誰にでも当てはまる「不動産の買い時」は存在しない!

日刊Sumai

2018/8/12 21:30

住まいを購入しようと様々な情報を集めたとき、よく目にする情報があります。
「不動産の買い時」についての情報です。不動産価格の相場の話、住宅ローンの金利の話、行政が定める税制の話、など様々な観点から多くの考察がなされています。
しかし、不動産業界の中で働く者として皆さんに申し上げたいことがあります。
それは「誰にでも当てはまる不動産の買い時」など存在しない、ということです。
不動産業者はいつでも「今が買い時です」と言う
マンション
G-item / PIXTA(ピクスタ)
世の中には「今が買い時です!」と強調した情報がたくさんあります。
それこそ住まいの見学のために不動産業者を訪れれば、必ず「今が買い時だ」と言われるでしょう。
業者からすればビジネスなわけですから「今が買い時だ」と言うのは当然です。
もちろん「買い時」であると強調するための事実に嘘はありません。
例えば、現在の住宅ローンの金利は稀にみる低さです。
商品によっては年金利1.0%を下回るものが珍しくない時代です。
金利が低いうちに住まいを購入すること自体は合理的だと思います。
金利
freeangle / PIXTA(ピクスタ)
しかし、ここで肝心なことが一つあります。
それは、不動産業者はいつ、どんな時代でも「今が買い時だ」というトークをやめないということです。
買い時アピールができる情報を何か見つけてきます。
金利の話でいくと、金利が上がり始めることがあれば、「もっと上がる前の今が買い時です」というトークを展開するでしょう。
また、多くの不動産関連の税の優遇制度には適用期限があります。
これを「この税制は今年度で終わりなので、適用できる今が買い時です」というトークに活かすこともできるのです。

「買い時」は外部環境で決まるものではない。
セールストーク
sasaki106 / PIXTA(ピクスタ)
前述したような「買い時トーク」は筆者自身も使っていました。
特に不動産の知識や経験が浅かった頃です。
繰り返しますが、この時提供した情報に嘘はありません。
住まいを購入する際、こういった情報を参考にすることはプラスに働きます。
世の中
まちゃー / PIXTA(ピクスタ)
大切なことは、金利や相場、税制などといった情報は、あくまでその時の「住まいをとりまく外部環境」を説明しているだけ、ということを理解することです。
こういった外部環境は、とても不安定で不確実なものです。
時代によってあっさり変化する可能性があります。
そういった情報は、あくまで知識・参考としてのもので自分自身の住まいの買い時を決める決定打にはならない、と私は思っています。

「買い時」を決めるのは自分自身
入園
kou / PIXTA(ピクスタ)
では、どのように自分自身の買い時を見つけるのか。
答えはいたってシンプルで、「自分が住まいを欲しい理由」を突き詰めることです。
例えば「子どもが産まれて部屋が手狭になったらから住まいを探す」として、買い時を「子どもが幼稚園に入るまで」と決める、などです。
子どもが幼稚園・小学校と進めば、転園・転校のリスクが伴い、人間関係の構築に時間がかかる可能性があるからです。
学校
maroke / PIXTA(ピクスタ)
こういった内容は外部環境に左右されません。
たとえ20年後に相場が大幅によくなる、といった情報があったとしても、子どものために住まいを買うのであれば、20年後では意味がありません。
他にも「定年までにローンを完済したいから、30歳までに購入する」とか「両親の介護のために半年以内に購入する」などがあるかもしれません。
筆者も今は「買い時」をお客様に説明するとき、できるだけお客様の事情に寄り添ってアドバイスするようにしています。
住まいの買い時は、誰にでも当てはまるような外部環境の情報でなく、自分自身の事情によって、自分自身で決めることが大切なのです。

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