加藤綾子が反日感情への誤解を解き、差別解消や国際平和に必要なものを語る

wezzy

2018/8/11 17:15


 2016年にフジテレビを退社し、現在はフリーアナウンサーや女優として活動している加藤綾子。彼女と池上彰がコンビを組む報道バラエティ特番『池上彰が教えたい! 実は…のハナシ。』(日本テレビ)の第二弾が8月9日放送に放送された。

加藤綾子と池上彰がコンビを組んだのは前回の『池上彰が教えたい!』が放送された2017年6月以来、約1年ぶり。今回はドナルド・トランプ大統領、習近平国家主席、ウラジーミル・プーチン大統領の3人の個人史からそれぞれの国の姿を探る。また、スタジオには日本、アメリカ、中国、ロシアで生まれ、現在は日本に住んでいる中学生高校生をゲストに招き、池上彰も交えた討論を行った。

番組収録終了後に行われた会見で加藤綾子は、その日の感想をこのように述べ、断片的な知識からつくられた偏見で敵愾心をもってしまうことへの恐れを語っている。

<リアルな声が聞けました。私は、中国の方たちって、反日感情がものすごくあるっていうイメージがすごく強かったのですが、今日来ていた子たちも反論していましたけど、「そういう人もいるけど、(日本を)好きな人たちもいるから」と、そこ(誤解)に対して怒っているのがうれしかったです。実際にその国の人たちに会ってお話を聞くと、互いの国に対する印象とか温度感っていうのは、報道で伝わってくるものだけでは伝わり切らないところがあると実感しました>(2018年7月7日付「NewsWalker」より)

番組では、全国の中高生122人にとった「日本にとって一番危険な国は?」とのアンケートで、中国40.2%、アメリカ38.5%、ロシア19.7%との結果が出たことを受けて討論がなされた。

その結果に対し、中国の学生は<日本と中国どっちも好きなので、仲良くしてほしいです><地理的に日本は中国の隣にあって、歴史的にもいろいろ関わっているじゃないですか。やっぱり、世界と関わっていくうえで、一番近い国と『危険だ』と外交を遮断していたら、もうその時点で終了じゃないですか>と、日中両国が友好な関係を築くことへの希望を述べる。

しかし、日本人学生から出た意見は、<私や私の周囲の人の認識だと、中国は日本に対して反日的な思想をもっていて、日本とあまり仲良くしたくないのかなとか。中国は近いので怖いなと思っていますね>という、それとは真逆のものだった。

これに対し、中国側の学生はこのように答える。

<反日の人たちもいるんですけど、普通に日本と仲良くしたい人もいて、半分半分なんで、反日の人だけ見て批判されるのは、あんまり嬉しくない>

先に引いた加藤綾子の発言にもある通り、「中国人は反日感情をもっている」というのは、中国の事情に明るくない人が抱いてしまいがちなイメージである。中国に住む人が日本を嫌っているという明確な論拠はないが、なんとなくの印象だけでそのような考えをもち、やがてそれは「差別」に変わっていく。

その根底にあるのは「無知」である。そうであるならば、解決策は簡単だ。知る努力をすればいいし、教える努力をすればいい。それだけで、国際交流や世界平和への道は大きく開けていく。番組の最後で池上彰はこのように語っている。

<自分の国のこと“だけ”を考えていると、やっぱり世界はギクシャクしてしまうんじゃないかと思うんですよね。そして、こうやって若い人たちが交流することによって、それぞれの友情っていうのを築いてくれると。彼らがやがてそれぞれの国でリーダーになりますから、そういうリーダーが次々に生まれてくると、世界は変わってくるのかな。そういう教育ってどうあるべきなのかってことも含めて、考えてみたいですね>

これは加藤綾子の心にも強い印象を残したようで、前掲「NewsWalker」でも、<池上さんが収録の最後におっしゃっていましたけど、「相手の国はどこが良くて、自分たちの国と比べてどこがどう違うんだ」という新たな視点が生まれる事のは、すごくいいなって思いました>と語っている。

本当は海外に出て各々の国に住む人と交流するのが一番だが、それが難しければ、映画や音楽などの文化を触れるのでも良い、とにかく相手について「知る」ことは、差別の解消や国際親善にあたっての大きな一歩となる。この日の番組が伝えたことは、地味で当たり前のことのようにも思えるが、実は本質的なことだったのではないだろうか。

(倉野尾 実)

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