「親のカネ」をアテにしてたら痛い目に…生きているうちに資産を使い切る気満々な老親たち

日刊SPA!

2018/8/8 08:52



◆親のカネをアテにするなら、子が守るしかない!

われわれ現役世代の大半は、多かれ少なかれ「お金の不安」を抱えている。高齢化のあおりを受けて賃金カーブはフラット化が進行中。今後年収が上がる望みは薄く、貯金もままならない。一方、年金の受給開始年齢は70歳まで引き上げられる気配が濃厚で、受給額のカットも必至。この先まともに暮らしていけるのだろうか……という悩みは尽きない。

そんな現役世代がひそかに頼りにしているのは、もちろん「親のカネ」だ。なんといっても親の世代は定期預金の金利が10%だった時代を経験しているし、今は潤沢な年金という安定収入がある。総務省の統計を見れば、40代世帯の貯蓄額と70代以上の世帯の貯蓄額には倍以上の開きが……。

そんなわけで、少しばかり親のカネをアテにしても罰は当たるまい……とお考えの読者諸氏に、ここで悲報をお伝えしたい。親世代の貯蓄について内閣府が調査を行ったところ、「子供や家族に残すため」に貯金していると回答した人はわずか2.6%だったのだ。ほとんどの親は、生きているうちに資産を使い切る気満々なのである。

◆親というものは放っておくとムダ遣いする

もちろん、親のカネは親のもの。ケチケチせずに豊かな老後を過ごしてもらいたいものだが、問題は「老親は放っておくとムダなカネを使いがち」ということだ。今回、週刊SPA!が40~59歳の男性300人を対象に実施したアンケートでも、「老親ふたり暮らしなのにいつの間にか大がかりな浄水器が設置されていた」(東京都・51歳)、「ジューサー、フードプロセッサー、ブレンダーと、似たようなキッチン家電を某通販で次から次へと買っている」(千葉県・48歳)といった報告が多数寄せられた。

一体なぜ、高齢の親はムダな買い物をするのか?

「高齢になるほど、人はこれまでの経験や感情を判断基準にしやすくなる。『本当に必要なのだろうか?』と冷静に検討するより、『あったほうがきっと便利だ』という感情が勝つのです」

そう分析するのは、高齢者のメンタリティに詳しい医師の平松類氏。つまり、ムダ遣いは誰にでも表れる老化現象の一種なのだ。

「また、高齢者はお金で安全を買おうとする傾向があります。新規性よりも安全性・安定性を重視するため、高くても良い(と本人が思っている)ものを、信頼できる(と本人が思っている)人の紹介で買うことが多く、自分で調べるよりも誰かに聞いた情報を信じます。だから、『なんでこんな高いものを買ったの!?』というモノが増えるのです」

とはいえ、子供は「親の金遣いに口を出すのもなあ」と遠慮しがち。親の資産を守るための策を講じている人は2割以下にとどまる。

だが、そうこうしている間にも、親の判断力や管理能力は年々衰えていく。それで親が、年金を使い切ったり、貯金を食いつぶすようになったりしたら悲劇だ。

「いざ親に介護が必要になったときは、その費用は“親の年金収入”で賄うべきです。介護生活はいつまで続くかわからず、子供が全面的に負担するのは無理がある。せいぜい数年だと思っていた施設への入居が長期化したときに、親にも子にも貯金がなければ共倒れになってしまいます」(介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子氏)

だからこそ、子供は率先して親の資産を守らなくてはならないのだ。

●親の資産を守るためになんらかの対策をしていますか?

(40~59歳男性300人が回答)

・特になんの対策もしていない…83.7%

・お得な公的制度(医療控除や還付金など)について情報を収集している…6.7%

・親がムダ遣いをしないように目を光らせている…6.3%

・相続税対策をしている…5.7%

・介護が必要になったときや認知症になったときの方針を決めている…4.7%

【平松類氏】

医学博士。昭和大学兼任講師、日本松眼科病院眼科専門医。老人の症状や悩みに精通する。著書に『老人の取扱説明書』(SBクリエイティブ)

【太田差惠子氏】

介護・暮らしジャーナリスト。NPO法人パオッコ理事長。遠距離介護、介護とお金などのテーマに詳しい。著書に『親の介護には親のお金を使おう!』(集英社)

※週刊SPA!8月7日発売号「[老親のカネ]防衛術」より

<取材・文/週刊SPA!編集部、イラスト/さとうただし>

あなたにおすすめ

すべての人にインターネット
関連サービス