「半分、青い。」111話「余計アホに見える」アホ前提で語られるヒロイン

エキレビ!

2018/8/9 08:30

連続テレビ小説「半分、青い。」(NHK 総合 月~土 朝8時~、BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~)
第19週「泣きたい!」第111回 8月8日(水)放送より。 
脚本:北川悦吏子 演出:橋爪紳一朗


『半分、青い。』 下  文春文庫 北川 悦吏子

111話はこんな話
出戻った鈴愛(永野芽郁)は仕事を探しはじめる。
一方、涼次(間宮祥太朗)は初監督作「恋花火」を完成する。

子どもは本物のおじいちゃんが好き
時間帯変更で大幅に下がった視聴率が110話では22.5%と回復した(ビデオリサーチ調べ 関東地区)。
あさ8時からの15分間は聖域だなと思う。

楡野家がにぎやか。
居候の健人(小関裕太)、近くでマンション暮らしの草太(上村海成)の妻・里子(咲坂実杏)、子ども大地(田中レイ)が出て来て、わいわい。
大地は仙吉(中村雅俊)になついている。こどもは昔話に出てくるような本物のおじいちゃんが好き、と晴(松雪泰子)は言う。けだし正論と思うが、中村雅俊は矍鑠としていて昔話に出てくるような本物のおじいちゃんぽくないと思うんだが・・・昔話に出てくる矍鑠としたおじいちゃん、ってことと解釈しておこう。
ちなみに、曾祖父ちゃんは「おーちゃん」と呼ばれている。

そんな中、鈴愛の居場所はない。
部屋は健人がアメリカナイズして(このワードが何回も出てくる)使っている。働き手は十分で、鈴愛が軽く手伝う必要もない。むしろ店が繁盛しているので、母子ふたり養ってもらえるかと思いきや、晴が「働かざるもの食うべからず」が家訓だと牽制してきた。

仕方なく就職先を探しはじめる鈴愛。
ただし、地元の顔西園寺家の“セレブ妻”菜生(奈緒)は、健人がマンションに引っ越す情報を知っていて、住むところは戻ってきて一安心。

鈴愛は仙吉の知り合いでかつて農協の就職を世話してくれた西村(岐阜県出身で岐阜のことばがリアルと評判の酒向芳)にお重をふたつももって就職を相談する。
農協辞めて何年も経っていてもうコネも効かなそう、案の定、無理だった。するとお重を一個取り下げる鈴愛。見返りを求めるさもしさ。でもこの気持ちはわからないでもない。
結局、高校時代、内定を断った件を蒸し返されてお重を戻す。110話のレビューで書いた“愚人譚”らしさが存分に発揮されたエピソードだ。
そのあとのまさこ(ふせえり)の「余計にアホに見える」という台詞も効いていた。

その頃、東京では
涼次から慰謝料や養育費はもらえないのかと思うと、駆け出しの監督だからスズメの涙。
万が一、映画がヒットしたら出世払いしてもらえばいいだろう。
その頃、東京では麦(麻生祐未)と元住吉(斎藤工)は野鳥仲間になっていた。
このふたりの関係はなんかいい感じ。野鳥仲間のままでもいいしつきあっちゃっていてもどっちでも良いと思う。
その流れで麦が元住吉から涼次の第一回監督作品の初号試写の案内をもらってくる。

鈴愛が楡野家でおまんじゅうを食べているのと、涼次がクールフラットで元住吉の買って来た大判焼き的なものを食べているのとで、対比になっていた。
涼次は食べながらカンちゃん(山崎莉里那)を思い出す。

地球という大きなおうち
カンちゃんは、パパとママと自分の三人の絵を描いていた(絵がうまいのはママゆずりってことなのか)。
仙吉が、パパと離れて寂しくないのかと心配すると、カンちゃんは「おうちはひとつです」「鳥たちは地球が家。自由に飛んでどこでもおうち」だから寂しくないのだとかしこげ。
“地球という大きなおうち”という概念は素敵だと思う。
「ええ子に育ってる」と仙吉がしみじみするが、このいい話は母・鈴愛でなく麦(麻生祐未)からもたらされたもの。とはいえ、地球がひとつのおうち、人類皆家族だから、誰にいい話を教わってもいいってことなんだろう。

ボクテとユーコもやって来た
「大人になったら会えないね~」「そんなつまんない大人にならないぞ~」とボクテ(志尊淳)とユーコ(清野菜名)が梟町に遊びにやって来た。
登場人物がいっぱいだった111話。みんなが助け合って生きていく。“地球という大きなおうち”の台詞が胸に響く。
(木俣冬)

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