舞台『八王子ゾンビーズ』山下健二郎インタビュー「三代目 J Soul Brothers×鈴木おさむで化学反応を」

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2018/8/11 20:00


ダンサーになる夢が破れ、そんな自分を見つめなおすために、八王子のお寺に辿り着いた若者。だが、墓場で偶然出会ったゾンビたちは陽気なイケメンばかりだった……?! “音楽×ダンス×ゾンビ”という斬新なテーマで作・脚本・演出の鈴木おさむが書き下ろした舞台『八王子ゾンビーズ』。三代目 J Soul Brothersの山下健二郎が初主演することでも話題の本作が、2018年8月5日(日)より東京・TBS赤坂ACTシアターにて上演されている。本作で主人公の羽吹隆を演じる山下が、稽古を終えた直後に本番直前の思いを語ってくれた。

ーーまずは稽古を終えた感想をお聞かせください。

最近は、頭から最後まで通すという稽古を続けているので、完成度もかなり高まってきています。舞台稽古はやればやるほど良いものが出て、新しい発見もありますね。今は稽古がすごく楽しいですし、カンパニーのみんなとの絆もすごく生まれてきて、いい感じに進んでいます。

ーー鈴木さんの演出の印象はどうですか?

おさむさんの演出を受けるのは初めてなので、すごく新鮮です。演出される方ってそれぞれ独特のスタイルがあると思うんですけど、おさむさんはかなり珍しい演出の仕方じゃないかと思います。舞台稽古の初日に「本を持ちながら、なんとなく動いて」と、いきなり頭から最後まで通しました。そいうことを毎日繰り返して、決まっていないところをちょっとずつ変更していく感じで稽古が行われています。

基本的に、僕ら役者陣が「これでいいのかなあ……」という感じで動いてみて、おさむさんがそれを見て「それいいね。次こうしようか」と肉付けする形で演出をされています。固め稽古というよりかは、舞台稽古の初日から、頭から最後まで通すことを何回も繰り返しています。
山下健二郎
山下健二郎

ーーそれは新鮮な感じがしますね。

新鮮ですね。僕も経験したことがないので、正直に言うと最初はビックリしました。最初の頃は、それだけの回数を通しても台本が離せない自分がいて、プレッシャーと戦いながらやっていました。おかげさまで、だいぶ精神的には強くなりましたね(笑)。

ーーそういうスタイルでの稽古には慣れましたか?

人それぞれですけど、僕は固め稽古するときはシーンを繰り返してやるほうが、動きや台詞が入りやすいです。頭から最後までやると、どうしても最初の事を忘れちゃったりするので。なので、今回は稽古場で覚えるというよりかは、家に持ち帰って覚えるという作業のほうが多かったかもしれないです。舞台稽古する時って、稽古場で台詞を覚えちゃうことが多いんですよ。だけど、今回は家に持って帰って台本を読んで……という久々に記憶力との勝負で、なかなか大変でした(笑)。

ーー稽古場では、その瞬間での対応力が問われそうですね。

今回、自分が舞台初主演をやらせていただくので、セリフ量の多さとか、覚えないといけない段取りなどがいっぱいある中で、どうしてもちょっと気になることがあると、気持ち悪いなと引っかかってしまいます。役作りをしていく上で、自分の感情と動きの辻褄が合ってなかったりするところが生まれてきたら、それはさすがにおさむさんに言うようにしています。

それ以外は、おさむさんに言われたように動くようにはしています。通してみて感じる部分がいっぱいありました。稽古していく中で色々と変えるところは出てくるのですが、そこは臨機応変に対応しています。

ーー今日の通し稽古でも、稽古終わりに山下さんが鈴木さんに「一つ気になることがあるんですよ」と言われて、すぐ相談されている姿が印象的でした。

あの時は、自分の中で辻褄が合ってないところがあったので。僕の役はゾンビが怖くてこの場から逃げ去りたい気持ちがあるのに、段取りがあるから何故かゾンビーズの動きに合わせて待ってしまっていて……。その動きを見ているお客様がもし気持ち悪いなと感じてしまったら、それはもう役者としては良くないことですから、自分で辻褄が合うように「段取りのようにならないようにしたいです」とおさむさんに相談しました。それが役者の仕事だと思っています。
山下健二郎
山下健二郎

ーーそのゾンビーズを演じる久保田悠来さんたちとの関係はどうですか?

世代もバラバラなのですが、稽古を繰り返しているうちに仲良くなって、みんなでご飯に行ったりしています。おさむさんが顔合わせの時に「この夏、みんなで青春を感じてもらえたら」というようなことをおっしゃっていて、年齢関係なく青春を感じるのって、なんかいいなと思っています(笑)。みんなで一つのものを作り上げて熱いものを感じて、いい舞台にしよう! という人たちが揃ったので、周りの関係にはすごく感謝しています。

ーーゾンビーズを演じるメンバーの印象は?

かなり熱いメンバーですね。あと、いい意味でみんな適当です(笑)。でも、そこがすごく助かっています。その”適当”というのは考え方が柔らかいという意味合いで、あまり凝り固まらない柔軟性があるんです。それぞれがたくさん舞台に出演し場数を踏み、色々な経験をされていて、稽古の進め方をみんなが熟知しているんです。こだわりを持ちすぎて「絶対にこうしないといけない」というよりかは、みんなでディスカッションしながら決めていくという感じです。頭が柔らかくて、賢いメンバーだと思います。

ーー「青春を感じてもらえたら」という言葉がありましたが、稽古場で具体的に青春を感じたことはありましたか?

夏ということもあり、この稽古場で7時間ぐらいずっと同じ時間を共有して、同じものを作っているということ自体に青春を感じています。学校の部活みたいな感じですかね。稽古の休憩時間に、みんなで稽古場の隅でカップラーメンを食べているんですけど、やっていることが学生みたいで(笑)。

学生時代の部活で、休憩時間にコンビニでご飯を買ってみんなで食べていた感覚を思い出します。休憩時間には、舞台の話をするというよりかは関係のない話をして、リラックスする時間を大切にしています。他愛もない話から、仕事の話まで話題は豊富です。休憩中も舞台の話をすると、息がつまってしまいますからね(笑)

ーー舞台初主演ということですが、お話しが来た時のお気持ちはどうでしたか?

本当に嬉しかったです。主演ということ自体がすごいことですし、さらに初主演ということなのでお話しをいただけたことにまず感謝しました。それと同時に僕の中に、おさむさんと一緒に舞台をやりたかったという思いがあったことに気づかされました。どちらかというと、僕はコメディーやお笑いなど、エンターテインメントに寄っている作品のほうが好きなんです。なので、おさむさんの名前を聞いてテンションが上がりましたし、三代目 J Soul Brothers×鈴木おさむで何か良い化学反応が起きたらと思っていました。

ーー実際に稽古に入ってみて、その化学反応はどうでしたか?

僕の中では手ごたえがありました。舞台稽古もやればやるほど手ごたえを感じるのですが、あとはお客さんが入ってからの反応次第かと思います。

ーー稽古を拝見させていただきましたが、本作は“音楽×ダンス×ゾンビ”というテーマに、さらにお芝居や、笑い、殺陣など様々のものが融合している作品ですね。

この舞台は何でもあり、もうごちゃまぜです(笑)。殺陣も、歌も、ダンスもあって。それでいて、シリアスな部分や笑える部分もあるので、総合エンターテインメントな感じがしますね。だから、舞台が苦手という人でも見たらスッキリすると思いますし、話も分かりやすいから誰でも楽しめるんじゃないかな、と思います。僕も舞台を色々と観るのですが、たまに難しい作品もあるじゃないですか。そういう作品を理解するのは本当に大変ですが、この作品は何も考えずに見て、単純におもしろいと感じるエンターテインメントだと思いますので、お客様には純粋に楽しんで帰っていただきたいですね。
山下健二郎
山下健二郎

ーーコメディーやお笑いのようなエンターテインメント作品がお好きということは、山下さん自身もこの作品を受け入れやすかったんじゃないでしょうか。

もう大好きです。初主演で相当気合いも入っていますし、代表作になるように頑張ります。初主演というのは当然1回しかないことですから、大事にしたいです。

ーー山下さんから見た、本作の見どころはどんなところですか?

僕はこれまで、今回のようなかなり長い台詞を経験したことがなかったので、特に注目して欲しいのはそこです。それと、ダンスも殺陣も……全部と言えば全部です(笑)。最初は笑い満載のエンターテインメントに長けている舞台ですが、終盤にかけて思わず泣けて感動できる部分もあります。そういうところもぜひ注目して欲しいです。

ーーそれでは最後に見に来てくださる方々へメッセージをお願いいたします。

僕の初主演でもあり、すごく大事にしている舞台なので、今までとは違う三代目 J Soul Brothersの山下健二郎を見ることができると思っています。その姿を見せることにすごく自信がありますので、ぜひ楽しみにしていて下さい。
山下健二郎
山下健二郎

取材・文=櫻井宏充 撮影=荒川 潤

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