群馬ヘリ墜落で9人全員の死亡確認 中には白根山噴火救助で尽力した隊員も

 9人が乗った群馬県の防災ヘリコプターが同県中之条町の山中に墜落した事故で、県は11日、新たに7人が収容され、9人全員の死亡が確認されたと発表した。いずれも機体の残骸周辺で発見され、航空自衛隊のヘリが10日に2人、11日に7人を収容した。犠牲者には今年1月の草津白根山噴火の際に救出活動を行うなど、人命救助に尽力した消防隊員もおり、関係者は悲しみに包まれた。

 事故から一夜明け、9人の搭乗員全員の死亡が確認されるという最悪の結末。11日早朝から墜落現場の山中に入り、救出活動を指揮した吾妻広域消防本部西部消防署の黒岩賢一副署長は「あらゆるものがほぼ原形をとどめず、鉄の塊といっても過言ではない」と凄惨(せいさん)な現場の様子を語った。

 搭乗していた9人のうち5人は吾妻広域消防本部所属だった。同本部は長野、新潟両県と接する県西北部の吾妻郡を管轄し、山岳救助も担っている。今年1月23日、草津白根山の本白根山が噴火し、スキー場で訓練中だった陸上自衛隊員が噴石の直撃を受け死亡、スキー客も含め11人が重軽傷を負った。その際にも負傷者の救出や捜索に当たった。

 事故の犠牲となった警防課課長補佐の田村研さん(47)や副隊長の水出陽介さん(42)は噴火当時、二次災害の恐れもある中で、スノーモービルで往復するなどして、山頂に残された人たちの救助に当たった。記者会見にも対応し、生々しい救助現場の様子を「視界が利かず、寒さで外に出るのもつらい」などと伝えていた。

 親族の男性(68)は、3人の子供の父親だった田村さんについて「真面目で仕事一本という感じの頑張り屋さんだった。いつも朗らかに楽しそうに会話をしていた」とし、言葉を詰まらせた。

 遺体が安置されている前橋署にはこの日、昼前後から親族らが次々と訪れた。涙を流しながら足早に対面に向かう人の姿もあった。黒岩副署長は多くの仲間を失い「これからの消防を背負って立つ人間たちだった」と無念さをにじませた。

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