さくらももこさん訃報――34歳、乳がんだった“私”が思う「向き合い方」と「乳がん検診」


 先日報道された、漫画家さくらももこさんの訃報は衝撃でしたね。

53歳という若さで亡くなってしまったことももちろんですが、その原因が“乳がん”だったことにショックを受けた方も多いのではないでしょうか。

35歳、乳がんと診断された「私」


 去年の6月には、同じ乳がんで小林麻央さん(享年34)も亡くなっており、女性がかかるがんの中で最も多く、12人に1人がなるといわれる“乳がん”に関心が高まっています。

実は筆者である私自身も、乳がんにかかったことがあり、6月に『乳がんステージ4だった私が、それでも合コンに行きまくって救われた話』(キノブックス)というコミックエッセイを上梓したばかり。

私が、乳がんの自覚症状が出たのが34歳の時。一般的に乳がんにかかる確率が1番高いのは40代後半といわれ、35歳以下だと若年性乳がんといわれます。

さくらさんは約10年闘病していたようなので、40代前半でかかったと考えられるため、比較的早い方になります。

治療中も「IQOS」を吸っていた


 プライベートな情報を明かさない作家といわれるさくらさんですが、ファンの間では健康オタクということでも知られていました。

エッセイ『さるのこしかけ』(集英社、以下同)では飲尿療法を実践したことを綴っていましたし、一部報道によれば、毎日25錠のサプリを飲んでもいたそうです。人一倍健康に気を使っていたようですが、一方で愛煙家でもあったことを『ももこの話』で綴っています。ただ、その分「吸うからにはまず健康を確保」と考えていたとのこと。

ちなみに私も、愛煙家でした(5年前、乳がん治療を始めてからはIQOSに切り替えて喫煙していましたが、去年、完全禁煙に成功しました!)。

タバコは直接乳がんの要因にはならないといわれていますが、非喫煙者と比較すると、リスクは2倍ほどもあるというデータも。

とはいえ、非喫煙者でも乳がんにかかる人もたくさんいます。

原因不明といわれる“がん”ですが、疲れやストレス等からの免疫力低下に加え、タバコや飲酒等の直接的要因もあると、私は主治医からいわれていました。

さくらさんは乳がんと宣告されてから、どんな治療を受けていたのでしょうか。

乳がん治療といえば、抗がん剤・摘出手術・放射線照射・ホルモン治療が一般的な標準治療ですが、いずれも副作用(手術は物理的な痛みも)があり、簡単な治療ではありません。

私は進行性のステージ4乳がんと診断されたため、迷わず最短で、標準治療である抗がん剤を選択し実施しました。

もちろん、髪が抜けたり吐き気だったりと、きつい副作用があるといわれる抗がん剤はやりたくなかったです。

でも、それ以上に「絶対に絶対に生きたい」「死んでたまるか!」という思いが強かったため、できることは何でもするという覚悟でした。

乳がんを宣告された当時、初めて“人生に終わりがあるということ”を意識し、自分の人生を走馬灯のように振り返りました。すると、自分の人生がろくでもないものに思えてきたのです。人に流されて、なにかを達成したワケでもなく、やることなすこと全て中途半端だった、自分のこれまでの人生が浮き彫りになりました。

「私の人生。これで終わるなんて有り得ない!!!」

そう思い、一度きりの人生を充実したモノにすることを考え、治療をしながら、今までできなかったこと・やりたいこと全てにチャレンジします。

皮肉なことに、“死ぬかもしれない”状況に立たされ、初めて自信を持って充実しているといえる時間を過ごすことができるようになったんです。

そしてついには、夢だった漫画家デビューも果たしました。

さくらさんは再婚されていて、成人した息子もいるようですが、息子の誕生日を祝う様子をブログにアップしたりと、とても穏やかで温かい、それこそ『ちびまる子ちゃん』のような笑いのある幸せな家庭を持っていたようです。

家族と過ごすことを優先的に考え、つらい治療は避け、最期まで幸せな時間を過ごしていたのかもしれません。

保険が利かず高額ではありますが、体に負担の少ない「代替療法」をしている人も多いです。乳がん宣告当時の小林麻央さんや全身がんを告白している樹木希林さんも、そうだと聞きます。

当初の進行具合のステージが深刻でなければ、代替療法で治癒を目指すケースも少なくないのです。

“がん”という病気は「絶対に効く」保証のある治療方法がないのも特徴であり、標準治療でも完治できないこともあります。治療方法の選択は、その時「自分が何を優先するか?」が全てです。

私の乳がんは会社の健診で見つかりましたが、実はその3カ月ほど前から、右胸にあるシコリを自覚していました。

ですが、怖くて現実を直視できず「3カ月後の健診でわかるだろうし、まさか私が乳がんなワケないし……」と必死に思い込もうとしていました。あの時、勇気を出してすぐ検診を受けていたら……と、当時は後悔したものです。

自分を過信して無茶をし続ける事で、身体は悲鳴を上げていたのでしょう。

ですので、健康に自信がある方も、乳がん検診は必ず受けた方が良いと思います。毎年10月はピンクリボン月間です。たくさんの地域で、乳がんや検診の知識を深めるイベント等も開かれています。

最後になりますが、私が漫画家を目指すきっかけとなったのは、当時『ちびまる子ちゃん』が連載されていた漫画雑誌『りぼん』。楽しみや感動をくれた感謝の気持ちとともに、心からご冥福をお祈りいたします。

(白戸ミフル)

白戸ミフル(しらと・みふる)

会社員・恋愛コラムニスト(ライター)・漫画家・現役合コニスト。近著に『乳がんステージ4だった私が、それでも合コンに行きまくって救われた話』(キノブックス刊)
Twitter:@takara0722

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