算される。羽生竜王が趣味とするチェスの「フィッシャールール」がベースになっている。1回の顔合わせで先に2勝した方が勝ち上がる三番勝負。予選は藤井聡太七段が登場するAブロックからCブロックまで各4人が参加し、各ブロック2人が決勝トーナメントへ。シードの羽生竜王、久保利明王将を加えた8人で、最速・最強の座を争う。

(C)AbemaTV
▶【見逃し視聴】AbemaTVトーナメント決勝 藤井聡太七段 対 佐々木勇気六段 ▶9/10(月)8:30~ 第59期 王位戦 七番勝負 第六局 1日目 菅井竜也王位 対 豊島将之棋聖 ▶9/11(火)8:30~ 第59期 王位戦 七番勝負 第六局 2日目 菅井竜也王位 対 豊島将之棋聖 ▶9/14(金)9:30~ 第60期 王位戦 予選トーナメント 山崎隆之八段 対 藤井聡太七段

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