仲里依紗が“夫・中尾明慶の家事”賞賛の声に異議!「女子は出来て当たり前みたいなの差別すぎる」

リテラ

2018/9/9 15:55


 女優の仲里依紗がインスタグラムのストーリー(9月5日)に投稿した文章が話題を呼んでいる。

2013年に俳優の中尾明慶と結婚し、現在は4歳の長男がいる仲。俳優にはめずらしく、仲も中尾もテレビなどで結婚生活について積極的に語り、SNS上でプライベートなやりとりをするなど、その仲良しぶりは有名だが、この日、仲はこんなグチめいた投稿をしたのだ。

〈てか思うんだけど、男の人が梨の皮を剥いただけでエライとかすごいって言われるのずるいと思うわけ!! じゃあ私が仮に梨の皮むきも出来なくてガタガタな剥き方だったら絶対ヤバイと言われるはず!! 女子は出来て当たり前みたいなの差別すぎると思うの!!〉
〈男だから女だからじゃなくて生きているなら人間みんな一緒なんだぞ!〉

実はこのストーリーが投稿される2日前、夫の中尾が自身のインスタグラムに〈私は梨を剥くのに、10分かかりましたが。そんな人間もいるという事をお忘れなく ちょっとずつ。。。〉というコメントとともに、かなり慣れない手つきで剥いたと思われるデコボコの梨の写真をアップしている。それに対し、フォロワーから〈やってくれることが、奥様にとっては嬉しいものです〉〈え、家族のために梨を剥いたんですよね!? てことは神様ですか?〉〈私の旦那さんにも見習ってほしい〉といったコメントが殺到。仲のストーリーは中尾とフォロワーとの間でなされたこの一連の流れに対して抱いた違和感を投稿したものだろう。

●仲里依紗の投稿が提起する、「家事は女性がやるのが当たり前」という差別

彼女はストーリーに日常生活のなかで感じたボヤキやグチを投稿することが多い。たとえば、先月8日には、台風が近付くなかママチャリで子どもを送り迎えしなければならない状況に〈まじイライラする、ほんとイライラする。どうしたらいい、これ?〉〈やっぱりみんなのメッセージ見てるとさぁ、やっぱりもう母親、ママ、もう母ってもう、大変だと思う、もうすごいね、大変だと思う。もう世の中のお父さん、よろしくね!〉とポストして話題となったこともある。

こういった飾らないストーリーを投稿することも多いことから共感する女性のフォロワーも多く、今回の「梨の皮むき」に関する主張も大きな反響があり、コメントも多数送られてきたと、その後に投稿したストーリーで報告している。

しかし、仲が今回ストーリー投稿で言いたかったのは、単に中尾に関するグチや文句ではないだろう。仲は、たとえば、ニュースサイト「ダ・ヴィンチニュース」(2018年9月6日付)のインタビューで、自身の家庭における夫婦の役割分担について「それぞれしっかりしている時も、していない時もある。家事とか家の中のことは私のほうがちゃんとしているのでだんなさんが怠けられるし、お金周りに関してはだんなさんがしっかりしているので私は怠けられる。光熱費がどうとか、私は全然わからないし、管理できる気がしない。超いいバランスだと思います(笑)」とも語っている。家庭の家事分担や夫の家事のクオリティに強い不満があるとか、深刻な夫婦喧嘩ということではないようだ。おそらく仲は、インスタストーリーを通して、単に自身の家庭に関するグチを吐露したかったわけではなく、もっと重要な問題提起をしたかったのではないか。それは、家事の女性依存という問題だ。

女性の場合、外でハードに働いていようが、一旦家庭に戻れば「家事」や「育児」という労働が待っていることが圧倒的に多い。最近では共働き世帯も増えた影響で家事を積極的に“手伝う”男性も増え、育児をする男性が「イクメン」などと持て囃される傾向もある。

しかし、それはあくまで「時間のあるとき、気が向いたときのお手伝い」であって、家事に対して当事者意識をもっている男性はまだまだ少ない。

りゅうちぇる・SHELLYも「男の家事」をめぐり、さんま・一茂・良純と論争

また、仲・中尾夫妻のインスタグラムの例が端的に示す通り、夫が家事をすれば、たとえその能力が著しく拙くとも称賛され、逆に、妻の家事に関する能力が低ければ、「女なのにそんなことで大丈夫?」などと批判される風潮も確実に存在する。さらに男性の家事の不手際を指摘すれば、女性のほうが「ワガママ」と非難されることさえある。

「男性の家事」をめぐっては、ついこの間も議論があった。

2016年12月にぺこと結婚、今年の7月には第一子となるリンク君が生まれたばかりのりゅうちぇる。そんなりゅうちぇるが8月14日放送『踊る! さんま御殿!!』(日本テレビ)に出演したのだが、そこでりゅうちぇるが語った家事に関する考え方と、明石家さんま・長嶋一茂・石原良純の50~60代の男たちとの考え方の違いが話題となった。

まず、りゅうちぇるは、「イラっとくる夫・妻の言動」をテーマにした視聴者投稿の再現VTRで「パジャマのボタンが取れたので妻に付け直してもらえるようお願いしたが、穴よりも大きいサイズのボタンを付けられた」という内容の話が流されると、「いま見ててびっくりして。ボタンとかも、僕、取れてたら普通に自分でやっちゃう」とバッサリ。明石家さんまに「『付けてくれよ』って甘えたくないの?」と問われても、「違うところで甘える」と即座に返していた。

また、料理に関しても、「いまやっぱり(子どもが)生まれたばっかりだから、僕がつくるようになりました」と語り、最近では自分で料理をつくる努力を始めたと語る。

ただ、結婚してから料理教室に通い始めたぺこの料理の腕前はかなりのものらしく、「でも、ぺこりんがなんでもできすぎちゃうから、僕がじゃあなにができるか、みたいな」と、家事については現在でも悩みが続いていると吐露する。

それに対する、明石家さんま・長嶋一茂・石原良純の反応がひどかった。

まず、明石家さんまはさらっと「料理教室、結婚前に行っておいてほしいなぁ~。俺らの時代はそやで~」と発言。自身の発した言葉がどれだけ時代錯誤なものなのか気づいてもいないようだ。

たまりかねたSHELLYがすかさず「料理教室に通ってほしいのはお互い様ですよ」と反論するが、それに対して石原良純は「え~、つくってよ~。ご飯はつくって~」と子どものような反応で返答する。

さらにSHELLYが「りゅうちぇるの言っていること、ホント正しいなと思って。産後はそれどころじゃない日々が続くわけじゃないですか、そのとき旦那さんがちゃちゃっとつくってくれたら、二人でうまく生活できるのに」と至極真っ当なことを言っても、さらに石原良純は「じゃあ、つくったら褒めてくれる? だって、どうせ(つくっても)不味いとか言われるし」と語る始末であった。

●“女性への家事押しつけ”は、女性の経済力や社会的発言力をも奪う

また、長嶋一茂からは“身の回りのことは奥さんにやってもらいたい”と男が思うのは遺伝子レベルで決まっていることだとのトンデモ発言まで飛び出す。

「男はやっぱり生まれたときから、お母さんがおっぱいをあげるところから始まって、全部やってもらっているから、どこかで遺伝的に女性がなんかしてくれるみたいな。だから、みんな亭主関白のベースから始まるのよ。DNAとしてそれがあるの。男のマザコン度って普通じゃないじゃないですか?」

この言葉に、SHELLYは「すいません。おっぱい(飲む時期)から40何年経っているんですか?」と返していたが、的確なツッコミだ。

こういった家事労働に対する認識は笑い話として捨て置いていい問題では決してない。

家事労働の不公平な分配こそが、女性に対する差別を固定化させる一要因であるからだ。「“女性”と“家事労働”」にまつわる歪な評価は女性の生きづらさを生み、さらには、女性の貧困まで引き起こす。ジャーナリストの竹信三恵子氏は『家事労働ハラスメント』(岩波新書)のなかでこのように綴っている。

〈労働には『有償労働(ペイドワーク)』と『無償労働(アンペイドワーク)』 のふたつがあるということ、どちらも重要な対等な労働なのに、女性だけが無償労働を担うことになっている結果、女性は経済力を失い社会的発言力をそがれてしまう〉
〈女性の低賃金が男性の長時間労働を誘い、長時間労働が男性の家事参加を阻んで女性の外での就労を妨げ、さらに男性の長時間労働を生む〉

現在の日本社会では、女性に“安い労働力”として社会進出を推奨する一方、家事や子育て、介護などの家事労働を無償で押し付け、女性たちに二重負担を迫る構造になっている。そして、社会はこの二重負担を「女性は家事が得意」「女には母性がある」「家族への無償の愛」などという旧来的な性役割を女性たちに押し付けることで、正当化してきた。

今回、仲が指摘したとおり、「女性は家事が出来て当然」という風潮は、そういった差別の延長線上にあるものだ。仲の指摘は「芸能人おしどり夫婦の微笑ましい喧嘩」で済ませてしまうのではなく、根深い問題としてしっかり考えるべきだろう。
(編集部)

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