「高嶺の花」峯田和伸の笑顔に撃たれる罪人・石原さとみ。小日向文世の掌の上で罪悪感は芽生えたか6話

エキレビ!

2018/8/22 09:45

8月15日放送の『高嶺の花』(日本テレビ系)。(関連)


人を欺いていたり、本心を明かしていなかったり、それぞれの真意が掴みにくい第6話。レビュアー泣かせな回だった。

「芸術家」と「罪悪感」の関係性が説明不足
「相手にされたら嫌なこと、どうして自分はできます?」

第4話で登場したセリフだ。風間直人(峯田和伸)が発したこの言葉に胸打たれ、月島もも(石原さとみ)は直人に惹かれていった。

結婚直前、吉池拓真(三浦貴大)が別の女性へ走り、自律神経がおかしくなるほどももは傷ついた。そんな彼女が、“相手にされたら嫌なこと”はできないと宣言した直人に、あえて嫌なことをしようとしている。以下は、妹の月島なな(芳根京子)と宇都宮龍一(千葉雄大)の会話。

なな お姉ちゃんは何をしようとしてるの?
龍一 ひどいこと。とてもひどいことをして、その「罪悪感」と一人で向き合っていこうとしているんだろう。
なな 具体的に何をするの? ひどいことって。
龍一 過去、最も自分が辛かったこと。悲しみや痛みの極限まで行ったひどいことを、誰かに。
なな お姉ちゃんが、過去一番辛かったこと……?
龍一 わかりやすいのがあるじゃない。
なな 結婚式直前に破談……?
龍一 ……ビンゴ(笑)。

このドラマの脚本には、解せないところが多い。なぜ、ももの真意を言い当てるのが龍一なのか。唐突だ。
そもそも、「芸術家」と「罪悪感」の関係性がよくわからない。「次期家元になるには“もう一人の自分”が大切。それを取り戻すには、罪悪感が必要」というロジックが視聴者に説明不足である。我々は未だよく理解していない。

とにかく、ももは直人と結婚式を挙げる。破談にし、罪悪感を手に入れることを目的にだ。

峯田和伸の笑顔の意味とは
初回から、直人は能力の一端を見せていた。携帯の将棋ゲームでレベル99に到達し、勝率は100%。先を読む才に長ける直人は、ももの先も読みまくった。

婚姻届を出すと言って聞かなかったももは、直人と共に役所の夜間窓口に勢いで届を提出した。夜間窓口は、翌日まで正式に受理をしない。ももの意図を察する直人は「俺なんかのためにバツ2つも付けることはないですから」と、朝イチで届を回収していた。

全てを察しながら、結婚式に臨む直人。すると、キスの直前に拓真が乱入。ダスティン・ホフマンの『卒業』ばりに、ももを連れ去りに来た。そういえば、式の予行演習を行った際、相手役を務めた原田秋保(高橋ひかる)にも「やっぱ、無理でしょ!」と直人はキスを拒まれている。細部まで想定内なのだ。

拓真に手を引かれ、教会を出ていくもも。その姿を見送る直人の脳裏に浮かぶは、母・節子(十朱幸代)だった。父と知り合った頃、医者との縁談を親から勧められた節子は「ごめんなさい」と父との交際を断った。すると、その時に父は笑っていたという。
走り去るももが振り返ると、直人は笑みを浮かべていた。明らかに、ももはその笑顔に撃たれている。

直人の笑顔が意図するものは、何か? 大きく、以下の3つが考えられる。
(1)
ももに罪悪感を抱かせないため、傷ついてない自分を見せた直人の優しさ。直人は第3話で「中学2年の時以来、傷ついたことはないんです」と告白している。
でも、罪悪感が生まれなければももの目論見は失敗ということ。去りゆくももに一矢報いた形にもなる。この笑顔は、ももの為になっていない。
(2)
計画通りに事が運んだももに、「良かったね」の感情を抱いた直人。だから、笑顔を見せた。
(3)
節子から教えられた教訓を、直人は実践した。節子は結局、別れを告げた時に笑った父と結ばれた。同じことをして、自分の元にももが帰ってくるよう仕向けた。

直人は読めない。本心を見せない男だからだ。でも、ももに関しては読める。彼女の心は拓真にないはず。拓真が後ろから抱きついた際、反射的に「触らないで!」と拒否反応を示してしまったもも。彼も、ももの目的(罪悪感)のために利用されただけである。

小日向文世がサイコパス
ももの父・市松(小日向文世)がいよいよサイコパスだ。市松と龍一は、裏でつながっていた。妻・ルリ子(戸田菜穂)と龍一が関係を持ち、ななが龍一に恋心を抱いていることも把握済み。というか、市松が龍一を動かしている。市松は龍一を使いななを覚醒させようとしていた。
「ももを公に打ち破ってこその時期家元だ。そのために、噛ませ犬としてもももを月島に留め置かねばならん。家元の娘が運転手の娘に劣るなど、あってはならん。決して」(市松)
ももの実父であり運転手の高井雄一(升毅)には「血を超えてでもももの才能を愛してやまない」と言っていたのに、これだ。ももは、ななを目覚めさせるための道具ということか。初回、大勢のギャラリーの前でガクブルになったななには「ももに勝った」という成功体験が必要である。これ即ち、不貞行為を行った前妻と高井への復讐にもつながる。

……と、ストレートに捉えても良いだろうか? サイコパス市松が、なぜか龍一にだけ腹を見せているのも不可解だ。血も涙もない市松が血縁を最重要視しているのも腑に落ちない。実は、龍一さえ欺いている? “なな覚醒計画”がどこまで本当なのかも、まだまだ謎。

市松の真意次第で、ももが犯した罪「結婚式から逃亡」の重さはまるで変わってくる。第5話で、ももは龍一に忠告していた。
「月島市松をナメないほうがいい」
釘を差しておきながら、自分の用心が一番足りてない。

人を欺き続ける市松は言ってることがコロコロ変わり、真意を読むことが全くできない。市松と直人に関しては、伏線も何もあったもんじゃない。
(寺西ジャジューカ)

『高嶺の花』
脚本:野島伸司
音楽:エルヴィス・プレスリー「ラブ・ミー・テンダー」
チーフ・プロデューサー:西憲彦
プロデューサー:松原浩、鈴木亜希乃、渡邉浩仁
演出:大塚恭司、狩山俊輔、岩崎マリエ
※各話、放送後にHuluにて配信中

当記事はエキレビ!の提供記事です。

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