三浦友和、親子関係や家族を語る! イクメンだった30代の奮闘ぶりも


ピクサー・アニメーション・スタジオ最新作『インクレディブル・ファミリー』(8月1日公開)は、前作『Mr.インクレディブル』(04)をさらにパワーアップさせた最強の続編となった。Mr.インクレディブルこと、パパのボブ役の声優を続投した三浦友和にインタビューし、ボブと自身のイクメンぶりについて語ってもらった。

Mr.インクレディブルたちヒーロー一家は、正義のために戦ってきたが、戦闘で街を破壊してしまったことで、活動を禁止されてしまう。そんななか、ヒーロー復活を懸けた任務を命じられたのは、ボブではなく、建物を壊す心配がない妻のヘレンだった。ボブは仕方なく、ヘレンから子どもたちの世話を頼まれ、イクメンとして大奮闘していく。

日本版では、ボブ役の三浦をはじめ、ママ・ヘレン役の黒木瞳、長女ヴァイオレット役の綾瀬はるかも続投した。
○演じたボブのイクメンぶり

――またMr.インクレディブルことボブ役をオファーされた時の感想から聞かせてください。

すごくうれしかったです。もしかして別の人がやるのかな?と思っていたら、同じメンバーで続投できたので。今回は、より“ファミリー”を描く映画となっていましたが、本当に面白かったです。

――ピクサーの作品は、どれも前作を上回るようなクオリティの作品になるのは、なぜだと思いますか?

取り組み方が素晴らしいと思います。よく「2匹目、3匹目のドジョウを狙う」というけど、「ヒットしたからもう1本作る」とか、「スケールが小さくなっても絶対に客が入るからやっちゃおう」とか、そういう考え方ではなく「前作よりもいいものを作らないとお客さんに申し訳ない」というスタンスで作っているところです。だから続編の方がさらに膨らみ、面白いものになるのではないかと。

――今回、ボブ役を演じてみて、彼のイクメンぶりはいかがでしたか?

前作ではそういうエピソードが全くなかったのですが、今回はイクメンパートが多くて、その分、ボブの台詞量が多くなっていました。前作のアフレコは確か3日間くらいで終わった気がしたけど、今回のスケジュールは1週間もとってありましたが納得です。最初に、女房(ヘレン)が活躍する話だと聞いていたから、そんなにボブの台詞はないと思っていたけど、ちょっと予想外の分量でした(苦笑)。

――活動禁止令が出たあとで、街を救うミッションを任されたのは妻のヘレンでした。その時、内心ショックを受けながらも、妻を明るく送り出すボブが健気でした。

まあ、強がりなんだけどね(笑)。「育児なんて簡単だよ」と言いながら、実際にやってみるとこんなに大変なことだったのかと思い知らされる。家事全般含めて、奥さんの大変さが初めてわかるんです。

○実生活でもイクメンだった!

――三浦さんにも祐太朗さんと貴大さんという息子さんがいらっしゃいます。三浦さんは、お子さんがまだ小さかった頃、イクメンでしたか?

実はけっこうやっていました。女房が料理をする時は、横に並んで手伝ったりするし、洗い物もたまにはします。まだ子どもが小さかった30代の頃は仕事があまりなくて、けっこう暇だったので、すごくイクメンでした。

――では、ボブより三浦さんの方がイクメンだったのですね。

僕は何年もイクメンをやっていました。お風呂に入れたり、オムツ替えはもちろん、離乳食を作ったりもしていました。世間的には何もしないタイプだと思われているかもしれないけど、子育てはけっこう参加したほうです。今回のボブはジャック・ジャックに振り回されるので、昔のことを思い出しながら演じました。

――ボブとヘレンは、お互いに助け合う素敵な夫婦だと思いました。

ヘレンも外に出ていながら家庭のことやだんなのことを気にしていますよね。ああいう気持ちもすごくよくわかります。子育ては本当に大変なので、僕に限らずみんなそう思うと思いますよ。
○2人の息子との親子関係

――ティーンエイジャーのヴァイオレットとパパとの関係性も実にリアルでした。三浦さんは、父親と娘の関係性についてどう思われましたか?

僕は娘がいないので「娘がいたらこんな感じかな?」と思って、そこはちょっと興味深かったです。でも、実際には娘がお父さんに恋愛相談をすることってあまりないんじゃないかと思いますが。うちは姉がいるけど、姉が親父に何かを相談している姿なんて見たことがなかったし。やっぱり相談するとしたらお母さんにするんじゃないですか。

――三浦さんは息子さんから相談ごとをされたりしますか?

自分が振り返ってもそうですが、男は親に相談なんてしないですよ。決定した時は言うけど、それまでは口にしないし、全部事後報告です。自分の時もそうだったから、親は大変だったんじゃないかなと。今、親になってそのことを思い知らされています。

――三浦さんも事後報告派だったということですね?

はい。だから今思えば、親に対して悪いことをしたなと思っています。自分が芸能界に入る時も、最初に「テレビでのデビューが決まったよ」とだけ言いに行きましたし、結婚する時も、本当にギリギリまで言わなかったんです。

僕は18歳で家を出て、何年も家に帰らなかった時期もあったから、男はだいたいそういうものだなと思っています。もちろん、いろいろなタイプの子がいるとは思いますが、うちの子もそういう感じなので、まあいいのかなと。

――そんなふうにおおらかに構えてらっしゃったから、息子さんたちはそれぞれの道を力強く歩むことができたんじゃないですか?

いや、おおらかというよりは「そういうもんだよな」という諦めに近いです(苦笑)。次男坊(三浦貴大)なんて、最近全然会ってないけど、まあいいかと。

○子供の才能とDNA

――今回、ボブが一番手こずっていたのが、末っ子ジャック・ジャックの子守です。ボブはだんだん疲弊していきますが、そのへんも共感できましたか?

うちは、あんなすごい力を持った子どもじゃなかったですが、気持ちはよくわかりました。でも、子どもは大人が忘れているようなパワーを間違いなく持っていると思います。僕も親として、子どもの能力を伸ばせられればいいなと思いながら子育てをしてきました。

――三浦さんの息子さんたちはすでにひとり立ちされて、それぞれの才能を発揮されていますね。

息子たちは、歌い手と俳優になったけど、僕は親として反対することはもちろんできなかったし、する必要もないと思っていました。彼らが本当に向いてないと思ったら、前もって言ったかもしれないですけど。例えば、ものすごく足が遅いのに「オリンピックに出たい」と言われたら「それは無理だな」と思うじゃないですか。でも、そうじゃなかったら、好きな道へ進んでいいんじゃないかと。

――三浦さんも若き頃、音楽の道を志していらしたし、今は俳優として活躍されています。息子さんたちも素晴らしいDNAを引き継がれているのではないかと。

自分がいいとか悪いとかではなくて、DNAというものはきっと関係すると思います。のちのちどうなるかはわからないけど、向き不向きはきっとあるのではないかと。それは、世襲制度の歌舞伎役者さんたち一家を見ていても思いますが、やっぱり見ていてDNAが濃いなあと思います。
○幸せな家庭を作り上げる秘訣

――ボブたち一家も三浦さんたち一家も、とてもいいファミリーだと思います。幸せな家庭を作り上げる秘訣は、どんなところでしょうか?

秘訣というのは特にはないのですが、簡単に言えば「人と比べないこと」かなと思っています。他の家族や夫婦と自分のところを比べて、良いことを学ぶのならいいけど、劣等感やひがみ、そねみ、嫉妬などが出ると、ろくなことにならない。自分たちは自分たちでしかないよねと、思うことが大切なのかなと。

もちろん、なかなかそうはいかなくて、今はいろんな情報が入ってくるし、隣の芝生は真っ青に見えるけど、そういうことは気にしない。「自分は自分」と思うことが一番いいのかなと思っています。

■プロフィール
三浦友和(みうら・ともかず)
1952年1月28日生まれ、山梨県甲州市出身の俳優。70年代に二枚目俳優として活躍し、後に妻となる山口百恵と共演した主演映画やドラマを次々とヒットさせる。主な出演映画に『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ、『沈まぬ太陽』(09) 『アウトレイジ』(10)、『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』(11)、『葛城事件』(16)など

■著者プロフィール
山崎伸子
フリーライター、時々編集者、毎日呑兵衛。エリア情報誌、映画雑誌、映画サイトの編集者を経てフリーに。映画やドラマのインタビューやコラムを中心に執筆。好きな映画と座右の銘は『ライフ・イズ・ビューティフル』、好きな俳優はブラッド・ピット。好きな監督は、クリストファー・ノーラン、ウディ・アレン、岩井俊二、宮崎駿、黒沢清、中村義洋。ドラマは朝ドラと大河をマスト視聴

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