アカデミー賞に「人気作品」部門の創設を発表するも物議も醸す。何が変わるのか?

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Image: enchanted_fairy / Shutterstock.com

本当の目的は…?

長い伝統を持つアメリカ最高の映画賞「アカデミー賞」に新たに、優れた人気作に賞を与える部門が創設されると発表が行なわれ、The Hollywood Reporterなどの各映画メディアが一斉に報じました。

発表では「優れた業績を上げた人気の映画のための新部門(a new category for outstanding achievement in popular film)」とされており、一体どんな映画がノミネートを受けられるのかといった条件はおろか、正式な部門名もまだ不明です。

人気作品が受賞しないアカデミー賞、視聴率も低迷


しかし、近年のアメコミヒーロー映画などを筆頭に、作品賞や脚本賞などを取ってもおかしくない全体的に質の高いブロックバスター映画が作られているにもかかわらず、その手の作品は視覚効果などの賞は撮ることはあるものの、明らかにアカデミー賞からは嫌われている感じがあり、映画ファンからは批判も少なくありませんでした。

お気に入りの作品が受賞しないとあっては、賞への関心も薄まるばかりであり、実は前回のアカデミー賞の授賞式のテレビ中継は史上最低の視聴率を記録しました。

もちろん他の要因(そもそもTVを見なくなり始めてるとか)もあるはずですが、アカデミー側は事態を重く見ているようで、今まで完全生中継だったアカデミー賞を次回から編集などをして3時間番組にするといったことを合わせて発表しています。

人気作品に「作品賞」を与えないための対策?


とにかくみんなが大好きな映画が受賞できてプラスなことばかり……ということでもなく、これは明らかに今年いろいろな方面で高い評価を得た『ブラックパンサー』といった人気作に、最重要部門である「作品賞」を与えず、別の「人気作品」部門賞を与えるための対策なのではないかという厳しい意見が、映画ファンやメディア、ファンに加え、映画監督や俳優などからも出ています。

個人的には、こういう部門ができたからと言って大作映画の軽視を続けてきた投票権を持つアカデミー会員(その大部分が映画関係者)がいきなり気が変わって大作映画を評価するようになるなんてことはない気もするので、「まぁこれで我慢しといてよ」と言われている気がしなくもありません。

とにかくまだ具体的な部門の情報が出ていないので今後を見てから判断したいところではありますが、個人的には、そんなことよりも先にアクション関連の部門をちゃんと用意して欲しいという思いがあります。

大作映画を筆頭にアクションシーンは映画に欠かせない大事な要素といっても過言ではなく、(時に自らの顔を隠し、俳優の代わりに)体を張っていい作品を作ることに貢献しているスタント・パーソンが賞をもらえる部門や、カッコいいアクションを考え出すアクション監督(アクション・コーディネーター、コリオグラフファー等)が賞をもらえる部門が今までないのおかしくないでしょうか?

とにかくアカデミー賞が映画業界で(プロモーション的な役割も含めて)かなり大きな重みを持っていることは間違いないので、映画業界全体でより大きなプラスになるような進化を重ねていくことに期待しています。

Source: The Hollywood Reporter(1, 2), Variety

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