「おっさんずラブ」が最優秀作品賞ほか6冠! 貴島彩理P『温かくてカッコいい、最高の“座長”に感謝』【ドラマアカデミー賞】

2018年春クールに放送されたドラマを対象に開催した「週刊ザテレビジョン 第97回ドラマアカデミー賞」全9部門の結果を発表中。最優秀作品賞には「おっさんずラブ」(テレビ朝日系)が選出された。

男性同士の恋愛模様を王道のラブコメディーに仕上げ、「難しい題材を万人受けする作品にした」「センスのいいセリフと会話劇」と高評価。何より主演の田中圭をはじめとする、キャストたちの魅力的な演技に支持が集まった。

同作を手掛けた貴島彩理プロデューサーを直撃し、制作の裏側や“座長”としてチームを率いた田中への思いを聞いた。

■ 「人を好きになるのに性別も年齢も関係ない」。このドラマを応援してもらえたのは、世界がそうなりつつあるからでは

――「おっさんずラブ」が、最優秀作品賞をはじめとする6部門(最優秀作品賞、主演男優賞、助演男優賞、監督賞、脚本賞、特別賞)で受賞しました。まずは作品賞を受賞された感想をお聞かせください。

ありがとうございます。作品賞はみんなの力を合わせて初めていただけるものなのかな、と思うと特別うれしく思います。受賞の知らせを聞いてすぐに、キャストや監督、スタッフに「ありがとう」と伝えました。「ものすごくうれしい」「改めてこのチームでやれてよかった」と言ってくれる人も多くて、なんて素晴らしい仲間たちなんだろうと逆に感動したり(笑)。ドラマ作りでも他の仕事でも、一生懸命がんばったからと言って必ず評価される…という世の中ではないけれど、今回は皆さまのおかげでこういう形をいただくことができて、温かな応援に感謝の気持ちでいっぱいです。

――平均視聴率こそ5%以下でしたが、SNSなどネットで人気が広がり、DVDの予約数が記録的な数字になるなど、これまでと違ったヒットの形を示しました。

「おっさんずラブ」は視聴率という指標においては、結果を残せたわけではないと思います。にも関わらずそのようなお言葉をいただけるのは、ネットの力が大きいのかな、とも思います。放送期間中、そして放送後の今もなお、SNSでの反響にはとても支えられています。Twitterで世界トレンド1位になったり、Instagram「武蔵の部屋」のフォロワーが一時50万人を超えたり、ザテレビジョンさんの「視聴熱」(※)でもいまだにトップ10に入る…というのは、ひとえに番組のファンの皆さまがお互いに声をかけあって「みんなで番組を盛り上げよう」という温かい空気があったおかげだと思います。

――視聴者の反応でうれしかったことはなんですか?

「普通はそんなところ気づかないだろう」というような細かい部分を、おそらく何度も視聴して見つけてくださっていることです、たとえば、春田(田中)の家や天空不動産のオフィスに飾ってある花や小さな絵まで、「これにはこんな意味がある」と分析してくださったり…作っているこちらもビックリすることも。衣装さんや美術さんほか、例え視聴者に気付かれなくても、画面に映らないかもしれなくても、一切手を抜かずドラマの世界観を作ろうと頑張っていた沢山のスタッフが、報われたような気持ちになりました。第5話で春田と牧(林遣都)がデートする場面の飲み物のチョイスも、美術チームで会議が行われた際「春田は絶対メロンソーダ!」という女性スタッフのアイデアから生まれたもの。そんなふうにスタッフが各々妄想を働かせ、それに対して視聴者から反応が返ってくるというのは、なんだか新しいですし、かつ幸せな関係性だなと思います。私はスタッフのみなさんに「いいと思ったら自由にやっておくれ~」とお任せしていただけです(笑)。

――このドラマに熱狂した人にはBL(ボーイズラブ)好きの女性も多く、すごくよくできたBL実写ドラマという見方もありますが、そのあたりはどのぐらい意識していましたか?

プロデューサーは私を含めて4人いますが、他にも脚本の徳尾(浩司)さんや監督を含め、BL好きの人は誰もいなくて、むしろ今回、反響を通じて初めて学ばせていただいたという感じです。第3話放送後くらいに「春牧、牧春っていうのは、どうも順番が重要らしいよ」「なるほどー」という会話をしていたぐらいで、しかもその頃には脚本も最終話まで完成していて。なので、第7話のラストシーンで春田と牧がお互いにキスをするのも、特に何かに配慮したわけではなく。恋愛ドラマのラストシーンと言えばキスだろう、という“王道恋愛ドラマ”としての意識と、「春田というポンコツダメ男の“最後の一瞬の成長”」として自分からキスをする、という姿を描きたいという想いで作りました。

――ラブストーリーが当たらないと言われる今、男女ではなく男同士の恋愛を描いたことで、逆に新鮮に受け止めてもらえたということはありますか?

結果論ではありますが、そうなのかもしれません。私としては、「最近、あんまり恋愛ドラマがないなぁ」と思って、「2000年代の“月9”みたいな王道恋愛ドラマを作りたい!」と動き出したら、たまたまこうなってしまっただけ(笑)。「好きになるのに、性別も年齢も国籍も関係ないんじゃない?」というセリフが劇中にありますが、この作品を多くの方々に応援してもらえたということは、今、世界がそうなりつつあるのかなと。だとすれば、それはすごく素敵なことだなと思います。

――スタッフの顔ぶれを見ると3人の監督は全員ちがう会社に所属していますね。このチームを束ねて一貫性のあるドラマに仕上げた貴島さんの手腕は相当なものだと思います。

脚本の徳尾さんにSNSで「恐怖政治」とか情報操作されていますが…(笑)、監督お三方が全員優しくて人が良く、演出における感性が魅力的だったからだと思います。

2016年の単発版から一緒のメンバーもいますが、山本(大輔)監督とYuki(Saito)監督は「オトナ高校」(2017年テレビ朝日系)で初めて出会いました。ほかにも制作のアズバーズの皆さまを始め、たくさんの信頼できるスタッフと出会ったことが財産となって、「おっさんずラブ」ではそのチームのメンバーをかなり引っ張って、一緒に作ってほしいとお願いしました。

出逢いは繋がる…と言いますが、連続ドラマ「おっさんずラブ」は、単発版や「オトナ高校」があったから生まれたものだとも思います。

――ずばり続編はありますか?

視聴者センターやテレ朝夏祭りのノートなどに「続編を」という温かいお声をたくさんいただいています。純粋に嬉しいですし、何かお声に応えられるよう頑張りたいなと思います。

――最後に、田中圭さんが主演男優賞を獲得されたことについてコメントをお願いします。

座長の田中圭さんに主演男優賞を取っていただくというのは、チームとしても悲願だったので、とてもうれしいです。春田というキャラクターは、設定だけ見たら相当なダメ男だと思うのですが、それをみんなに愛される“はるたん”に育て、好きになっても仕方ないと説得力を持たせてくださったのは、圭さんに演じていただいたから…に尽きると思います。お芝居・精神面共にキャストスタッフを引っ張ってくださり、『芝居で嘘をつきたくない。俺が全部受け止めるから、みんな自由にかかってこい!』と周りを焚き付けて、どんなパスが飛んできても絶対全力でキャッチする、温かくてカッコいい、最高の“座長”でした。

ご本人も“はるたん”のような愛されキャラで、現場に圭さんが来るといつもみんな笑顔になって「彼のために頑張りたい」という思いがキャスト・スタッフ一同あったように思います。“男性同士の恋愛”という一つ間違えれば難しいテーマを『ピュアな恋愛ドラマ』に仕上げ『作品賞』にまで繋げてくださった…座長に、改めて感謝の想いを伝えたいです。

※SNSや独自調査を集計し、今熱い番組・人物・コトバからテレビの流行に迫る新指標

主演男優賞を受賞した田中圭さんのインタビューは8月9日(木)朝7時に公開予定!(ザテレビジョン・取材・文=小田慶子)

https://news.walkerplus.com/article/150227/

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