タランティーノを虜にした“失われた傑作”『恐怖の報酬』が日本再上陸!

Movie Walker

2018/8/8 12:00

アカデミー賞受賞作『フレンチ・コネクション』(71)や『エクソシスト』(73)など、映画史に残る名作を世に送りだしてきた巨匠ウィリアム・フリードキン監督が手がけた幻の超大作『恐怖の報酬』が、4Kデジタル修復が施された【オリジナル完全版】として11月24日(土)より全国順次公開されることが決定した。

本作は『情婦マノン』(48)や『悪魔のような女』(55)で知られるアンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督が1953年にイヴ・モンタン主演で映画化したジョルジュ・アルノーの傑作小説を再映画化した鬼気迫るサスペンス。現在のレートで100億円相当の巨額の製作費が注ぎ込まれ、3大陸5カ国でロケーションが行われ、2年を超える製作期間を費やした超大作だ。

物語の舞台は南アメリカ大陸の奥地。油井で大火災が発生し、消火するためには爆薬を運び込むしか術がない。1万ドルという破格の報酬と引き換えに一触即発のニトログリセリン運搬に名乗りをあげたのは、祖国を追われてこの地に流れてきた4人の犯罪者たち。彼らは2台のトラックに分乗し、道なき道を進んでいく。

本作が全米で初公開されたのは、空前の『スター・ウォーズ』ブームが巻き起こっていた1977年6月。北米興行が大失敗に終わっただけでなく、日本をはじめとした北米以外の国々では、フリードキン監督に無断で約30分カットされた92分の【短縮版】として公開されるという憂き目に遭う。さらに、2大メジャースタジオの共同出資が原因となり権利者不明状態に陥った本作は、長きにわたり全世界で上映が不可能となり、北米以外ではDVDが未発売のまま長い年月が過ぎることに。

しかし2011年、その状況に業を煮やしたフリードキン監督は自らスタジオ2社を提訴し権利者を特定。ついに121分の【オリジナル完全版】の4Kデジタル修復に着手。そして2013年秋に行われた第70回ヴェネチア国際映画祭でプレミア上映され、以後ロサンゼルス、パリ、カンヌ、ロンドンなどで相次いで【オリジナル完全版】が上映。正当な評価を受ける機会を与えられなかった“不遇の超大作”が、ついに再評価の時を迎えたのだ。

ホラー作家スティーブン・キングは「人生で最も好きな映画」と公言し、クエンティン・タランティーノ監督は2012年にサイト&サウンド誌で発表したオールタイムベスト12に選出するなど、熱狂的なファンを生み出した本作。フリードキン監督の狂気と執念が刻み込まれた“失われた傑作”を、是非ともこの日本初公開の機会に劇場で、その目にしっかりと焼きつけてほしい。(Movie Walker・文/久保田 和馬)

https://news.walkerplus.com/article/157596/

あなたにおすすめ