安倍首相の態度に被爆者団体代表が「毎年一緒で心がこもってない」と激怒! 長崎でもコピペと被爆者無視

リテラ

2018/8/11 07:31


 本サイトでは先日、広島の平和記念式典での安倍首相の冷淡で不誠実な対応、被爆者団体を利用する詐欺的姿勢を批判する記事を配信したが、昨日の長崎市の平和祈念式典でもやっぱり同じ酷い対応をさらけだした。

なにせ、6日の広島での式典と同様、核兵器禁止条約にはまったく触れないまま、「近年、核軍縮の進め方について、各国の考え方の違いが顕在化しております」「我が国は、非核三原則を堅持しつつ、粘り強く双方の橋渡しに努め、国際社会の取組を主導していく決意です」などと言い訳を重ねたのはもちろん、そもそも、スピーチ自体が、ほとんど広島での式典と同じ文言で、手抜きとしか言いようがないシロモノだったからだ

とくに最後の「結びに、永遠の平和が祈られ続けている、ここ長崎市において『核兵器のない世界』と恒久平和の実現に向けて力を尽くすことをお誓い申し上げるとともに、原子爆弾の犠牲となられた方々のご冥福と、ご遺族、被爆者の皆様、並びに、参列者、長崎市民の皆様のご平安を祈念いたしまして、私の挨拶といたします」と語った部分は、広島でのスピーチから「広島」を「長崎」に変えただけ。完全に"コピペ"だった。

実際、安倍首相のヤル気のなさ、不誠実さは、被爆者にも完全に見抜かれていた。

式典の後、安倍首相は長崎の被爆者5団体と面会したが、長崎原爆被災者協議会の田中重光会長は「毎年答えは一緒で心がこもっていない。唯一の戦争被爆国である日本しかできないことは、核兵器廃絶の先頭に立つことではないのか」と批判し、長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会の川野浩一議長は「核保有国と非核保有国の間を取り持つと言うが、対米追従だけで言ってることとやってることが全然違う。ゼロ回答に等しい」と述べたという(毎日新聞より)。

また、最近、政権に批判的な話題をほとんど扱わなくなってしまった『報道ステーション』(テレビ朝日)だが、昨日の放送では、安倍首相が被爆者団体側の最低限の要望を踏みにじっていた事実を報道した。

今年、被爆者団体側から安倍首相に手渡した要望書には、急遽、手書きで「総理大臣は、あいさつの中で核兵器禁止条約に一言もふれていませんが、その真意をまとめの発言で述べていただけないでしょうか」と書き加えられた。しかし、安倍首相はそれでも、最後まで核禁止条約に触れない理由を一切答えなかったのだという。

田中会長は『報道ステーション』の取材に「被爆地域に来て、そして被爆者が一番多いところで、被爆者の願いは核兵器をなくすこと、そのことに触れないというのは、どんなつもりで来ているのか、どんな気持ちで来ているのか」「唯一の被爆国と言うのだったら先頭に立つべき、そうじゃなかったら言いなさんな、唯一の被爆国なんて」と語り、15歳で被爆した中島正徳さんは「ようするに適当に答えとけと。はっきりいえば毎年、基本的に似たようなことを言っている。まったく前進させようという気がない」と述べ、安倍首相の誠意のなさを指摘していた。

安倍首相は、集団的自衛権行使容認を閣議決定した2014年にも、8月9日の被爆者団体との面会で、川野議長が戦後日本の平和を脅かす懸念から「集団的自衛権については納得していませんから」と語ったのに対し、「見解の相違ですね」と一蹴。昨年には、川野議長が要望書を手渡す際に「あなたはどこの国の総理ですか」「ようやく核禁止条約ができた。私たちは心から喜んでいます。私たちをあなたは見捨てるのですか」と質したが、安倍首相は事実上無視を決め込んでいた。

●国連トップのグテレス事務総長とはあまりに対照的な安倍の態度

まるで被爆者を敵視しているとしか思えないほどの振る舞いだが、その一方で、長崎の式典には、初めて国連のトップが出席。アントニオ・グテレス国連総長はスピーチのなかで、安倍首相とは対照的に、はっきりと核禁止条約に言及。昨年には、冷戦終結以降で、もっとも巨額の金額が核兵器の近代化に注ぎ込まれた一方、核軍縮が失速しているとしたうえで、「多くの国が、昨年、核兵器禁止条約を採択したことで、これに対する不満を示しました」と述べ、「私たちみんなで、この長崎を核兵器による惨害で苦しんだ地球最後の場所にするよう決意しましょう」と訴えたのだ。グテレス事務総長は、前日の8日にも被爆者団体代表らと面会し、「同じ悲劇が二度と起きてはいけない。私も皆さんと一緒に世界に声を大にして伝えていきたい」と語っていた。

被爆者に寄り添い、核軍縮に向けて具体的なリーダーシップを発揮する国連トップと、唯一の戦争被爆国の首相のあまりに対照的な態度。なぜ、ここまで安倍首相は核兵器を禁止する国際条約を認めようとしないのか。それは、たんに日本が米軍の核の傘に入り、現政権がその米国にべったりだから、というだけではない。

本サイトでは何度かお伝えしてきたことだが、実は安倍首相は、官房副長官時代の2002年、早稲田大学で開かれた田原総一朗氏との対話のなかで「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね」と語っている(「サンデー毎日」02年6月2日号/毎日新聞出版)。また、2006年には「核兵器であっても、自衛のための必要最小限度にとどまれば、保有は必ずしも憲法の禁止するところではない」と答弁書に記すなど、もとより積極的な核武装論者なのだ。

第二次政権以降はその核保有への欲望をむき出しにすることは控えるようになったが、それでも本質は少しも変わっていない。事実、今年2月にトランプ米政権が小型核の開発を含む新たな核政策指針を発表したことに対し、安倍政権は「高く評価する」との外務大臣談話を出している。

一方、昨年には核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)がノーベル平和賞を受賞したが、安倍首相はいまだにICANとの面会やお祝いの電話すら入れていない。

もはや騙される人はほとんどいないだろうが、安倍首相に国際社会の核軍縮を進める気など一切なく、むしろ、核兵器を所有したい、米国にももっと核兵器開発をしてもらいたい、というのが本音なのだ。

「唯一の戦争被爆国として『核兵器のない世界』の実現に向けて、粘り強く努力を重ねていくこと。それは我が国の使命です」

安倍首相は長崎でそう嘯いたが、ならば、そんな使命感などつゆほどもない総理大臣には一刻も早く退場してもらわなければならないだろう。
(編集部)

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