超高級酒の空き瓶がオークションサイトやフリマアプリで高値で売られている理由

日刊SPA!

2018/9/7 15:55



― 30代が知らないと恥ずかしい! 今さら聞けないお酒のキホン第14回 ―

サントリーのブレンデッドモルト「響」。なかでも最高峰となる30年ものは、数量限定商品で最低30年以上寝かせたモルト原酒とグレーン原酒をブレンドしています。30面カットのクリスタルボトルは高級感があり、希望小売価格は12万5000円となっています。

香りは長熟感のある優しい印象で、樽由来のバニラはもちろん、甘やかなフルーティーさも感じます。味わいも濃厚で、ブレンデットとは思えない深みがあります。山崎25年を超え、山崎50年に至る途中の雰囲気も感じました。相当贅沢な原酒を使っているものと思われます。筆者の経営する原価BARでは1杯6500円でしたが、争奪戦のように売り切れました。

今ではジャパニーズウイスキーブームのため、プレミア価格が付くようになった「響30年」。流通価格は、まず希望小売価格そのもになり、20万円、30万円と上昇。現在はオークションサイトに40万~45万円で出品されています。

◆詐欺師が高額なお酒に目をつける2つの理由

これだけの高価格帯商品だと、詐欺のネタにも使われてしまいます。8月21日、三重県警に男性2人が逮捕されました。「響30年」の偽物をフリマアプリで販売したためです。彼らは1本19万~20万円の価格で、4回にわけて5本を販売しました。すべて売れて、合計99万円を騙し取ったとのことですが、実は、この手の詐欺は昔からありました。

まず「響30年」だけでなく、1本20万円、30万円するウイスキーやブランデーはたくさんありますが、これらの空き瓶が、オークションサイトやフリマアプリで売られています。なぜでしょうか?

「手が届かないから空き瓶だけでも記念に欲しい」というのであれば、1000円くらいのオブジェとして買うのは理解できます。しかし、実際ははるかに高い金額で取引されているのです。

原価BARでは、30万円前後する「レミーマルタン・ルイ13世」や「ヘネシー・リシャール」といった商品も扱っていますが、昔はこれらの空き瓶は5万円で売れると言われていました。現在の相場は2万円前後になっているようです。現在もフリマアプリでは、「響30年」の空き瓶は9000~3万5000円といった価格で取引が成立しています。

この詐欺がなくならない理由は2つあります。1つは、これだけの高額商品なので、買った人や店も丁寧に扱います。また、付属品もとても高級なので、全部取っておく人も多いのです。そのため出品する際は、中身がないだけで瓶などは新品同様といった可能性が高く、詐欺師からすると非常にうれしいのです。

もう1つは、買ったほうもすぐには飲まないので、詐欺が発覚しにくいということ。そして、超高級酒のために、もし飲んでも偽物と断定できない可能性があるということです。「響」のノンヴィンテージを入れればすぐにバレるでしょうが、「響17」年もしくは「響21年」であれば、納得してしまう可能性もあります。

今回、発覚した理由は公表されていませんが、被害の拡大をストップできたのはラッキーでした。ニュースが広まることで、同様の詐欺に遭う人が減ることでしょう。

みなさんも高級酒を買う場合は、可能な限り正規ルートをオススメします。オークションやフリマアプリを利用する場合は、到着したら開封しないまでも、すぐに本物かどうかを確認するようにしてください。数年後にさあ飲もうと言うときに気がついても遅いからです。

超高級酒は、ある程度その種類の酒を飲んでいないと良さがわかりません。でも、飲んだときの感動は人生を豊かにしてくれること請け合いです。1本丸ごとは無理だとしても、何かいいことがあったときや、ボーナスが出たときに、まずは信頼できるバーで1杯チャレンジしてみることをオススメします。

ということで、今日は目標の高級酒のエントリー向けラインナップで乾杯してはいかがでしょうか。 <文/柳谷智宣>

【柳谷智宣】

お酒を毎晩飲むため、朝出勤する会社勤めが無理ということで20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープンし、国内外5店舗を展開。2年前には海底熟成ウイスキーを扱う「トゥールビヨン」を立ち上げた

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