元衆院議員・金子恵美氏、夫・宮崎謙介氏の“ゲス不倫”を蒸し返し続ける「賢い戦略」


羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます

「何の魅力もないオトコ」西川史子
『サンデー・ジャポン』(TBS系、9月1日)

今年開催された平昌オリンピック。フィギュアスケートの羽生結弦選手が金メダル、女子カーリングが史上初のメダルを獲得して日本を沸かせた。しかし、その他のメダリストを、今、挙げろと言われても、なかなか思い出せない人がほとんどなのではないだろうか。オリンピックのように日本中を熱狂させるイベントでも、過ぎてしまえば、人は忘れていく。そんな中、あえて2年半前のスキャンダルを蒸し返して、テレビに出続ける人がいる。元衆議院議員の金子恵美氏である。

夫は元衆議院議員である宮崎謙介氏。金子氏が妊娠した際、宮崎氏が育児休業を取得したいと発言し、話題を呼んだ。現役国会議員のイクメン宣言でイメージを上げた宮崎氏だが、元タレントとの不倫を「週刊文春」(文藝春秋)に撮られ、さらに相手女性から『白熱ライブ ビビット』(TBS系)で、「私のど真ん中はソナタ」など、LINEで送ったメッセージのやりとりを暴露されてしまう。責任を取る形で、宮崎氏は議員辞職。妊娠中の夫の浮気は、夫婦の在り方を左右すると言われるが、2人は離婚することはなかった。金子氏は昨年の衆議院選挙で落選したので、現在、政治家としては、夫婦そろって“浪人中”と見ることができるだろう。

夫妻はこれまで、いろいろな番組で不倫の顛末を語っている。が、この夫婦のイメージアップに最大級に貢献したと言えるのが、2人そろって出演した、9月1日放送の『おしゃべりオジサンとヤバイ女』(テレビ東京系)だろう。同番組で、宮崎氏は政界への復帰願望を語っており、となると、選挙対策として、世間から忘れられないようにすることだけでなく、不倫のマイナスイメージを払しょくする必要があるが、MC陣の古舘伊知郎、坂上忍、千原ジュニアとの掛け合いによって、不倫スキャンダルを「悪いのは相手のオンナ」「金子はできる妻」という話に、すり替えることに成功したように見えた。

宮崎氏いわく、育休宣言をしてから、女性からのお誘いが一気に増えた。新年の国会で着付けを担当したAさんもその1人で、Facebookを通じて連絡してきたそうだ。そこから連絡先を交換し、男女の関係になったものの、宮崎氏は「文春」から取材されるまで、Aさんが元グラビアアイドルことは知らなかったという。ハニートラップと明言はしないものの、写真を撮られたときにカメラ目線だったり、人目につくところで待ち合わせしようとしたりと、おかしな点もあったと語っていた。

この宮崎氏の発言に、ジュニアが、「いつもマスクをしていた女性が、ある日マスクをして来ず、その日に写真週刊誌に撮られたのは怪しい」などと乗っかり、坂上も「気をつけなきゃね」と結ぶなど、不倫の話をしているはずが、いつのまにか「ヤバい女がいる」「オンナが悪い」という話になっていたのである。

また、宮崎氏は、「ゲス不倫」ではなく「ハメ浮気」とも主張しており、恐らく女性に対して、精神的な魅力を感じていたわけでなく、性欲を発散させたかっただけと言いたいのだろうが、そちらの方が政治家としてダメなことではないだろうか。

その昔、橋本龍太郎首相(当時)が、偶然知り合った中国人の女性通訳のハニートラップに引っかかり、ODA(政府開発援助)の増額をおねだりされたと「文春」に報じられたことがある。国家機密を握る立場にある人が、よく知らない人と簡単に深い関係になる方が、よっぽど問題だろう。

抜け穴だらけの宮崎氏に比べ、金子氏は冷静である。同番組で金子氏が語ったところによると、初めての出産をした日の夜、夫から不倫を打ち明けられたという。マスコミが大騒ぎすることが予想されても夫を責めず、後援会から「離婚をしないのなら、選挙の応援はできない」と離婚を要求されても拒否し、「宮崎を政治の世界に戻したい」と言ったという。この番組だけで判断するのなら、ダメ夫とそれを支える賢い美人妻に見えるだろう。

そんな金子氏が翌9月2日放送の『サンデー・ジャポン』に出演した時のこと。同番組レギュラーの西川史子は、金子氏に離婚を勧めているらしく、「別れなさい、別れなさいと言ってるんだけど」「何の魅力もないオトコに、どうして付き添っているのかわからない」と話していた。

元国会議員といえば、同番組には杉村太蔵氏が出演しており、西川は杉村氏と親しいことを公言しているが、確かに宮崎氏は、彼のように、清掃員バイトから外資の証券マンとなり、国会議員となるような派手な武勇伝を持っていない。

しかし、今の時代、宮崎氏のような「何にもない」タイプの方が、国民ウケするのではないだろうか。女性問題で失敗した宮崎氏だが、「妻とは離婚するから」といって女性を騙すとか、暴力や権力を使って関係を持つということはしていない。東大出のキャリア官僚といったガチガチのエリートでもないだけに、一般人にとっては親しみやすい。美人妻に応援されていること、男性の育児問題に熱心であることも、いい影響を与えるはずだ。

政界復帰のためにはテレビをうまく味方につける必要があるが、このような宮崎氏の特徴は「完璧を嫌う」というテレビの時流にもうまく合っている。テレビ露出が増えれば、選挙対策には重要な「知名度アップ」にもつながるのではないか。

政治の世界を描いた遠藤周作の『ファーストレディ』(新潮文庫)では、「政治家は選挙に落ちたら、ただの人以下」という文が繰り返されている。この文章通りに解釈すると、宮崎氏と金子氏の夫妻は、今、ただの人以下。見栄も外聞もかまっていられる時期ではないのだ。だからこそ、プライドを捨てて、昔の話を蒸し返して、バラエティに出ているのではないだろうか。次の選挙はもう始まっているのかもしれない。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
ブログ「もさ子の女たるもの

当記事はサイゾーウーマンの提供記事です。

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