【北海道地震】故郷・札幌を取材したテレビ朝日の小松アナ「取材者として気持ちの整理つかない」

AbemaTIMES

2018/9/9 13:48


 最大震度7を観測した北海道の地震。発生翌日の7日、札幌出身のテレビ朝日・小松靖アナウンサーが現地入りし、故郷の今を取材した。

7日午前、幸運にも全日空の復旧第1便に搭乗することができ、お昼に新千歳空港に到着した小松アナはターミナルビル内で壁伝いに床に座り、数時間もキャンセル待ちをする人や、店外に延々と続くコンビニの列を目の当たりにする。ある男性は、「水や食料を確保するのが大変だった。買ってたお土産で食いつないだ。近くの公園は水が出たので、そこで頭を洗った」、また、別の女性グループは「携帯の電池が無くなって、ちょっとずつ交代で使っていた。知り合いから"大丈夫?"っていうLINEがたくさん来ちゃって、さらに電池が減っちゃう。充電できないので、返事は返したいんだけど返せないし、言い方は悪いけど"ありがた迷惑"的な…」と話していた。

 新千歳空港を後にした小松アナが訪れたのは、出身地の札幌市白石区。避難所に指定された「札幌コンベンションセンター」には、最大規模となる約500人が避難していた。4人組の男の子たちは「断水していて、テレビも電気もガスも使えない。ここにはラジオが置いてあるので、それを聞いた」、ある女性は「自宅は暑く、部屋の中もムンムンしている。ここには知り合いもいるので何かあった時に安心だ。スマホが充電できるので、気持ちの面でも違う」と教えてくれた。

 夕方になり、小松アナが幼少期によく遊んだという公園も訪れた。近くの住人に家の中を見せてもらうと、停電の影響で真っ暗。今はキャンプ用の道具で何とか明かりを確保しているという。

 夜には、電力が復旧し始め、いつもの姿を取り戻しつつある歓楽街・ススキノを歩いた。街のシンボルとも言える、ニッカウヰスキー大きな看板の灯りは消え、どこか寂しげな雰囲気を漂わせていた。それでもお客さんを呼び込む店員の姿や、観光客の姿も見受けられたといい、「皆さん大変な思いをしているが、またススキノに繰り出して楽しい思い出を作って帰るんだというエネルギーが伝わってきて、少しずつだけど普段の表情を取り戻してきたという感じがする」と話した。

 「昨日からすればかなり活気もあるということだが、電気が通ったとはいえ準備が間に合わず、シャッターが降りているところも多い。タクシー運転手に聞くと、金曜日にしてはお客さんが少ないと話していた。取材した中で聞いたのは、あるソープランドの店長さんが、市民の皆さんに500円でお風呂を提供しているという話。"本当にありがたい。お風呂に入れないのがどんなに辛いか"と女性や子どもたちも利用している」。

 取材を終えて小松アナは「地元の方々がすごいと思ったのは、ジタバタしてもしょうがないということなのか、ただただ黙って待っている。不満に思うことも、不便に感じることもあると思うが、ただ静かに電気が戻ってくるのを待っていた。みなさん色々な思いもありながら、それを胸に秘め、我慢しながら、でも声を掛け合い、励まし合っていると実感した。避難所で話を聞かせてくださった皆さん、本当にありがたかったが、耐え忍んでいるところを邪魔してしまっているような気がした。どこに行ってもご自身のことよりクルーのことを気にして『取材、お疲れ様です。頑張ってくださいね。余震に気をつけて』と声を掛けてくださる。そういう言葉を言わせてしまっているということに、非常に複雑な思いにもなった。色んな所でカメラがたくさんいるのを見て、ここはNHK、ここはテレビ朝日と、1台ずつで良いんじゃないかと思った。邪魔になっているんだったら、わざわざ我々が飛行機の席を埋めてしまうこと自体、どうなんだと…。取材者としてはいけないのかもしれないが、自分の地元だということも手伝って、何ともそこの気持ちの整理がつかない、というのが今日一日の正直な気持ちだ」と心境を吐露。

 また、インターネットテレビであるAbemaTVで司会を務めていることから、「携帯があっても電波状態が良くないという方、自分の携帯のバッテリー消費を最小限に押さえたいということで、ちょっとずつ使いながら、家族の安否確認を優先に、主にテキストで情報を得ていた。テレビ朝日の報道をそのままサイマル放送するなど、AbemaTVの災害報道が徐々に皆さんに浸透し、利用して頂いているという実感を持ち始めていた。しかし今回のような場合、自分の肉親や大事な人の安否確認が当然先で、動画のニュースは最後にアクセスするコンテンツなのかもな、と思った。自分がやっていることを否定するようだが、それが現実。でも、このことをしっかりと踏まえた上で、被災地の方々に負担をかけることなく、最短距離で伝えるにはどうすれば良いか、もう一回本気で考える機会になった」と、課題にも直面したことを明かした。

そして言葉を選びながら「正直、自分の故郷だから取材に出るというのは、私としては複雑な思いもある。他の被災地のことも考えてしまうし、自分の使命であるスタジオを離れるのもどうなんだろうとも感じている。でも、来てよかった。ありがとうございました」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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