あせもやアトピー悪化予防には「シャワー浴」が効果的!

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2018/8/10 17:45

夏の肌荒れやかゆみ、あせも、アトピー悪化などの予防には、こまめなシャワーで汗を流すのが効果的。汗が肌トラブルを引き起こす理由、シャワー浴のポイント、不感温浴や炭酸系入浴剤を利用して夏バテ予防も兼ねられる夏の正しい入浴法について解説します。

あせもやアトピー悪化など、肌トラブルが増加する夏

夏は紫外線による肌ダメージが気になる季節ですが、汗が原因の肌トラブルも増える時期です。特に肌荒れしていたり、アトピーやアレルギー体質だったりする場合、元々の症状が悪化しがち。アトピーのある人の約8割が、夏に症状が悪化するとも言われています。

特に汗のたまりやすい肘の内側や膝の裏などは、肌荒れ、かゆみ、発疹などが起こりやすい部位です。関節の内側は皮膚と皮膚が接触しやすく、汗ばむと汗も乾燥しにくいためでしょう。

一方で、なぜ体温を調節し、体調を守るために大切なはたらきを持つ「汗」が、皮膚に悪影響をもたらしてしまうのか、説明できる方は意外と少ないのではないでしょうか。

汗が原因で肌荒れやかゆみが起きる原因

汗は自分の皮膚から分泌されるものにもかかわらず、汗そのものが肌荒れを悪化させてしまうことがあります。これは以前から、医師の中では経験的には知られており、汗の何らかの成分が本人の皮膚にアレルギーを引き起こし、その結果として肌荒れが悪化するのだろうと考えられていました。一般の方でも、汗はそのままにするとあせもなどの原因になってよくないことは、経験的にご存じだと思います。

最近の研究では、ヒトの汗を詳細に分析したところ、普通に人の皮膚に広く付着しているある種のカビによって作り出されたタンパク質が含まれていることが明らかになってきました。このカビによってできたタンパク質が汗に溶け込んで体内に入ってしまうことでアレルギー反応が起き、結果として肌症状が悪化することも分かってきています。

つまり、汗が原因にも思える夏の肌荒れの悪化の背景には、汗だけでなく、皮膚に普段から潜んでいるカビも関係しているようだということが分かってきているのです。

夏のシャワーの正しい使い方……こまめに

夏の肌荒れ悪化の原因の一つが、汗や皮膚のカビによる「アレルギー」であるならば、その基本的な対応法は他のアレルギーと同じく、原因となるアレルゲン(アレルギーの原因物質)を除去し、触れないようにすることが一番です。

しかし、普段から皮膚にいるカビを完全に除去することは不可能ですし、夏にまったく汗をかかないようにすることも現実的ではないでしょう。現実的に対応できる有効な方法として挙げられるのがシャワーです。

これまでも、夏はこまめにシャワーで汗を流すことが肌のダメージ予防に重要だということは、経験的には知られていました。医療現場においても、シャワーをこまめに使うように勧めただけで症状が改善する患者さんがいたためです。暑い屋外から帰宅した時や、体を動かして汗をかいた時など、面倒がらずにこまめにすぐにシャワーをあびて汗を流すようにすることは、アレルギー症状に対する「アレルゲンの除去」に当たり、効果的です。

特に小さいお子さんはたくさん汗をかきますので、夏に肌荒れが悪化しやすくなります。幼稚園や保育所、学校から帰ったらまずはシャワーをざっと浴びるようにします。その都度石鹸を使う必要はありませんので、こまめにシャワーを浴びて汗を流すことが大切です。

夏におすすめのシャワーの浴び方…「手軽に、こまめに」

1日何度もシャワーを浴びるのは面倒に感じるかもしれませんが、肌荒れが悪化してしまうとかゆみなどの不快症状を我慢しなくてはいけなくなりますし、元の状態に落ち着かせるまでに手間も時間もかかります。予防が第一で、少し手間に感じても悪化させない工夫をすることがポイントです。

普段は基本的には湯船の入浴を勧めていますが、夏は毎回温まりすぎて汗をかいてしまうのを避けたい方も多いと思いますので、湯船よりもずっと手軽なシャワーもどんどん活用して、肌ダメージを事前に予防しましょう。

たまに水道水の塩素が気になるという方もいらっしゃいますが、基本的には普段のシャワーヘッドのままで構いません。もしどうしても気になるという方は、最近は塩素除去機能がついたシャワーヘッドなども市販されていますので、活用してみるのもよいかもしれません。

注意点としては、シャワーの場合でも湯温は42度以上にしないこと。アトピーを始め、かゆみがある場合、熱い湯を浴びることでかゆみの原因物質であるヒスタミンが作られることが分かっています。

夏バテ予防・疲労回復も兼ねられる夏の正しい入浴法

夏の肌トラブルの予防には、以上のようなこまめなシャワー浴をお勧めしますが、シャワーだけではどうしても疲れが溜まってきてしまいます。それでなくても「夏バテ」してしまう方も多い季節。蒸し暑い外気とクーラーの効いた室内での大きな温度差により、自律神経の乱れが原因での体調不良も起こりやすくなります。

こまめに汗を流すだけならシャワーで十分ですが、できれば1日1回は湯船を使った入浴がやはりお勧めです。

夏場のおすすめの入浴法は
● 37~38℃前後の、体温と同じ程度の不感温浴
● 炭酸系入浴剤の併用
● 20分間の全身浴

の3つがポイント。

「不感温浴」とは、体温と同じ温度での入浴方法です。最も体に負担のない入浴温度で、この温度が自律神経のうちの交感神経の興奮を抑えます。入浴による体温上昇も少なく、湯上がり後に汗だくになることもありません。

ここに炭酸系入浴剤を加えれば、ぬるい湯であっても炭酸の血管拡張作用によって、全身の血液の流れが良くなり、栄養分を血液が全身の細胞に運んでくれるので、より疲労を回復させてくれます。

毎日は無理でも、せめて週末だけでも湯船を使って入浴すると、疲れの取れ方が違います。普段のスキンケアにはシャワーを、夏バテを含めた疲れ予防、疲労回復には湯船を使った入浴をそれぞれ活用し、快適に猛暑を乗り切りましょう。
(文:早坂 信哉(温泉療法専門医))

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