「いげぇぇぇ~ッ!」圭一郎と魁利の複雑な信頼関係に、全オレ悶える『快盗戦隊ルパンレンジャー』#30

日刊サイゾー

2018/9/8 19:00



『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』#30「ふたりは旅行中」

朝加圭一郎/パトレン1号(結木滉星)と魁利/ルパンレッド(伊藤あさひ)の男2人旅回。

この2人、リアルに撮影中でもイチャイチャしていると話題になっていることだし、その辺を踏まえ、BL好きの層を狙ったイチャイチャ回なのかと思ったら(充分イチャイチャもしていたが)予想外に胸を締め付けられる、切ない話が展開した。

■ピュアネスな圭一郎に「兄」を見る


「少し遅い夏休み」と称し、秘密任務を帯びて温泉の町・草川へやって来た圭一郎。そこへ、偶然を装って魁利が合流する。

「一緒に廻ろうよぉ~、偶然会ったのも運命じゃん。いいじゃーん、仕事じゃないんでしょ~」

「まぁ~……いいかぁー!」

甘え上手な魁利の弟力全開で、(イチャイチャ)2人旅がスタート。

おかずを取り合い、射的で張り合って、温泉まんじゅうを食べ……このふたりの距離感、番組スタート時からするとだいぶ縮まったものだ。

快盗の正体を知らない圭一郎はともかくとして、圭一郎=国際警察=パトレンということをバッチリ知っている魁利は当初、圭一郎のことを「熱血おまわり」なんて言って煙たがっていたわけだが、すっかり「圭ちゃん」呼びが定着してきた。

どんな手を使ってもルパンコレクションを集めなければならない魁利たちにとって、圭一郎が厄介な存在であることに変わりはないが、平和のために愚直に突き進む姿にシンパシーも感じているのだろう。

そんな2人のイチャイチャは、ある女の子と出会ったところから予想外の展開に。

その子は、買ってもらったばかりの髪飾りをなくし、探しているうちに迷子になってしまったのだという。

近くの交番に女の子を預け、髪飾りを探しに行く圭一郎。

一方、魁利はお土産屋で同じ物を見つけて購入、女の子に渡してあげようとするが、

「見つけた、君の宝物ぉ~!」

と、圭一郎がまさかのド直球で見つけ出して来たため、渡せずじまいに。

いや、魁利の判断も間違ってないのよ。きっと、買って来た髪飾りを渡しても、女の子は喜んだと思う。しかし、それを上回る圭一郎のピュアネスっぷり!

そんな圭一郎の姿に魁利は、ギャングラーによって消された兄の姿を思い出すのだった。

その昔、兄と遊びに行く途中で迷子の女の子と出会い、兄は魁利を待たせ、交番に連れて行くことに。

「オレの兄ちゃんなのにって思っちゃったんだよね。女の子助けてあげようって言えなかった」

そんな「兄を取り戻す」という目的のため「手段を選ばず」快盗となることを選んだ魁利だが、その目的への障害となる圭一郎は、兄とよく似たピュアネスな正義漢なのだ。

「兄貴と違って、オレ、どんだけ最低なのって……」

「そんなことないだろ、さっきはオレに助け船を出してくれたじゃないか」

「オレだって……“そんなことない”って思いたかったよ」

ピュアネス正義漢な兄を慕いつつも、どこかで感じていたコンプレックスを、圭一郎に対しても抱くのだった。

■圭一郎の「いげぇぇぇ~ッ!」に心つかまれる


 今回のギャングラー怪人は、スカンクをモチーフにしたカンクス・ブチルメルカプタン(CV:大西健晴)。

快盗たちは、いつものように金庫を開けてコレクションを奪う。これでコレクション能力が消えて有利に戦いを進められる……かと思いきや、カンクスが悪臭を放ちだし、ルパレン・パトレンは悶え苦しむ。

カンクスから奪ったのは「バラ色の人生」という、ニオイを消す能力を持つコレクションだったのだ。それを手放したせいで、消えていたニオイが全開に。

コレクションを奪われた方が強くなるという、異色ギャングラーだ。

しかも、そのくっさいガスは可燃性。町は火の海と化す。

「こんな時、失われたスプラッシュ(消防車型のVSビークル)があれば……」

しかし、その「スプラッシュ」は、ルパンレッドとパトレン1号が奪い合いの真っ最中なのだ。

連絡を受けた圭一郎は、このまま奪い合いを続けていては被害が広がるばかりだという判断もあったのだろう、

「そのVSビークルが必要だ。ここからならオレのパトカーより、お前の飛行機の方が早い!」

「何言ってるんだよ!」

これまで快盗たちと共闘するのすら拒んできた圭一郎からの考えられない提案だ。

魁利から圭一郎への思いが変化したように、正体は知らないながら、圭一郎からルパンレッドへの思いも変化していたのだ。

当初は「快盗という手段を選んだ時点で間違っている!」と全否定していたルパンレッドに「VSビークル」を譲り、手助けを求める。

「いげぇぇぇ~ッ!」

かつての圭一郎だったら許せなかった判断だろうが、「目的のためなら手段を選ばない」快盗のやり方を、少し受け入れたともいえるだろう。

■想像するだけで泣ける今後の展開


 敵対し、すれ違いつつも、深いところで結ばれた友情ッ! 序盤のイチャイチャ展開から、こんな気持ちにさせられるなんて。

「拳を交えたら仲間!」みたいな単純な展開でもなく、長いシリーズを通して、複雑な気持ちが入り乱れつつ縮まっていく関係性。

『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』というW戦隊形式に、当初は「なんじゃこりゃ」と思っていたが、今となっては完全に大正解。

従来のスーパー戦隊シリーズでは描けなかった、人間ドラマにガッチリと心をつかまれちゃってます。

それだけにルパンレンジャーの正体を知って、弟のような親しい関係となってきている魁利。敵対しつつも「何となくだが、そこは信じられる気がしたんだ」と思うまでになったルパンレッド。

その両方に騙されていたと分かった時に、圭一郎がどんな気持ちになってしまうのか……それを考えるだけで今からウルッと来てしまう。

また「似てんじゃねーよ、めんどくせぇ」と、圭一郎の中に「兄」を見てしまった魁利の変化も気になるところ。

強盗団から押収した消防車型の「VSビークル」をルパンレッド、パトレン1号で奪い合う一騎打ちでも、どこか調子が悪そうだったが、今後もこの気持ちが弱味になってしまうのだろうか?

(イラスト・文=北村ヂン)

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