2018年上半期、最もアニソンを売った女・上坂すみれが語る“ノーフューチャー”な現在と未来

日刊SPA!

2018/8/18 08:32



今年2月、iTunes Storeのダウンロードランキングで1位に君臨し続けた楽曲がある。それが声優・上坂すみれの歌う「POP TEAM EPIC」。毎回アニメ本編の前半パートと後半パートにおいて、キャラクターの担当声優を入れ替えるだけでまったく同じ内容を放送し、時にはニット製のぬいぐるみアニメをインサートするなど、アナーキー極まりない構成で、アニメファンはもとよりサブカルチャーに明るい面々から「クソアニメ」との最大級の賛辞を贈られた『ポプテピピック』のオープニングテーマだ。その昭和趣味、ソ連・ロシアに端を発する共産趣味、ミリタリー趣味などで、声優デビュー当時からなにかと話題を集めていた上坂だったが、今回自身の楽曲とこのアニメがネットでバズった余勢を駆って、一気にアニメソングシーンのマスターピースに。そしてこの8月には3枚目のフルアルバム『ノーフューチャーバカンス』を発表した。

そこで今回、日刊SPA!では上坂を直撃。新作を発表したばかりの“今一番売れているアニソンアーティスト”の現在地と、“ノーフューチャー”な未来予想図を探った。

◆プロデューサーの精神世界が表出した“クソアニメ”

――シングル『POP TEAM EPIC』のヒットで迎えた2018年前半っていかがでした?

上坂:冠番組(TOKYO MX・BS11『上坂すみれのヤバい○○』。2017年4~6月放送)の収録があったり、年末に両国国技館でライブがあったり、去年は割と大変だったような気がするんですけど、今年は平和な感じというか……。ツアーも来年ですし、今は意外とのほほんとしてますね。『POP TEAM EPIC』がiTunes Storeでずっと1位だったのは「すごいな」と思いました。

――『POP TEAM EPIC』、ひいてはアニメ『ポプテピピック』が盛り上がっている状況にはあまり巻き込まれていない?

上坂:実はなにか言われているのかもしれないんですけど、エゴサーチをあんまりしないから気付かずに済んでます(笑)。あんまりアニメを観ないだろうな、というタイプの関係者の方や、全然違うアニメのプロデューサーさんから「『ポプテピピック』の曲、よく聴いてますよ」って声をかけていただいたりはしましたけど、私が流行を実感したのはそのときくらいです。

――ではヒットの要因を分析できたりは……。

上坂:難しいですね。『ポプテピピック』があんなに話題になるとは思っていなかったので、「何個もラッキーが重なったのかなあ」という気がしています。

――それこそアニメファンやネットユーザー同様、映像を観た瞬間「これはヤバい!」と前のめりにはならなかった?

上坂:ヤバい感じはありましたけど、およそ万人受けするとは思っていなかったです。だからあの作品が万人に受けている、この21世紀の世論はどうなってるんだろう? という気がしています(笑)。昔だったら謎のニッチな番組で終わっていた気がするんですけど、まさかあれが……。なんというかネット文化の成熟ぶりを感じますね(笑)。

―― 一方『POP TEAM EPIC』のヒットの要因は?

上坂:アニメ人気のおかげではあるんですけど、そのアニメとはほどよく相反している感じがいいのかなあ? アニメはギャグものとも言い切れない、なんかあんな調子の作品なんですけど、曲はストレートにカッコいい感じなので。作家さんたちにそういう曲をオーダーした須藤さん(キングレコード・須藤孝太郎。上坂の音楽プロデューサーであり、『ポプテピピック』のプロデューサー)の采配のおかげだと思ってます。

――ちょっと余談になるんですけど、アーティストデビューから6年のお付き合いのうちに、須藤さんに『ポプテピピック』みたいなストレンジなアニメを作ってしまう片鱗が見えたことは?

上坂:「あの人、よく会社員でいられるな」とは常々思ってます(笑)。いつも「会社に行かないよ、僕は」「会社嫌いだからね」っておっしゃってますし。

――確かにそれは会社員向きじゃない(笑)。

上坂:「ドトールが好きで、ドトールが会社だと思ってる」っておっしゃっていて。……あとなんだっけな? 「僕は昼酒が好きで、昼から開いてる新橋の酒場で飲んで、そのあと公園のベンチでホームレスごっこをするのが好きだ」とも。それが近況らしいので『ポプテピピック』は非常に須藤さんの精神世界を表したアニメだと思っています。

――その方にご自身の楽曲をプロデュースされるのってどういうご気分ですか?

上坂:すごい売り上げ至上主義みたいなプロデューサーさんじゃなくてよかったです。意識高い系の人よりクズのほうが私にタイプが近いので(笑)。

――あはははは(笑)。ただ、その“クズ”と作った今回のアルバム『ノーフューチャーバカンス』は本当にお世辞抜きの良盤に仕上がっています。

上坂:ありがとうございます!

――2016年発売の前回のアルバムはタイトルからして『20世紀の逆襲』。ちょっとアナクロな上坂さんの趣味の世界を体現した作品だったんだけど、今作はすごくアップ・トゥ・デートな内容になっている。

上坂:確かに今っぽいですよね。

◆すみぺとトレンドがクロスした時代の特異点

――アルバム収録曲の「よっぱらっぴ☆」みたいなアゲアゲのユーロビートは平野ノラのネタがウケ、荻野目洋子のリバイバルヒットがあった去年から今年によく似合う音だし、アルバム表題曲のようなシティポップも、Especia(2017年まで活動のアイドルグループ)が音楽マニアに注目され……。

上坂:あっ、私、Especia好きなんですよ。

――おー。で、そのEspeciaもそうだし、SuchmosとかYogee New Wavesのような広義の上でシティポップに括られるバンドが活躍しているここ数年ならではのサウンドでしょうし。

上坂:なるほどー。時代が私の趣味に追いついたんですかね?

――そういう感じがするんです。ユーロビートもシティポップも上坂さんにとっては付け焼き刃ではない。ユーロビートは「来たれ!暁の同志」(2014年発表の上坂の4thシングル曲)でやっていたし、シティポップもすでに「哀愁Fakeハネムーン」(2014年発表の1stアルバム『革命的ブロードウェイ主義者同盟』収録曲)で歌っている。今回安易に流行りに乗ったわけじゃないですから。

上坂:確かに6年前からやってることは変わらないはずなのに、最近シティポップをやってくれる方が増えたり、1980年代リバイバルみたいなものがあったりしたおかげで、ようやくみんなと同じ趣味を持てた感じがします(笑)。でもなんか不思議ではありますね。それこそ平成2桁台生まれの女の子が荻野目洋子さんの「ダンシング・ヒーロー」を踊っていたり、JKが工藤静香さんの曲の振り付け動画をTik Tokにアップしていたり。仲間が増えた感じはするんだけど、私とはまた違う楽しみ方をしているのが、すごくいいなと思っています。

――なんで時代が上坂すみれに追いついたんだと思います?

上坂:100%偶然ですね。あと半年したら私はまた時代に追い越されるんだと思います(笑)。今はちょうど時代の特異点に到達しただけで、また時代は私のもとを去っていくんだろうな、って。

――じゃあ、またも須藤采配がズバリ! というか、ものすごく絶妙なタイミングでアルバムを発表しましたね。

上坂:「須藤さんって実はやればできるんだなあ」って感じですね(笑)。

――昼間から飲んだくれてはいるけれど(笑)。あと『ノーフューチャーバカンス』というアルバムタイトルもすごく時機を得ている気がするんですよ。

上坂:そうですか?

――今の社会に「新元号の新時代が始まるぞ!」的な明るい希望は見出せないですし。

上坂:でも私にとって日本が明るかったためしなんてないですから。

――あっ、そうか。上坂さんはバブルが弾けた年の生まれだから。

上坂:そうなんです。平成3年以降の日本しか知らないので、常にノーフューチャーです(笑)。

――ではなぜ今アルバムタイトルに「ノーフューチャー」と?

上坂:これまで『革命的ブロードウェイ主義者同盟』『20世紀の逆襲』と漢字の多いアルバムタイトルが続いたので、ちょっと軽やかにしたいなあという思いがあって……。

――軽やかにしたいから「ノーフューチャー」?

上坂:『沙羅曼蛇』っていうゲーム(1986年稼働のコナミのシューティングゲーム)のサントラに入っている「ノーフューチャー」っていう曲が好きなので、私の中では「ノーフューチャー」はカッコいい言葉、いい言葉に分類されているんです。残機はゼロだけど勢いはあるって感じで。なので語感から「ノーフューチャー」っていうフレーズが思い付いたんですけど、さすがにそれだけだと、私の音楽活動自体があまりにノーフューチャーなものになっちゃいそうだったので、なんかこう「ノーフューチャー」に続くいい意味合いの言葉を探していたんですけど、ちょうどその頃アーバンギャルドの10周年記念ライブ(2018年4月の「アーバンギャルドのディストピア2018『KEKKON SHIKI』」)を観せていただいて。そのときにふと「バカンス」がいいな、となったんです。平成最後の年に句読点を付ける感じというか、お休みのような、未来がないような感じがして。

――「アーバンギャルドにインスパイアされた」と言われると確かにうなずけますね。

上坂:アーバンギャルドさんの曲は思想の集まり、ボキャブラリーの海ですから。それをヒントに、おしゃれで、かつ刹那感のあるタイトルを付けてみました。

――じゃあこちらの深読みが過ぎました。そのアーバンギャルド・松永天馬さん作詞の「平成生まれ」なんかも上坂さんが平成生まれゆえにバブルや学生運動のような狂騒を経験したことがないことを歌っている。凪いでいるようなんだけど、確実に右肩下がりに様子がおかしくなっている現在を歌っているのかしら? なんて気がしたんですけど……。

上坂:いや、これは私の日常ですね。平成3年以降の日本が明るかったためしがないように、私の気分がアッパーだったためしもないですから(笑)。常に凪いでます。

◆TWICEって知ってます? メッチャ人気があるんですよ?

――それから「よっぱらっぴ☆」で歌われていることは宅飲み、それも1人飲みのこと。この、1人で自宅で泥酔しているヤケクソ感も「ノーフューチャーだなあ」という印象を受けました。

上坂:あっ、これはそういう歌詞にしたいってオーダーを出したんです。最初にいただいた歌詞は飲み会ソングだったんですけど「私、飲み会に行かないよな」と思って。

――アニメが完成したり、ライブが終わったりしたら打ち上げってありますよね?

上坂:でもそれって通過儀礼というか、半分お仕事でもあるじゃないですか。

――ビジネスライクな飲み会ではありますね。

上坂:……まあ、そういう席でもしたたかに酔っ払って潰れますけども。

――ビジネスシーンでもバリバリ「よっぱらっぴ☆」(笑)。

上坂:でも友だち同士で集まってウェイ!みたいな飲み会や合コン的な飲み会には全然縁がないので。そういうお話をさせていただいたら、この孤独で元気な歌詞ができあがってました(笑)。だから私の普段の生活って感じですごく歌いやすかったんですよ。1人で飲んで、盛り上がって、寝る!

――盛り上がってなにするの? と問われれば……。

上坂:歌詞のとおり、横山光輝先生の『三国志』を何度も何度も読み返す! そして寝る!

――ほかに歌詞にオーダーを出した曲ってあります?

上坂:今回は「せっかくだから自分のアイデアを言ってみようかな」と思ったことが割とありましたし、「Hello my kitty」なんかもお願いして書いてもらった歌詞ですね。

――「ネコかわいい」みたいなことしか歌ってないですよね?

上坂:最近私がネコを飼ったことと、あとヴィレッジヴァンガード名古屋店で『もしもうちの猫がかわいい女の子になったら』という写真集を買いまして……。

――なんですか? その写真集。

上坂:まずネコの写真の載っているページがあって、次のページにはそのネコと同じポーズをしたグラビアアイドルさんが写っているっていうものなんですけど、その写真集をもとに「『飼っているネコがある日突然かわいい女の子になりました』っていう歌にしてください」とお願いしたら、この曲になりました。

――その「Hello my kitty」が象徴的なんですけど、今回のアルバムはユーロビートやシティポップをリバイバルしているだけではない。夏フェスで若手バンドがプレイしそうなダンスロックである「Hello my kitty」や、EDM以降といった印象のダンスミュージック「POP TEAM EPIC」「祈りの星空」のようなイマドキ感のある楽曲も収録されています。

上坂:確かにどれも私にしては珍しい曲ですね。

――こちらも「よっぱらっぴ☆」同様、歌いやすかった?

上坂:『アイマス』(『アイドルマスター シンデレラガールズ』)や『バンドリ』(『BanG Dream!』)といった音楽をテーマにしたアニメやゲームに参加させていただいて、キャラクターソングをたくさん歌ったことで最近のアニソン事情がわかったというか、私の現代性が養われた感じはすごくしています(笑)。

――ではレコーディングはスムーズに?

上坂:できました! あと、今『MUSIC STATION』のナレーションを隔週でやらせていただいているんですけど、担当している以上、番組を観るじゃないですか。それで最新のJ-POP事情を知ることができて、音楽的なボキャブラリーが増えたからスムーズに歌えたっていう面もあるんじゃないかとは思います。私、今ちょっとトレンドに詳しいですもん。TWICEって知ってます? メッチャかわいくて、メッチャ踊る人たちで、メッチャ人気があるんですよ?

――知ってますよ!

上坂:あとあいみょんとか、King & Princeとか……。自分でも自分の口からそんな最新の方々のお名前が出てくるようになるとは思ってもいませんでした(笑)。

――そして今回、アルバム表題曲はご自身の作詞ですけど、これまでの上坂さんの作詞曲とはまたちょっとテイストが違いますね。

上坂:……あっ!

――どうしました?

上坂:私、これまでにも作詞していたことを今の今まで忘れてました!

――へっ? 『POP TEAM EPIC』のカップリング曲「ミッドナイト♡お嬢様」や、『パララックス・ビュー』(2014年発表の3rdシングル)のカップリング「無窮なり趣味者集団」の詞を書いてますよね?

上坂:しまったあ……。このあいだもラジオ収録のときに「アルバムにも入っている『踊れ!きゅーきょく哲学』(2017年発表の8thシングル曲)は月蝕會議さんとの共作詞なので、『ノーフューチャーバカンス』がほぼ初作詞です」みたいなことを言っちゃったし、ほかの取材でもそんなことを触れ回っちゃってました。できれば記事の中で訂正しておいてください。「『ノーフューチャーバカンス』が初作詞じゃないよ」って。

――了解です(笑)。で、その詞なんですけど、職業作家の手によるものっぽい印象があるんです。プロが書いた1980年代シティポップの歌詞を2018年版にアップデートした感じというか。

上坂:確かにこの曲は壮大なパロディではありますね。もともとメロディをいただいたときに作曲家さんの仮歌詞が一緒に付いていて。それこそEspecia感のある、ちょっと英語調の歌詞が。それをもうちょっとラ・ムー(菊池桃子がボーカルを務めたバンド。1988~1989年活動)っぽくしたかったので、ラ・ムーを聴きながら、その世界観をトレースしつつも、古めかしくはさせない。私の理想である、ほどよく1980年代的なフューチャーファンクの世界を目指しました。

◆掟ポルシェの切実な思いが反映された異色作

――作詞は難産でした? それとも安産?

上坂:最初「3日で書け!」って言われたんですけど、さすがにムリだったので2週間ぐらいいただきました。でも、職業作家の方にも「3日で」なんて依頼はしないと思うんですよ。

――だと思います。

上坂:そういうことを平気で言うあたりが、さすが須藤さんって感じなんですけど(笑)、一応2週間のうちにはちゃんとよく考えつつ書くことができました。

――で、ここまで今回のアルバムの現代性についてお話ししてきたんですけど、本作には明らかに異色な1曲が収録されています。

上坂:掟さん……。

――はい(笑)。掟ポルシェ(ロマンポルシェ。)さんプロデュースの「チチキトク スグカエレ」。

上坂:まさに1980年代ニューウェーブのままの雰囲気ですよね。なんというか、この曲だけブラウン管のテレビから流れてきそうというか……。

――ハイビジョンテレビや4Kテレビ的な音ではないですね。

上坂:4:3の画角でお届けしています(笑)。エコーはすごいし、音数は少ないし。でも、この曲があるからこそアルバムがすごく引き締まりますよね。

――サウンドももちろんながら、歌詞もインパクト十分ですからね。

上坂:その歌詞も大正解だと思っています。

――父親の死に目に会うことよりも声優アイドル泥レス大会観戦を優先する、この歌詞は大正解、と。

上坂:掟さんのエッセイ集(『男の!ヤバすぎバイト列伝』)を読んでいる感じがしました。

――まさしく女子プロレスの対抗戦を観たい一心でアルバイトや借金の返済をバックれるお話だったし。

上坂:ともすればチープとも言われかねないサウンドに乗せて大マジメに歌ってこそのニューウェーブという思いもありますし、そもそもこの歌詞自体、作者の過去や切実な思いが反映されているわけですから、私も一切ふざけず、大マジメに歌わせていただきました。……でも「Hello my kitty」とこの曲が並んでると、聴く方はビックリしますよね。最新のロックから1980年代ニューウェーブへと時間が遡りすぎるというか。

――確かに(笑)。このトラックリストはどなたが決めたんですか?

上坂:私です。最初須藤さんが決めていたんですけど、それを覗かせてもらったら「お前、絶対にテキトーに考えただろ」って感じのあまりにメチャクチャな曲順だったので……。

――さすが“クズ”(笑)。

上坂:なので「ちょっと考えますね」って私が引き取って、苦心惨憺しながらこの曲順にしたんですけど、このアルバム、10曲目(「チチキトク スグカエレ」)以降の追い込みがすごいというか……。

――怒濤のごとくアッパーな曲、しかも風変わりな曲が畳みかけてきます。

上坂:だから我がことながらすごくライブっぽい構成になったな、と思ってます。実際のライブやイベントでもオープニングに使っている「予感03」から始まってますし。来年2月にツアーがあるんですけど、この曲順のままライブをすればラクでいいんじゃないかなあ、っていう気がするんですよね。

――「アルバム再現ライブ」って言い張って。

上坂:それいいですね! 観に来てくださる方もコールやサイリウムの色の準備がしやすいし。で、私は「Hello my kitty」が終わったら、ロマンポルシェ。での掟さんに倣ってキャベツを包丁でめった刺しにして……。

――そこにもイズムを反映させますか。

上坂:あの演出はどうしてもやりたいです。しかもキャベツっていうのがいいじゃないですか。トマトだとめった刺しにしたらグチャグチャになっちゃうけど……。

――葉物野菜だからパラパラと散るだけ。

上坂:後片付けがラクですよね。そこに掟さんの優しさを感じます。

――改めてこのアルバムって本当に良作だと思うし、だからこそ今後、アーティスト・上坂すみれの立ち位置ってちょっと変わるんじゃないか、という気がするんですけど、そういう期待は?

上坂:売れたらいっぱいおカネが儲かるからうれしいですけど、そんなに気を揉むことはないかな、と思ってます。まあそんなに売れないですよ。私が売れるような世の中、私が困っちゃいますし(笑)。

――でも上坂さんがニッチな番組で終わると思っていた『ポプテピピック』もヒットしたわけですし、可能性は十分ありますよ。

上坂:えー……。キングレコードをクビにはなりたくないのでそれなりの売り上げは出してほしいんですけど、万が一ヒットして歌番組とか呼ばれたらツラいですし……。

――それこそ『MUSIC STATION』に出ましょうよ。

上坂:いや、あの番組はやっぱりTWICEさんたちのものというか……。私としてはナレーションさせていただいているくらいがちょうどいいと思ってます。でも売れたら、なにすればいいんですかね? 筋トレ?

――確かにレーベルメイトの水樹奈々さんをはじめ、売れているアーティストさんは体力作りに余念がないイメージはありますけど、順番が逆というか……。身体を鍛えて優れたパフォーマンスをするから、評価を集めて売れるんじゃないか、と。

上坂:でも今日から筋トレするのはイヤだなあ……。じゃあ、こうしましょう! 売れたら筋トレします! ジムでもなんでも通ってやりますよ!(笑)

――腹筋を6つに割ってやりますよ、と。

上坂:売・れ・た・ら・な!

●上坂すみれ(うえさか・すみれ)

ソビエト社会主義共和国連邦が崩壊した1991年、神奈川県生まれの声優・アーティスト。2012年、アニメ『パパのいうことを聞きなさい!』で本格的に声優デビューを果たし、以降『中二病でも恋がしたい!』『アイドルマスター シンデレラガールズ』『艦隊これくしょん -艦これ-』など数々の話題作で主役・メインキャストの声を務める。またその一方、2013年にシングル『七つの海よりキミの海』でアーティストデビュー。2014年には1stアルバム『革命的ブロードウェイ主義者同盟』、2016 年には2ndアルバム『20世紀の逆襲』を発表し、2016年には両国国技館でワンマンライブ「上坂すみれのひとり相撲2016~サイケデリック巡業~」を開催した。さらに2017年には自身の冠番組『上坂すみれのヤバい○○』がオンエアされた。そして2018年8月1日には3rdアルバム『ノーフューチャーバカンス』をリリースした。

取材・文/成松哲

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