元巨人・村田修一が引退に追い込まれた、報道されない意外な理由

日刊SPA!

2018/8/9 08:51



7月末をもってプロ野球の新規契約期間が終了し、横浜・巨人で活躍したスラッガー村田修一が事実上の引退に追い込まれた。

一昨年は、巨人で143試合に出場し、打率.302、本塁打25本、打点81と主軸として活躍。まだまだ一流の力と存在感がありながらの四面楚歌に、球界・ファンの間で波紋が広がっている。

なぜ、どの球団も村田と契約しなかったのか?

◆「素行不良」説は半ばデマ

メディアやファンの間で囁かれているのが、「素行不良説」だ。

「横浜時代、監督室でテレビを観ていた」、「村田軍団を形成してフロント批判をしていた」、「ベンチで『暇ー!』と声を上げて、あからさまに不満を示していた」

こんな噂話が一人歩きした結果、いつしか「村田=不良債権」というイメージが定着し、ファンの間では今回の一件は「身から出たサビ」という結論に達している。

ところが、である。チームメートを始めとして、村田本人を良く知る周辺人物に話を聞けば聞くほど、口を揃えて出てくるのは、素行不良とは程遠い「野球を愛するナイスガイ」という正反対の人物像。

つまり、そもそも素行不良というイメージ自体が噂話に尾ひれがついたデマであり、今回の引退の真相は別にあるというのだ。

◆真の理由は、球団経営のイメージ戦略?

球団経営に詳しいスポーツアナリストの小島克典氏(ベイスターズフロントOB)は、こう語る。

「横浜ベイスターズの親会社がDeNAに変わってから観客数・収益が急成長したように、近年、プロ野球の球団経営ではチーム編成とは別の問題として、マーケティングやイメージ戦略が重要視される傾向にあります。もともとプロ野球のコンテンツ力は絶大。そこにネットインフラとマーケティングやイメージ戦略を掛け合わせれば、ビジネスの可能性は無限に広がる。

こうした新たな方針からすると、村田選手のブランドである“男・村田”という泥臭いイメージは、高年俸を払ってまで獲得したいプラス要素にカウントされなかったのでしょう」

「男」「男気」といえば、覚醒剤所持で逮捕された清原和博氏ともかぶる。つまり、昭和感溢れる体育会系のイメージが、経営層から敬遠されたというのだ。

「20年以上プロ野球に関わっていますが、悪い話を聞いたことがないのは、引退した新庄剛志さんと村田選手くらい。選手はもちろん、裏方スタッフにも慕われており、口をついて出てくるのは野球の未来や仲間たちのことばかり。ただ、そのナイスガイっぷりがある意味古臭い存在感と影響力となり、現代的な経営を目指すフロントから疎まれたのは、皮肉としか言いようがありません」(小島氏)

男臭さがマイナスにカウントされる現代社会。これはプロ野球に限らず、どんな組織にも当てはまることだろう。現場で信頼される兄貴分も、経営層からすると煙たい存在となってしまう。

「ただ、ここまで来たからには、やはり村田選手には自分を貫き通して野球人生をまっとうして欲しい。2打席連続で空振り三振しても、自分のスイングを変えずに3打席目で豪快なホームランを打てるのが、バットマン・村田修一という選手。今シーズンは独立リーグでプレーを続けるとのことですが、最後まで往生際悪くバットを振り回す姿を、ファンや若い選手、子供たちに見せつけてもらいたいと思います」(小島氏)

経営戦略という時代の波に飲み込まれた「男・村田」。だが、その生き様を刻み込むのは、むしろこれからなのかも知れない。〈日刊SPA!取材班〉

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