スコティッシュ・ロックの雄、ビッグ・カントリーが34年ぶりの来日公演を開催 初日公演をレポート

Billboard JAPAN

2018/8/9 15:03



2018年8月8日、台風13号の接近による雲行きの怪しさもどこ吹く風、ゆったりとリラックス・ムードが漂うビルボードライブ東京の会場に、英国で数多のミュージシャンたちが尊敬の眼差しを向けるスコットランド発のロックバンド、ビッグ・カントリーが登場した。

彼らの来日公演は1984年以来、34年ぶり2度目のこと。解散から再結成までの空白期間を除いても30年近くにまでのぼるキャリアの中で、これまで日本のリスナーが彼らのパフォーマンスを体感することができたのは、彼らが2ndアルバムで初の全英1位を獲得したその年のみ。つまり、ビッグ・カントリーの歴史における激動の80年代と90年代のほとんどを、私たち日本のリスナーは、海を隔てた遠い地より見守るほかなかったのである。そんな悔恨の念と、ようやく実現した再来日に沸き上がる歓喜の想い、2つのアンビバレントな感情が渦巻く心中でこの日を迎えたファンも少なくはないだろう。

東京2日目公演と大阪公演がまだ残っているのでネタバレは控えるが、セットリストは1stアルバムから3rdアルバムまでの楽曲で構成される。順にUKチャート3位、1位、2位を獲得したアルバムだ。今回の公演そのものが十分プレミアムな体験であることは間違いないのだが、披露された楽曲も彼らの代名詞となるような名曲ばかりで、最初から最後までアドレナリンを絞られ続けるようなショーだった。と同時に、バグパイプを模したギターフレーズが土臭いフィーリングを漂わせるビッグ・カントリー・サウンドは、5人編成でより骨太・重厚にアップデートされていて、今なお挑戦し続けるバンドの前傾姿勢が感じられる。

バンドの創立メンバーであり、初代ヴォーカリストであり、メイン・コンポーザーだった故スチュアート・アダムソン、そしてスチュアートの後任として参加するも2013年に脱退したマイク・ピータースに続く、3代目のヴォーカリストであるサイモン・フォートの歌声は、スチュアートの特徴的な掠れ声とも、マイクのソウルフルなそれとも趣が異なり、男らしく艶のある低音がセクシーで、どこかロカビリー風でさえある。初期メンバーのブルースとその息子ジェイミーのワトソン親子のギター・コンビネーションもバッチリ。こちらも初期メンバーのマーク・ブレゼジッキーと共にリズム・セクションを支えるスコット・ウィトリーは、ベースのネックを上下に振ったり、足を開いては閉じたりと、プレイの様子が楽し気だ。決して順風満帆とはいかないキャリアだったかもしれないが、英国では現在も定期的にギグを行っているし、この日の彼らのパフォーマンスを見れば、彼らが決して過去のバンドなどではないということが分かったはず。ラストはもちろんあの代表曲も披露。足元の悪さを乗り越えてやって来たロイヤルなオーディエンスにとっても、忘れられない一夜となったはずだ。

ビッグ・カントリーは、本日8月9日にもビルボードライブ東京で、11日にはビルボードライブ大阪にて来日公演を開催する。今はなきスチュアート・アダムソンの意志を継ぎ、現在も精力的な活動を続けるレジェンドの力強いプレイを是非体感してほしい。

Photo: Yuma Totsuka

◎公演情報
【ビッグ・カントリー】
<ビルボードライブ東京>
2018年8月8日(水)※終了、9日(木)
開場 17:30/開演 19:00
開場 20:45/開演 21:30

<ビルボードライブ大阪>
2018年8月11日(土)
開場 15:30/開演 16:30
開場 18:30/開演 19:30

詳細:http://www.billboard-live.com/

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