浦島坂田船、“この4人だからこそ”実現できた夢の武道館ワンマンをレポート

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2018/8/10 19:45

浦島坂田船 5th Anniversary ~熱▽CHU▽宙▽俺SUMMERと、宇CHU▽旅行▽~
2018.7.31 日本武道館


この暑い夏を、より熱くしてくれるようなハイパートリップを今宵アテンドしてくれたのは、我らが浦島坂田船だった。
始動から5周年を迎え、先だって7月には遂に最新アルバム『V-enus』で堂々のオリコン1位を獲得した彼らにとって、今回の武道館公演2デイズはまさに大きな節目となったわけだが、それでいてそのライブタイトルは実に浦島坂田船ならではの遊び心が活かされたものとなっていた点が、印象的であったといえる。名付けて、『浦島坂田船 5th Anniversary ~熱▽CHU▽宙▽俺SUMMERと、宇CHU▽旅行▽~』。
浦島坂田船
浦島坂田船

もちろん、そうした遊び心はライブそのものにおいても随所に反映されており、たとえば開演前の諸注意アナウンスを行う陰アナとして1日目は松岡禎丞、2日目は梶裕貴と、アルバム『V-enus』の特典ボイスドラマCDに参加していた声優陣が起用されていたほか、オープニング映像では、浦島坂田船の4人が人類にとっての新天地・金星に送り込まれるミッション遂行員として選出されていく、というショートドラマが展開されることに。
しかも、この夜の武道館内に設営されていたステージセットは円形宇宙船かのごときスペイシーなデザインとなっていたため、アリーナの客席はその周りをぐるりと取り囲むようなかたちで配置されており、ひいては2階席・3階席も360度全方位開放という大スケール感でのライブが行われたのである。
うらたぬき
うらたぬき
となりの坂田。
となりの坂田。

そんな中、この夜の1曲目として浦島坂田船の4人が歌い始めたのはアルバム『V-enus』の冒頭を飾る曲ともなっていた「Starry Cruise」にほかならない。宇宙へと向けた旅が、ここから始まったわけだ。
「武道館のみなさん、こんにちはー!じゃあ、まずはいつものいっときますか。僕たちが……浦!」(うらたぬき)
「島!」(志麻)
「坂田!」(となりの坂田。)
「船でーーーーす!」(センラ)
今さらの説明は野暮になってしまうかもしれないが、この自己紹介のとおり浦島坂田船とは浦=うらたぬき、島=志麻、坂田=となりの坂田 。、船=センラの名を組み合わせた、4人が集っての活動の際に使われているグループ名となる。なお、浦島坂田船のファンには浦島坂田船の乗員ということで、クルーという総称がつけられていることも一応ここに付記しておこう。
志麻
志麻
センラ
センラ

そんなクルーたちからの大歓声を浴びながら、このライブでの4人は彼らの関係性を匂わせるような「最強ライバル」、武道館の大きな日本国旗のもとでこの曲が歌われたことにある種の感慨を感じた「千本桜 -guitar rock arrangement ver.-」などの、既におなじみな楽曲たちもあれこれと披露しつつ、途中にはこれまた浦島坂田船のワンマンにおいて恒例となりつつある、本人たちは一旦ハケてのバラエティ色の強いVTRコーナーも実施。
ちなみに、今回の企画は『2人羽織であっちっち!おでん対決』だ。内容はというと、そのままこのタイトルどおりのもので、ふたチームに分かれて互いに2人羽織で熱々おでんを食し、早く3種のネタを食べきったチームの方が勝ちというもの。
まずは志麻(羽織役後方)&坂田(食べる役フロント)チームがトライし、4分12秒で完食。その後、対するうらたぬき(羽織役後方)&センラ(食べる役フロント)チームが3分55秒で追い上げ勝利し、負けたチームは激苦漢方センブリ茶の罰ゲームをくらってしまう。熱そうなコンニャクに苦戦したり、2人羽織になっていない側のチームの悪ノリで、横から大量のカラシを皿に投入されて苦悶の表情を浮かべるメンバーたちの様子を見ながら、観衆たちが大喜びする様はなんともシュールであった(笑)。

だが、こうしてひとしきりの笑いを提供してくれたあとには、アルバム『V-enus』に収録されていた各人のソロ楽曲を集中してきっちりと聴かせてくれる一幕もあり、ここではうらたぬきが「Life goes on」、となりの坂田。が「スクールボーイ」、志麻が「spill」、センラが「Make a pass」をそれぞれの個性を打ち出しながら歌い上げ、普段は何かとおちゃらけた面も強く打ち出しがちな彼ら4人の、本来的な歌そのものを堪能することが出来た。
浦島坂田船
浦島坂田船

また、ライブ中盤にて聴けた「ユメミドリ」ではうらたぬき&となりの坂田。、そして「ギャラクシー」では志麻&センラによるそれぞれのツインボーカル曲も聴くことが出来、アルバム『V-enus』の世界をここでも追体験することが叶ったと言えよう。
ライブ後半戦に入る前には、再びのおでん対決映像が上映され、ここではセンラ(羽織役後方)&うらたぬき(食べる役フロント)、志麻(羽織役後方)&坂田(食べる役フロント)がガチバトルを繰り広げた結果、わずか8秒差で前者が勝利したのだった。ただ、闘いが後半にいくほど泥仕合的に4人がカラシでふざけすぎたため、最終判定としては4人全員がセンブリ茶の洗礼を受けてしまう、という顛末をみたのもバラエティの流れとしては王道にして完璧だったことになろうか。受け手の人々を徹底的に楽しませたい!という、熱きエンターテイメント魂をそこから感じた人は多かったに違いない。
うらたぬき
うらたぬき

志麻
志麻

当然のことながら、ここから本編フィナーレにかけても彼らのこの魂はさまざまな場面で発揮されることとなり、全7曲を集約させた長尺のメドレーや、ついつい感極まったのか志麻が少し声をつまらせながら歌っていた「Mermaid」など、浦島坂田船のボーカルグループとしての持ち味を我々は存分に感じとることが出来たのは間違いない。
「この2日間、本当にありがとうございました。皆さんもご存知かとは思うんですが、この4人って「何が凄いんですか?っていうところがあるじゃないですか。4人とも、別に何かがずば抜けて出来るとか、特別な才能を持っているとかでもなく、ただただ4人でワチャワチャしながらここまで来たというか。それなのに、こうして大勢の方々に囲んでいただいているというのは、とても出来過ぎた舞台を皆さんに用意していただいたんだな、という気持ちで今はもう胸がいっぱいです。ここにいるメンバーの皆をはじめとして、ファンの皆さんや、たくさんの人たちに支えられてここにいられるんだということに対して凄く感謝しています。これからもこの4人で活動していきたいと思っておりますので、どうか今後ともよろしくお願いします!」(センラ)

「以前、うらたさんと『ETA』でこの武道館には立たせてもらったんですが、その時に……いつかこの武道館で“こいつら”とこの景色を観たいなと思ったんですよ。いつかとは思っていましたが、まさか今その夢が叶うとは……身の丈に合ってないくらい素晴らしい舞台を用意していただいて、本当にありがとうございます!!僕はこれからも……出来る限り、“こいつら”といたいなって思います。だから僕は、ゴールを決めませんし行けるところまで行こうや!と思ってます」(となりの坂田。)

浦島坂田船
浦島坂田船

「本当に……僕らが今ここにいられるのは皆さんのおかげです。こんな素敵な夢のような光景が観られるというのは、僕の人生の中で考えもしなかったようなことです。我々としてはこの感謝の気持ちを、これからの活動で皆さんにお返ししていこうと思っていますので、これからも応援を宜しくお願いいたします!」(志麻)

「武道館とかねぇ。ニコニコ動画で活動を始めたときは、ここに立てる日がやって来るなんて思ってもみませんでした。皆さん、ありがとうございます!まーしー(志麻)、さっきは泣いてたけどさ。あらためてね。僕ら4人で何でしたっけ?」(うらたぬき)
「……浦島坂田船ですっ!!(泣)」(志麻)
「ということで、これからも僕ら4人を支えてください。宜しくお願いします!」(うらたぬき)

リーダーであるうらたぬきと、センラは涙こそ見せなかったが万感の想いを。一方、坂田と志麻は隠し切れぬ涙をみせながらの感謝と決意を。それぞれの言葉で述べたのち、彼らが本編最後で聴かせたまふまふの作詞・作曲による美旋律楽曲「年に一夜の恋模様」が、ことさら感動的に聴こえたのは至極自然な成り行きだったと言えるはず。

さらに、アンコールにて「SHOW MUST GO ON !!」や「shouter」を歌い終え、4人がハグしあうように円陣を組んだシーンからは、5年の歳月をかけて浦島坂田船がしてきた絆の存在を感じとることが出来た。
時に愉快に、時にシリアスに、時にハチャメチャな浦島坂田船の導くハイパートリップは、きっとこれからも続いてゆくのだろう。秋には夏ツアーのファイナルと、ハロウィンライブをともに行う千葉幕張メッセ幕張イベントホール・2デイズ公演も決定したとのこと。4人のアテンドする次なる未来は、もうすぐそこだ!

文=杉江由紀 撮影=小松陽祐(ODD JOB)、加藤千絵(CAPS)

未掲載カット含む全ライブ写真は【 こちら
浦島坂田船
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