「一人文春砲」で快進撃続く須藤凜々花 “キワモノ”キャラからの脱却なるか

日刊サイゾー

2018/9/6 17:00


どうしてあのタレントは人気なのか? なぜ、あんなにテレビに出ているのか? その理由を、業界目線でズバッと斬る「ズバッと芸能人」。

今回取り上げるのは、「りりぽん」こと元NMB48の須藤凜々花だ。昨年6月、「第9回AKB48選抜総選挙」の開票イベントの壇上で、まさかの「結婚」を発表。今年4月に一般男性とゴールインすると、気になる新婚生活や恋愛観を聞き出そうと、オファーが殺到するようになった。

4月19日の『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)では水着、ナース服、メイド服を“部屋着”としてローテーションで着ていると明かし、友近から「変態」と揶揄されていた。

6月13日のラジオ番組『AKB48のオールナイトニッポン~総選挙直前、クセがすごい緊急対談SP~』(ニッポン放送)では、NGT48中井りかに「コソコソする恋愛なんてクソ」「観覧車でベロチューは最高」と“暴発”。

8月14日の『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)では、夫と「今チューしまくりです」とノロけて明石家さんまを驚かせ、21日の『有田哲平の夢なら醒めないで』(TBS系)ではアイドルはワンナイトラブをしているか聞かれ、「してるっすよ」と答えていた。

2016年に「翼はいらない」でAKBのシングル選抜メンバー入りを果たした須藤。今の自由奔放さは、翼が生えて飛びすぎてる感もあるが、そんな「翼の生えたりりぽん」の露出増の理由とは一体どんなところにあるのだろうか? 

■洗いざらい語る「一人文春砲」


 まず元アイドルが、辞めた直後から赤裸々にすべてを語ってくれるところにある。もちろん、その下劣さに眉をひそめる者もいるだろうが、制作者にとってはありがたい存在なのだ。そして何より、AKBグループの「NMB48」出身であるということ。ブランドの求心力が落ちていると言われる中でも、その看板は魅力的に映る。

また、グループ出身者で結婚しているというのも大きなポイントだ。AKBで名が知られた既婚者といえば前田敦子、モデルのアレクサンダーを夫に持つ川崎希が知られるが、ここまで恋愛や結婚についてあけすけに語ってくれるというのも実に貴重だ。それはまさに、自発性を伴った「一人文春砲」だ。

■「反体制」に感じるロック


 また番組では、自分が結婚できたように、「アイドルも結婚できるんじゃん、現役時代に」と、アイドルに希望を持ってほしいとエールを送っていた。さらに、「恋ができないアイドルは逆に夢がない」とも言及。これは、一応表向きは「恋愛禁止」を課しているAKBの運営を非難しているとも受け取られかねない、重大な発言である。ただ彼女の場合、目が行き届きにくいNMB出身であったこと、また現役時代そこまでの爆発的な人気を得ていなかったことも功を奏したのか、今のところ、闇に葬られていない。

彼女の結婚宣言は、尾崎豊の歌の一節ではないが「支配からの卒業」だった。彼女にはそんな、旧態依然のアイドル像とは真逆の、ロックスターのような「反体制」の魅力があるのかもしれない。

■求められる新たな魅力の開拓 キワモノからの脱却は成功するか


 また、彼女はこの5日に、Zeppダイバーシティ東京で、AK-69やKEN THE 390などのプロに混ざってラッパーデビューを果たすという。ここには同じくラップも得意というとろサーモン久保田かずのぶも出るが、彼女は自身のTwitterで「りりぽんがとろサーモン久保田さんをシャケフレークにするところをぜひ観にきてくださ~い」と呼びかけている。

こうして活躍している須藤だが、一度ついたイメージというのはなかなか落ちにくいもので、どこへ行っても「キワモノ」発言を求められるのは、一時的に飛躍できるキッカケにはなるが、長い目で見るとあまり得ではない。

今から2年前に彼女は『人生を危険にさらせ!』(幻冬舎)を出版している。もはやファンには有名な1冊だが、社会政治学者・堀内進之介氏との100時間を超える対話をもとにした本で、哲学が好きで「将来の夢は哲学者」という彼女に、それについて手ほどきをしていく対談集だ。

彼女が「哲学書」と言い切っているこの本が、果たしてそこまでの出版物かどうかはここでは論じない。その知識に薄っぺらさを感じる者もいるだろう。ただ、テレビで日頃奔放な発言を繰り返している彼女とはまた違った一面が垣間見える。著書名のもとになった名言の生みの親である哲学者ニーチェを「ニーチェ先輩」と敬称し、「子どもは自由か不自由か?」を真剣に論じ合う姿には、見栄も、てらいもない。

また、本文中、こんなくだりがある。

<わたしがいまここに「生きて存る」ということは、それ自体でもう、ぜったいに表現できないくらい最上級なこと。(中略)あとは、この最大の奇跡に、ちょっとしたオマケをのっけるつもりで、自分自身の人生を自分なりに考えて「よく」していこう……>

また巻末では、哲学に興味を持った理由を以下のように述べている。

<暗記中心の勉強は私たちから物事を自分で考える契機を奪ってしまう。「なぜ?」という疑問を抱く余地すら与えず、あなたの為だからと、挙句の果てには、暗記の仕方まで暗記させるパタナーリズム>

と切り出したうえで、中学の時に試験的に行われていた哲学という授業に衝撃を受け、勉強する意味、働く意味、生きる意味など、あらゆる意味を知りたくて哲学書をむさぼり読んだが、何も教えてくれなかったこと。その時、彼女は「生きるために意味など必要ない、生きねばならないのだと分かったとき、私はとてもうれしくなった」と思ったそうで、最後に「救いがないことに救われた。人生に意味はない。だからこそ好きなように生きようぜ!」と綴っている。まさに今、彼女は著書通り、人生を危険にさらしている。

AKB48をはじめとするAKB連合艦隊。一時期は向かうところ敵なしの不沈空母だったが、「乃木坂号」「欅坂丸」ら他の敵艦も来襲し、「アイドル海」はまさに混沌の様相を呈している。そんな中、一身上の都合により自ら下船した須藤乗組員は、荒波を乗り越え、何を言っても叩かれるという、日本の芸能史上最も過酷な時代をサバイブしていくのだろう。

(文=都築雄一郎)

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