下北沢インディ・シーンを席捲する新星ガールズバンド・Lucie,Tooが自主企画で示した姿勢

SPICE

2018/8/9 19:00

Lucie,Too presents 『Hi Lucie!!! vol.3』 2018.7.21 下北沢BASEMENT BAR


7月21日、Lucie,Tooの自主企画イベント『Lucie,Too presents 『Hi Lucie!!! vol.3』』が開催された。Lucie,TooはChisa(Gt & Vo)、かなこ(Ba & Cho)、シバハラナホ(Dr & Cho)による宇都宮発の3ピースバンド。メンバーはまだ20代前半で、本格的に始動したのは2016年末のこと。洋楽通をも唸らせるインディーポップ・サウンドと女子の恋心を描いた普遍的な歌詞とを掛け合わせた彼女たちの音楽はたちまち話題を集め、バンド初のMV「Lucky」は現時点で100万回再生を突破。今年4月に下北沢THREEでの自主企画はチケットがソールドアウトした。そしてこの日もまた、フロアは満員御礼状態である。

The Wisely Brothers  撮影=風間大洋
The Wisely Brothers 撮影=風間大洋

ゲストはThe Wisely Brothersとラッキーオールドサン (Band Set)。どちらもChisaがこのバンドを組む前から憧れていた存在だという。最初にステージに立ったのは、Lucie,Too同様3ピースのガールズバンドであるThe Wisely Brothersだった。意外にも初共演らしく、Haruko Madachi(Gt.Vo)、「Lucie,Tooという名前の由来を探りにきました」とはにかみながら挨拶。リズムやテンポをくるくると切り替え、その時々で表情を変えながら、3人の音色がゆるやかに混ざり合っていく様子はさながらオイルアートのよう。リラックスはしているけども一寸先の展開は予測不可能、みたいな不思議な空気感だった。

The Wisely Brothers  撮影=風間大洋
The Wisely Brothers 撮影=風間大洋

ラッキーオールドサン  撮影=風間大洋
ラッキーオールドサン 撮影=風間大洋

続くラッキーオールドサンは、最初の曲と最後の曲はをナナ(vo)と篠原良彰(vo,g)による2人編成で、それ以外はギター・ベース・ドラムを迎えたバンドセットで演奏。因みにこのメンバー、1stミニアルバムのリード曲「ミッドナイト・バス」収録時と同じメンバーらしく、6曲目には同曲が披露されたのだった。フォークやカントリーからの影響が色濃く感じられる温かみのあるサウンドでフロアを包み込んでくれたが、時折ちらつくUKロック的な要素もなかなか気になった。

ラッキーオールドサン  撮影=風間大洋
ラッキーオールドサン 撮影=風間大洋

Lucie,Too  撮影=風間大洋
Lucie,Too 撮影=風間大洋

そうして本日のホスト・Lucie,Tooのライブへ。「みなさん、『Hi Lucie!!! vol.3』へようこそ! Lucie,Too、始めます!」とChisaが挨拶し、演奏開始。軽快なリズムの「exlover」でスタートを切ると、ドラムのビートで曲間を繋げながら「Siesta」「幻の恋人」と続けていく。躍動感のあるベースラインはこちらの気持ちまで前に引っ張ってくれるような感じがしてとても頼もしい。「同じ話」の演奏中にはChisaがステージ前方に歩み寄り、フロアを笑顔で見渡す。歌声もとてもよく伸びている。

Lucie,Too  撮影=風間大洋
Lucie,Too 撮影=風間大洋

一度目のMCでは、Chisaがゲスト2組について話していた。曰く、ラッキーオールドサンのことは結構前から好きだったらしく、母親からも「絶対好きだよ、このバンド」と勧められたほどとのこと。The Wisely Brothersに関しては、「『絶対洋楽好きでしょ!』っていうのが音源からも伝わってくる」というふうにコメントしていた。そして「夢の中で恋におちる曲」と紹介した「小さなハート」で演奏再開。改めて聴くと、確かに、叫んだりしているわけでもないのに平然と浮き上がってくるChisaのボーカルにはナナと近しいものを感じるし、3人の自然体な佇まいはThe Wisely Brothersのそれと似たテンションである。

Lucie,Too  撮影=風間大洋
Lucie,Too 撮影=風間大洋

「今日サラッと企画やってサラッと終わると思ったら大間違いだよ」(Chisa)と、中盤には、7月25日に新曲「最後の日」を配信リリースすることを発表。同曲を早速披露した。地元のことを思いながら書いたというこの曲は、少ない音数のアンサンブルで日常の風景を描く、行間のあるミディアムバラードだ。演奏直前、Chisaは「Lucie,Tooはキラキラポップだけじゃないんだぞ、っていうのをこの曲で見せられたら」という話をしていたが、その時、「ここに来てくれている人は知っていると思うけど」と前置きしていたことも特筆しておきたい。さっぱりした性格の彼女は、自分たちのファンのことを時折「オジサン」などと呼んだりするが、それも愛情の裏返しというか、そういう物言いをしても誤解なく伝わることが分かっているからこそ、そうしているんだと思う。

Lucie,Too  撮影=風間大洋
Lucie,Too 撮影=風間大洋

Lucie,Too  撮影=風間大洋
Lucie,Too 撮影=風間大洋

そんな彼女による「歳取ったらオルタナクソババアになるだけですけど、目指すところはそこなので、これからもよろしくお願いします!」という名言のあと、「Lucky」、そして「キミに恋」というミニアルバム『LUCKY』冒頭を踏襲した流れで本編終了。再登場後のアンコールでは「Fairy Kiss」を披露したかと思いきや、さらにダブルアンコールとして「オレンジ」を鳴らしきり、堂々とステージを去ったのだった。

取材・文=蜂須賀ちなみ 撮影=風間大洋

Lucie,Too  撮影=風間大洋
Lucie,Too 撮影=風間大洋

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