長男が責任を取るべき? 介護分担での優先順位の決めかた

editeur

2018/8/12 05:00

法的に優先順位がない親の介護。話し合いで決まらない場合は民事裁判も


民法877条では、「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と定められており、法的に扶養義務が子どもにある親の介護。扶養義務者(兄弟姉妹)が複数いる場合、優先順位について法的な規定はあるのだろうか?

「法的には『家族間のルールにまかせ、むやみに法を適用すべきではない』という『法は家庭に入らず』の考えのもと、兄弟姉妹のなかで誰が優先して義務を負う、といったことまでは定めていません」(外岡さん、以下同)

兄弟姉妹がいる場合の扶養については、原則として当事者間の話しあいにより決めることが前提とされている、と外岡さん。とはいえ、話しあいがまとまらない場合はどうすれば良いのか?

「兄弟姉妹で話しがまとまらない場合、または話しあいができない関係の際には、家庭裁判所へ『扶養すべき順序を指定する申立て』をすることで、各扶養義務者の経済状況や生活状況、扶養権利者(親)の意向などを考慮した上で、代表となるべき扶養義務者を裁判所に決めてもらうことができます。また、扶養の程度や方法も、家庭裁判所に申し立てすれば、決めてもらうことが可能です」

トラブルを防ぐには兄弟姉妹間で公平なルールを定めておくことが重要


親の介護と向きあうことになった時は、当然、兄弟姉妹で協力しあうのがベスト。誰が介護するかでトラブルにならないようするにはどうしたらいいのだろう?

「本格的な介護が始まる前に、親も含めて定期的に兄弟姉妹で話しあう場を持つようにしましょう。特に在宅から介護施設に移るタイミングなど、重要な場面ではしっかりおこなうようにしてください」

話しあいの際には、特定の人に負担がかからないように役割分担をすること、それに加え透明性があり公平なルールを兄弟姉妹間で定めておくことが重要だという。

「特に金銭面に関しては、必ず定めておくべきです。たとえば毎月定額を『我が家の介護ファンド』としてみんなで積み立てておき、遠方の兄弟姉妹が介護を理由として移動する際、交通費をその中から支給するようにするなど、配慮することが大切です」

最後にアドバイザーからひと言


「親の介護をした扶養義務者は民法904条にて、遺産相続の取り分を多くすることが認められています。ただ、それが裁判所で認められるハードルはかなり高いので期待しないほうが無難でしょう」

あなたにおすすめ

すべての人にインターネット
関連サービス