「ほとんど末期の日本軍だな」……大学の授業を中止させてまで、なりふり構わぬ東京五輪のボランティア集め

日刊サイゾー

2018/8/9 01:30


「ここまで大幅に授業や試験などの日程変更が、可能なのだろうか」

2020年東京五輪をめぐって、最大の懸念事項になっているボランティアの募集。

「技術を無料で使うのか」「交通費や宿泊費まで支払わないとは酷すぎる」――。そんな批判が寄せられているにもかかわらず、方針が改められる様子はない。それどころか、無料で使える「ボランティア」という名の強制徴募を可能にするための下地作りだけが進んでいる。

7月26日に文部科学省が全国の大学と高等専門学校に通知したのは、東京五輪期間中の授業時間と試験期間の「柔軟な対応」だ。

これは、東京五輪期間には授業を中止、大学の試験を東京五輪の前に繰り上げることを要求するものだ。

多くの大学では、7月末に試験を実施した後に夏休みに入るのが通例である。もし、試験を前倒しして実施するとなれば、授業を行うことができる期間も短くなる。具体的には、4月から授業を始めて、通常は7月上旬まであるはずの授業が6月で打ち切られることになる。文部科学省の通知では、その分は土日祝日などに授業を実施して対応するように求めている。

基本的に不変である授業期間と試験期間のスケジュールを、その年だけ変えたあげくに、休みの日に授業を行えというのだから無茶苦茶である。

ところが、すでに首都大学東京や国士舘大学では、こうした特例のスケジュールを実施することを決めているという。これによって、学生たちをボランティアに参加させようという目論見は、上手くいくのだろうか。

「まだ具体化はしていませんが、ボランティア活動への参加を単位として認めるよう、文科省が通知を出す可能性も高いのです。おそらくは2週間程度のボランティア活動で、一般教養科目の2~4単位程度がもらえる形になるのではないでしょうか? それであれば、授業より楽だという理由で、参加する学生は増えそうです」(国立大学関係者)

こうした措置により、とりあえず必要な頭数だけは揃えて「ボランティアが集まった」という形を取り繕うことだけはできそうだ。まさに終戦直前の日本軍が、武器弾薬も不足した中で、素人を集めて人員だけは充足させていたことを彷彿とさせる。

ボランティアだけが会場にウロウロして、余計に混乱が増す。そんな光景が見られることになりそうだ。

(文=是枝了以)

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