プチモラハラ系夫「家事は女がやって当然!?」イライラから自分を守る3つの対処法



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「家事育児に非協力的」「イラッとする余計な一言が多い」など、日々の暮らしで、夫に対するイライラをつのらせている妻は多いよう。離婚するほど深刻ではないけれど、だったらなおさら、この先の夫との長い生活に、少しでもストレスなく暮らしたいものです。

そこで、夫に対するイライラの原因&解消法ついて、「HaRuカウンセリングオフィス」代表、夫婦問題カウンセラー・高草木陽光さんにお話をうかがって来ました。


お話をうかがったのは…

高草木 陽光(たかくさぎ はるみ)さん

「HaRuカウンセリングオフィス」代表、夫婦問題カウンセラー。7年間で約7,000人のカウンセリングを行い、夫婦問題・家族問題で悩む人の心に寄り添いながら解決に向けてのお手伝いをしている。美容師、育毛カウンセラーを経て、その後結婚して専業主婦となったが、夫の束縛や価値観の押しつけに違和感を覚え、「結婚生活とは何か」ということを深く考え始める。その後、「離婚カウンセラー」という職業があることを知り、自分たち夫婦のため、夫婦関係で悩んでいる人たちのために必ず役に立つと確信し、2009年に「NPO法人日本家族問題相談連盟」の認定資格を取得し、夫婦問題カウンセラーとなる。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌など幅広いメディアで活躍中。



■プチモラハラ系夫の対処法1:「子どもだけでなく夫も?」ほめて伸ばすが基本

――第2回は、前回に続き多かった、「プチモラハラ系の夫」に対する悩みです。深刻なモラハラとまでいかなくても、「イラッとするいやみが多い」とか「家事は妻がやって当然だと思っている」など、不満の声が多数集まりました。下記に一例を紹介しますが、そもそも、こういう男性の意識を変えるのは難しいのでしょうか?

・「〇〇さんの奥さんは一流企業で働いてて、超稼いでるのに、家事も完璧なんだってよ」などと、よその奥さんと比較する発言は、中小企業で働く私へのいやみ!? としか思えない。(40歳・子ども2人)

・そもそも、旦那が「家事を手伝う」と表現すること自体にムカつくし、ごくたまに手伝う時は、えらそうなドヤ顔。共働きだというのに!(38歳・子ども1人)

・自分には甘いくせに、人の失敗にうるさい夫。私がちょっとでもミスると、「それでよく仕事できるよな~」とか「社会人としてありえなくない?」とか、いちいちうるさい。(39歳・子ども3人)

・2人目を生んで間もない頃、私がやっとの思いで夕飯の準備を終えた時、晩酌しようとした夫が、のんきに「ん? ワイングラスがくもってるな~」とボソリ。じゃあ、自分でふけ!(33歳・子ども2人)


高草木陽光さん(以下、高草木さん):女性の社会進出が進んでも、男性の家事育児に対する協力の意識はなかなか追いついていないですよね。こういうタイプの夫は、いくら言っても聞く耳を持たないでしょうから、家事育児に少しずつ参加させたりして、どんどんこちらのペースに巻き込み、自然に意識を変えていくしかないと思います。

――上手な巻き込み方はありますか?

高草木さん:全部任せるのではなく、一部を手伝ってもらったり、妻と一緒に協力してやってもらったり。そして、夫が何かしてくれたら、もう大げさなくらいにほめることがポイントです。

たとえ、心の中では「この程度のことで…」とか「やって当然でしょ?」と思っていても、そこは顔に出さず。今まで何もしなかった夫がようやくここまで進歩したと思って、「すごく助かった! 本当にありがとう!」などというふうに盛大にほめてあげましょう。もう、このタイプの夫は、調子に乗せてしまうに限りますよ。

■プチモラハラ系夫の対処法2:「イライラする…」夫婦ケンカのパターンを知る


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――「夫を調子にのせるなんてムカつく」という声も聞こえてきそうですが…?

高草木さん:私が受けてきた相談事例でも、妻のそういった声はとても多いですよ。でも、妻の最終的な目的は、夫の行動を変えることですよね? だったら、小さなプライドは捨てることです。

それでも、どうしてもプライドが許さない場合は、ゲーム感覚にして挑んでみてはどうでしょうか? 例えば、夫がイラッとするひと言をしかけてきたら、「あ、挑発してきてる。なるほどね~、そう来たか。でも、私はあんたの誘いにはのらないよ」というふうに。夫と同じ土俵にのってはいけないのです。

――なるほど、ゲーム感覚で。

高草木さん:例えば、この「一流企業で働いて、稼いでて、家事も完璧の〇〇さんの妻はすごいな~」という夫の発言について。私だったら、「へ~そうなんだ」といったん受け止めて、その後「すごいね! その旦那さん!」って返しますね。

――なぜ、相手の夫を?

高草木さん:「だって、夫が妻に感謝したり、しっかりサポートしてくれているから、妻がそれだけ頑張れるわけでしょう? 私ももっとサポートしてもらえれば、もっと頑張っちゃうんだけどな~と。「完璧な妻を求めるなら、あなたも完璧に妻をサポートしなさいよ」とやんわり夫に伝えますね。

――なるほど…! 私だったら、「はぁ? なにが言いたいわけ?」って言い返しちゃいそうなところ、ステキな切り返しです。

高草木さん:夫婦ケンカは、否定的な言葉を返すなど、最初のひと言でぶつかり合ってしまうパターンが多いので、まずは、いったん受け取るクセをつけると良いと思います。その後は、何も言わなくてもいいし、何か言い返したいなら、前回ご紹介した「YOU」メッセージではなく、「I」メッセージで伝えるのがポイントです。「夫にそう言われてイラッとするのはなんでだろう? 私はどうしたいんだろう?」と考えて、「あ、そう言われて私は悲しいんだ」と思ったら、その気持ちを素直に伝えればいいのです。

長年夫婦をやっていると、ケンカが勃発するようなパターンって、もうなんとなくわかると思うんですよね。言い返してスッキリしたいのだったら、それでもいいですけど、それでは進歩ないと思いませんか? 同じパターンを繰り返すのはもうイヤだなと思ったら、自分が工夫するしかないわけです。

――確かに、ケンカになるパターンはいつも同じような気がします。

高草木さん:夫婦問題は突きつめると、すべてコミュニケーション問題なんです。みんな「自分は間違っていない」とか「なんで私が変わらなくちゃいけないの? 悪いのは夫なのに!」と思いがちだけど、その考えを一度ストップしましょう。だって、自分の伝え方を変えることによって、自分の望みがかなえられる確率が高くなってくるのですから。そうすればムダなケンカやストレスが減って、結果、自分にとってお得なワケですよね?

小さなイザコザで夫を言い負かせて、ちょっとスッキリするけど何も変わらない生活を選ぶか、最終的に夫が変わってくれるという生活を選ぶか、どちらの生活を選ぶかは、実はあなた次第なのです。

■プチモラハラ系夫の対処法3:「いざという時“酸素マスク”は自分から」


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高草木さん:また「いちいち細かいことにうるさい夫」、もう、これはスルーでしょうね。先のお母さんたちの不満事例にもありましたが、ワイングラスがくもっているのが気になるなら、「じゃあ、次からあなたが洗ってね」とサラっと返しちゃえばいい。こういうことに、過剰反応してキレて、エネルギーを注ぐことの方がもったいないと思いますよ。

――スルーできずにキレてしまうのは、妻がそれだけ追い込まれた状態にいるのかもしれませんね。

高草木さん:本当に、まず自分に余裕をもたせておくことが第一。

例えば、お母さんと子どもが飛行機に乗っていて、酸素マスクが出てくるような状況になった時、先にお母さんが酸素マスクをつけてから、その後に子どものマスクをつける、という決まりがありますよね? これは、お母さんが気を失ってしまう危険性があり、そうすると親子とも倒れになってしまうから。

まずは、自分がしっかりした状態でないと、子どもを助けることはできないというわけです。

――確かに…。まずは自分を第一に。

高草木さん:今の時代、大事なのは「いかに頑張るか」ではなくて、「いかに手をぬくか」だと思いますよ。ただでさえ、女性はさまざまな役割を求められて大変なのですから。常に、自分の心の栄養を補充できる方法を用意しておきましょう。お友だちとのおしゃべりでもいいし、スポーツでも何でもいいんです。

よく「忙しくてそんなことしている余裕ない」という方もいるのですが、まず「できない」と決めつけないこと。決めつけてしまうと、すべてのことに余裕がなくなってしまい、抜け出せなくなりますから。

今の時代、ベビーシッターや家事代行のハードルがだいぶ低くなってきましたから、そういうのを上手に利用するなどして、自分のための時間を確保しましょう。

――そばにいる夫は、妻の限界に気づかないものなのですかね…?

高草木さん:残念ながら、夫は妻がそこまで限界になっていることに気づいていないことも多いです。妻が倒れてから、平気で「早く言ってよ」とか「言われればやったのに」とか言いますから。

何度も言いますが、「私がこんなに大変なのに察してよ」と夫に期待するのはダメ。男性は、察することはできない生き物だから、しっかり伝えましょう。そして、伝える時はYOUメッセージで「あなたもやってよ!」と責めるのではなく、Iメッセージで「私もう限界だから助けて」などと伝えましょう。

もしそれでも、「は? それはおまえの仕事だろ?」などと言うような夫だったら、もう実家に帰ってしまって良いと思いますよ。

――本当に(笑)。

高草木さん:相手に感謝する気持ちは大切ですが、妻の方も、古い価値観にしばられたり、「私は夫より稼いでないから…」などとヘンな遠慮をする必要はありませんよ。夫婦は、ともに協力してひとつの家庭を築き、子どもを育てあげていくもので、どっちがえらいなどという問題ではないのですから。

そして、最後に私がみなさんに伝えたいのは、もしあなたが今の生活に変化を求めているなら、「知っている」だけではなにも変わらないということ。「実行」に移して、「継続」していくことで、初めて夫婦でともに成長できるのだと感じています。

夫をどうにかしたいと思ったら、まず自分を変えるのが、一番の近道なのかもしれません。

※なお、この記事で扱っているのは、あくまで軽いレベルのもので、悪質で重度のモラルハラスメントには別の対処方法が必要となります。

参考図書:
「なぜ夫は何もしないのか なぜ妻は理由もなく怒るのか」(左右社)
高草木 陽光著 1,836円(税込)



夫婦問題カウンセリング7000件の実績をもつ著者が、これまでの相談内容から導き出した解決方法を紹介。具体的な事例をあげ、「夫と妻の考え方の違い」「夫と妻の受け取り方の違い」「問題になりやすい事柄」「改善策につながるヒント」「考え方のポイント」を、家事、育児、会話など38のテーマ別にアドバイス。何らかの問題を抱えている夫婦にも、ひとり頭を抱えて悩んでいる夫・妻にも、「うちは問題ない」と思っている人にも役立つ一冊。


取材・文/まちとこ出版社N

(まちとこ出版社)

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