主演男優賞は田中圭! 続編の鍵は貴島Pのゴーサインと『好きになった気持ちのその先』【ドラマアカデミー賞】

おっさんずラブ」(テレビ朝日系)で主人公・春田創一を演じた田中圭が、2018年春クールのドラマを対象にした「週刊ザテレビジョン 第97回ドラマアカデミー賞」で主演男優賞を受賞した。

突然、上司と後輩から告白され、戸惑いながらも次第に2人の思いに向き合っていく姿に「巻き込まれキャラをやらせたら天下一」「優柔不断で頼りないダメ男を愛らしく演じていた」と“ハマり役”との声が多数。そんな田中に、本作の反響や待望されている続編について聞いた。

――「おっさんずラブ」で初めて最優秀主演男優賞を受賞されました。感想をお聞かせください。

素直にすごくうれしいですし、「これからもっともっと頑張らないといけないな」と背筋が伸びる思いです。純粋に、春田創一というオリジナルのキャラクターを僕にやらせてくれた制作チームに感謝しています。僕の受賞はもちろんうれしいけれど、作品賞を「おっさんずラブ」が獲ったということがなにより一番。「このドラマがだめだったらオレは何をやっても獲れないな」と思っていたところも正直あるので、素直に良かったという気持ち。チームのみんなには「みんなお疲れ。ありがとう」と言いたいです。

――2016年に同名の単発版が放送され、その好評を受けての連続ドラマ化。田中さんは連ドラ化に当たって脚本にリクエストをしたり、共演者とコミュニケーションをはかったりして、積極的に動かれたそうですね。

単発ドラマありきとはいえ、単発と連ドラでは全く別の作品として捉えています。でも、単発がないと、今回の連ドラは絶対にありえなかったから、説明が難しい(笑)。僕としては民放キー局(全国ネット)の連ドラで主演するのは初めてだったし、悔いのないようにやりたかった。僕自身、ドラマがすごく好きなので、この作品を通してオリジナルの面白さや芝居が本来持っている力を伝えたいという気持ちでした。単発版に引き続き演出をしてくれた瑠東(東一郎)監督ともクランクイン前から、「4月はぶちかましてやりましょうね」と話していましたし、僕自身、「おっさんずラブ」のために、他の出演のオファーを断ったくらい、この作品に賭けていました。

――いざ連続ドラマがスタートし、第1話の視聴率が期待ほど高くはなかったときも、田中さんはブレなかったそうですね。

僕自身、視聴率にはあまりこだわってやっていないので。「おっさんずラブ」は第1話を見て面白かったし、「これは絶対に化ける」と思えたので、何の不安もなかったです。普段あまり感想を言ってくれないような友達や先輩が急に電話してきて「面白い!」と言ってくれて、僕が信頼していつも意見を聞いている人たちも「めちゃくちゃ面白いじゃん」って言ってくれたので、「(視聴率が低いことで)どんなに叩かれてもいいや。やりたいようにやろう」と心に決めましたね。そして、回を重ねるごとに、放送を見てくれる人が増えていったのがうれしかったです。

――Twitterの公式アカウントがフォロワー数20万人を超え、Instagramの“裏アカウント”「武蔵の部屋」は50万人(最大時)を超えました。田中さんはどのあたりで作品のブレイクを実感しましたか?

第3話、第4話ぐらいで「大反響ですね」と言われるようになりました。取材の件数もどっと増えましたね。「でも、純愛ドラマとしての本章って第5話から第7話なんだけどなぁ」と逆に不安に…。コミカルなシーンの多い第4話までは壮大な前振りと思っていたので、「第5話から急にコケるんじゃないか」とドキドキしていました(笑)。反響が大きいと聞くと、期待されている以上、それを裏切りたくないという思いが現場にも強くありました。それはすごく貴重な体験でした。

――第5話で春田と牧(林遣都)が付き合うことになり、第6話では2人が別れてしまうという切ない展開で、さらにそのあと春田が部長と同棲するという急展開は、視聴者を驚かせました。

そこが狙い通り過ぎて、その1週間はエゴサーチしていました(笑)。そのまま部長と結ばれると思っている人が予想より多くて、驚きでした。部長がヒロインと置かれていることやキャラ設定を考えて、そう混乱してしまうのかもしれないけれど、ストーリーを素直に見ていると、絶対に牧とのハッピーエンドだと思えるはずなんだけど…。僕は、春田は第1話で出会ったときから牧のことを好きだったと思っていたので、最終話の台本を読む前からそこは疑っていませんでした。今、思い返しても、あの1週間はものすごく面白かった。みなさんに早く第7話(最終話)を見てほしいと思いました。

――第7話、春田から牧へのプロポーズは感動的でした。これまでずっと流されるままだった春田でしたが、最後に成長したのでしょうか?

春田は基本みんなのことが好きなんです。部長も牧もちず(内田理央)も、麻呂(金子大地)も武川さん(眞島秀和)も、マイマイ(伊藤修子)も鉄平兄(児嶋一哉)も全員が好き。そんなたくさんの好きと向き合ったり、好きって気持ちを人からもらったりして、相手と向き合っていくドラマだったと思います。ただ、最後に、「いっぱい牧が好き」と気付いた。そういう不確かな好きを確かなものに変えようとして、その気持ちから逃げないと決めたところは成長なのかな。正直、そんなには成長していない気もするけれど(笑)。本当に人が人を好きになること。それだけに特化したドラマという気が僕はしています。

――貴島彩理Pはじめ皆さんBL(ボーイズラブ)だと思って作っていないとおっしゃっていましたが、BLファンのニーズに結果的に応えつつ、一方でLGBTの人も不快にさせない、非常にバランスの取れた描き方だったと思います。

僕も最後までBLだという意識はなかったです。その一方で、デリケートな部分は大事にしないといけないなとも思っていました。男同士の恋という設定について、(吉田)鋼太郎さんと(林)遣都を始めキャストは誰も偏見を持っていなかったし、スタッフももちろんそうでした。たとえば、第2話で牧に好きだと言われた春田が「裏切られた気分だわ!」とキレる。その後、公園で牧を見つけたときに「さっきはごめん」と謝りますが、あれは台本にはなかったセリフ。でも、あの場面で春田として(男性を恋愛対象とする)牧に謝っておきたいと思って、その場で変えさせてもらったんです。監督との信頼関係があるからできたことですね。

――そういった俳優と監督のやり取りといい、キャストがアドリブも交えて自由にお芝居している感じといい、まるでセッション(即興の演奏)をしていたような現場だったんですね。

まさにセッションでした。それがすごく楽しかった。他のドラマではアドリブで役をふくらませてもカットされてしまうことも多いですが、「おっさんずラブ」チームはいい意味でアホというか(笑)。かなり大げさに言えば、僕が台本にないことを10個やって、それを全部入れたら台本にあることが全部なくなっちゃうんじゃ!?という場面でも、「まあやってみよう」と受け入れてくれる監督たちで。とにかくまた、このキャスト・スタッフでドラマを作りたいという気持ちが強いです。

――実際に「おっさんずラブ」の続編を、と期待する声は多いですが、田中さんご自身は続編をやりたいですか?

今回は人が人を好きになることを純粋に描いたけれど、最終回の後の世界を考えると、“好きになった気持ちのその先”の部分をどこまで描けるのか…。続編にもいろいろなパターンがあるけれど、僕はそこから逃げちゃいけないと思います。第7話のラストシーンでは僕と遣都で相談し、「春田は牧を好きになった上ですべてを受け入れ、きちんと愛していく」という形を、最後までやりきったつもり。だから、さらにこの先をと言われると、どうしようという気持ちも…(笑)。

あとは、「続編でこれをやりたい」と貴島(彩理)Pが新たなテーマを発見できるかどうか。彼女がゴーサインを出せば、確実に僕らはついていくと思います。

主演女優賞・長澤まさみさんの受賞インタビューは昼12時に公開予定。また、助演男優賞・吉田鋼太郎さんの受賞インタビューは8月10日(金)朝7時に公開予定。(ザテレビジョン・取材・文=小田慶子)

https://news.walkerplus.com/article/157777/

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