NMB48山本彩に学ぶ「理想の上司像」圧倒的な優しさでグループをまとめ続けた覚悟と決意

EXweb

2018/8/10 20:00



NMB48山本彩が7月30日、東京・中野サンプラザホールで行われた全国ツアー「NMB48 LIVE TOUR 2018 in Summer」の初日公演でグループからの卒業を発表した。

1期生でエース兼キャプテンとして仲間たちを支えてきた山本。歌ってよし、踊ってよし、ギターも弾けて、笑いも取れて、ファン対応も最高の“完璧超人”ぶりを発揮して、2016年にはシンガーソングライターとしてソロデビューを果たした。その一方で、BL(ボーイズ・ラブ)好きでNMB48以外の現場では“借猫(借りてきた猫)”状態になることもあるなど、意外な一面も披露。だが、それは自分の世界を大切にしつつ、周囲に配慮して空気を読む誠実さが現出したものだった。

多面的な魅力を放ち、特にNMB48の仲間には親身になって相談に乗り、数々のエールを送ってきた彼女。その歩みを見ると彼女の最大の魅力は仲間に、そして仕事に真摯に向き合う“優しさ”にあったのではないだろうか。“理想の上司”のように、それぞれの気持ちに寄り添い、山本が取ってきた行動を振り返りつつ、“人間・山本彩”の心奥を探ってみたい。

■努力とは何なのか? グループの危機に自らの“報われなかった過去”を初告白

NMB48の1期生は2010年に26人がお披露目された。だが、制度上、チームNに加入できたのは16人。さらに1、2期生からチームMが選ばれるが、それでも1期生から3人はチームに昇格できなかった。

そんな1期生の一人であった当時のメンバーがGoogle+で「NMBに入って普通ではできない体験がいっぱいできました」と感謝しつつも、「『努力は必ず報われる』って憧れている高橋さんが言ってたけど私はそうは思ってません」と卒業を宣言。NMB48を含めたAKB48グループ総監督・高橋みなみのモットーを引用した点に、ネット上ではさまざまな議論が起きた。

そこで山本はGoogle+で「この先、もう話す事も無いと思うので少しだけ話します」と自分の過去を明かした。かつてバンド活動でデビューしていたことに初めて触れ、「ライヴをしてもお客さんが2人という日もありました」と告白。さらに“1週間で10曲作る”という過酷なノルマを課されたことまで本音を吐露。続けて「みんな居なきゃ困るんです。後輩たちの面倒もすごくよく見てくれてる」と昇格できなかった3人に惜しみない感謝を語った。

その話に卒業を決めたメンバーは「高橋さんの『努力は必ず報われる』。この言葉の続きを忘れていました。すいません」と陳謝。高橋の発言の続きで、より重要な「人生を持って証明する」という言葉を大切さを再確認して、自らの夢を明かし、納得した様子だった。

“努力のあり方”というグループの今後を揺るがす事態に、山本は自らの秘められた過去を初めて吐露して、救ったのだった。覚悟を決めて、事態を円満に解決する山本の懐の深さを当時から発揮していた。

■「いつでも話を聞く」と心を開いて、惜しみないエールを

2期生では城恵理子がNMB48のシングルだけでなく、2012年にAKB48の『真夏のSounds good!』の選抜に入るなど大抜擢された。だが、同年、彼女は一旦学業専念のため卒業を選んだが、翌年に特別オーディションでグループに復帰。そして、2014年に一度、かつて所属したチームMへの再昇格が発表されるが、自ら辞退して、研究生公演を大いに盛り上げて、ついに2015年にチームNに加入した。

自らの“義”を貫き、一本気な生き様を見せた城の17歳の誕生日に山本は手紙でエールを送った。

「城は城のペースで自分を磨けばいい。城の屈託のない笑顔が好きやから、好きなことをやっている瞬間瞬間を楽しんでいて欲しいし、話もいつでも聞くから何かあったらいつでも彩にLINEしてください。Girls be Ambitious! 少女よ大志を抱け。彩より」

彼女の武器である笑顔を絶賛しつつ、「いつでも話を聞く」と最大限の優しさを明かしてエールを送ったのだった。

■光あれば影がある……だが、その苦悩も“実体験”を交えて激励

2012年にお披露目された3期生は同期のみでチームBIIを結成。だが、最後発のチームで知名度不足を打開するべく、メンバー発信で『だまされたと思って食べてみて計画』と題して、各地でメンバー自らチラシをまくなど地道にチームをアピールした。そんな団結を応援するファンにより、“楽曲総選挙”「NMB48リクエストアワーセットリストベスト50 2014」では、チームBII初のオリジナル曲『アーモンドクロワッサン計画』が第1位を獲得した。

そんな中でもやはり、光あれば影があるように、チーム内で目立つ存在とそうではないメンバーが生まれてしまう。その一人であった河野早紀にドキュメンタリー番組『テレメンタリー2013』(ANN系)のカメラが密着。

「ファンの人に『もっとアピールしたほうがいいよ』って言われるんです。でも、全然ステージで目が合わないんです」と嘆く河野に山本はこうエールを送った。

「目合わへんなぁって思うときもあるけど、その目線を取りに行く。前に出たときは、前のファンは近くにいる人見るやん。だからその時チャンスやと思うし。目線を奪いに行ったら、『あ、あの子積極的!』って。私も目が合わんときもある。その時は、私も目が合う人を探す」

自らの“実体験”を交えて、河野を励ました山本。“完璧超人”の山本でさえ、ファンと目が合わない経験があることを自ら明かして、積極さの大切さをアドバイスした。

こうして山本はすべてのメンバー一人一人に、誠実に向き合い、数々のエールを送ってきた。後に河野は関西大学社会学部を卒業して、山本から教わった積極さを大切に、大好きなラジオに携わるべく、大手ラジオ局に就職。アイドルの経験を活かして、卒業したメンバーはそれぞれの夢を見つけて、多方面で活躍している。

■NMB48の“大激変”を経て、それでも仲間に寄り添い“希望の種”をまく

2016年後半から2017年前半の1年間はNMB48、そして山本にとって“大激変”が起きた1年だった。山本自身はソロデビューアルバム『Rainbow』発売し、Zepp Namba公演などでコンサートも開催。さらに年末の『第67回NHK紅白歌合戦』「夢の紅白選抜」ではAKB48グループから1位に輝くなど、吉報に沸いた。

また、シングル「僕以外の誰か」には、期待の5期生・山本彩加が選抜入りし、注目を集めた。

その一方で、同期で“最大の仲間で最大のライバル”ともいえる渡辺美優紀が卒業。さらに同期の盟友・岸野里香、上西恵、木下春奈、山口夕輝らもグループを巣立っていった。また、NMB48の未来を託された一人である薮下柊もグループを離れることを決断。加えて、「第9回選抜総選挙」では山本が親身になって相談に乗ってきた須藤凜々花がまさかの結婚発表を行い、卒業した。

山本個人としては大充実だが、グループを牽引する身としては、数々の葛藤を抱えたことは想像に難くない。それでも彼女は仲間たちに心を砕き、エールを送ってきた。

そんな中、2018年1月に期待の若手の一人・太田夢莉が体調不良による一時休養を発表。山本はSHOWROOMで「ずっと(太田と)一緒に悩んでた。ギリギリまでどうしようかと言ってた。心配かけちゃうなとか」と太田の相談に乗り、何度となく話し合ったことを告白。「自分の中で、やりきれないところがあるなら立ち止まることも必要。歩くペースは人それぞれだから」と山本は太田の気持ちに寄り添って、休養を勧めた様子。太田の休養を「これから活動を続けたいからこそ」とファンに向けての対外的説明も行った。

仲間の気持ちに寄り添って相談に乗って“希望の種”をまき、山本ならではの周囲への配慮と感謝を欠かさないスタンスをここでも明確に披露した。

■自分から動き周囲を変える山本彩……まさにそれは理想の上司

山本にとって同期の1期生は山本含め3人だけとなった。白間美瑠は数々の雑誌グラビアで表紙を飾り、『ワロタピーポー』でセンターを飾るなど多方面で活躍。吉田朱里はYoutuberとして“女子力動画”を投稿して、60万人ものチャンネル登録者を有するまでになった。

そんな吉田は『NMB48のTEPPENラジオ』(MBSラジオ)で山本について「(ライブ前に)私らはレッスン場に行って覚えようっていう感覚やのに、さや姉は振付を全部自分で起こしてくる。さや姉のいつも“自分で何とかしな!”って姿がホンマにすごい! めちゃくちゃストイックやと思う」と絶賛。

また、コンサートではパフォーマンスはもちろん、常に全体の進行の流れを考え、MCの仕切りもしつつ、曲によってはギター演奏も行う多忙な山本。その姿を吉田は「この人頭ん中、どうなってんのかなって」とジョークも交えつつ、敬意を評した。

常に山本は「自分がやるしかない!」と自ら率先して動き、周囲をやる気にさせて、仲間たちを励ましてきた。「自分から動くことで仲間を変える」。まさに理想の上司像のように周囲を支えてきた。

仲間たちの心情に寄り添い、ファンやスタッフ、周囲への配慮を欠かない姿勢で感謝を捧げてきた彼女の最大の魅力は、そのハートの熱さ、そして、人を思いやる優しさにあったのだ。

そんな彼女のデビューアルバム『Rainbow』収録の自身作詞・作曲『心の盾』では、自らの生き様、信条を自ら歌ったかのように、本音を吐露。

誰かを傷つける剣を振りかざすのではなく、自分や仲間を守る“盾”の大切さを訴えるメッセージソングとなっている。

まさに彼女の生き様はさまざまな“矛盾”と向き合い、それを自ら動くことで解決してきた道のりだったはず。そうして、人生を通して感じた、すべての葛藤も、苦悩も、絶望も、希望もすべてを音楽に消化して、山本彩は彼女にしか奏でられないメロディと歌詞を生み出してくれるはず。

そして山本の卒業という一大転換期を経て、さらに進化するNMB48に期待したい。

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