ORESAMAインタビュー「ホトハシル」は“ORESAMAのぽん”としてどう表現しようか、ということをかなり考えた

SPICE

2018/8/7 19:00


8月3日からBSスカパー!&アニマックスにて放送が始まったTVアニメ『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』のエンディングテーマを担当するORESAMA。ニューシングル「ホトハシル」はこれまでのORESAMAの楽曲と地続きでありながら、クールで熱いロック楽曲に仕上がっている。ボーカルのぽん、トラックメーカーの小島英也に「ホトハシル」について、さらに8月に開催されるAnimelo Summer Live 2018 “OK!”、そして9月開催のワンマンライブへの意気込みを訊いた。

濁点を抜くことでちょっと呪文のようになる「ホトハシル」

──新曲「ホトハシル」はTVアニメ『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』のEDテーマに起用されていますが、最初にこの作品自体にはどういった印象を持たれましたか?

ぽん:お話をいただいてから原作漫画を読ませていただいたんですけど、魔法律という世界観が非常に面白いと思ってのめり込んでしまって、一晩で全部読んでしまいました。思っていた以上に人と人であったり、人と亡くなってしまった人だったり、絆というものが強く描かれていると感じました。

小島:ちょっとダークな表現だったりバトルだったりという男性にはたまらない要素もしっかりと入っているんですけど、それと友情だったり絆とか愛情とか、人がつい忘れてしまうような感情も描かれているストーリーだと感じました。

──確かに不思議ですよね。ホラーやバトルのイメージが強そうな設定なのに、人間味が強く描かれている作品といいますか。

ぽん:「人が霊を裁く」っていうのが、まず面白いですよね。それに読んでいるうちに家族に会いたくなるというか……やっぱりいつか、別れは絶対に来るじゃないですか。そういうことを思い出させてくれる作品でもありました。

──そんな作品に対して、今回の「ホトハシル」には、どのようなエッセンスを特に込められたのでしょうか?

ぽん:原作を読ませていただいて、大切な人のために困難を乗り越えようとするキャラクターたちの姿勢だったり、自分自身を乗り越えようとする姿に、想像していた以上にとても励まされたんです。なので歌詞に関しては、自分が励まされた気持ちをそのまま形にしたいと思ったんです。いつもより強くてストレートな言葉選びをして、自分自身を奮い立たせることができるような曲を作りたいな、というところから始まったんですよ。
撮影:大塚正明
撮影:大塚正明

──最初にどんな曲にしよう、ということを事前に話をされてから作り始められたんですね。

ぽん:はい。先に「こういう曲にしよう」ということを話し合ってから作り始めて。小島くんが先に制作を始めて、そこに歌詞を乗せていったんです。

小島:実は僕が原作を読んだのは曲が出来た後なんです。これはあえて曲を作る時に、原作を読まずにやってみようという、チャレンジをしてみたからで。ぽんちゃんがすでに原作を読んでいて、歌詞の面で作品を表現してくれるという確信があったので、僕はORESAMAの音楽を作るということに専念しようと思ったんです。なので、最初の打ち合わせで出た「ダーク」とか「クール」とか、「テンポ早め」「ちょっとロック感がある」といったキーワードをベースに作曲を進めていきました。

──そのテーマは、ぽんさんとお二人で話をされて決められたのですか?

小島:プロデューサーからの要望など、スタッフも含めて、最初にキーワードを決めていきましたね。

ぽん:その時にアニメのキービジュアルもあったしね。それであがってきたデモを聴いたときに、「本当に原作を読んでないのかな?」と思うぐらい世界観も作品に合っているし、それでいてORESAMAの作品としてもすごくいい曲だなって思って……なんか、上から目線になっちゃいますね(笑)。

小島:ありがとうございます(笑)。

ぽん:小島くんの作る曲って、最初の10秒ぐらいですごくグッと掴まれるんです。今回もイントロで「この曲歌いたいなって」思わせてくれたので、歌詞を作るのは楽しかったですね。
撮影:大塚正明
撮影:大塚正明

──そんなこの曲、レコーディングしてみていかがでしたか?

ぽん:今回は、いろいろと自己分析しながら歌いました。必死さとか、前に進もうとしている気持ちを“ORESAMAのぽん”としてどう表現しようか、ということをかなり考えました。特にサビは、以前までは「その曲ごとの歌い方があっていい」と思っていたんですけど、最近はもうちょっと俯瞰して考えるようになったと言いますか……「この曲をORESAMAのぽんとしてはどう歌ったらいいのか?」ということを考えるようになっています。

──ORESAMAとしての、一貫性を考えるようになった。

ぽん:そうかもしれないです。そこが今回のレコーディングで、今までから変わったところだと思います。

小島:ぽんちゃんのいいところというのは、今言っていたように曲ごとに声の表情をガラっと変えて表現してくれるところで。今回の曲ではぽんちゃんのクールな部分と熱さの両方が出ていると思っているんですけど、でも暑苦しくないんですよ。

──サウンドに目を向けると、今回は特にスラップベースの気持ちよさが印象に残りました。

小島:スラップベースとドラムは意識していたんですけど、それは「ロック」というキーワードにどういうアプローチをしていくのかということを考えた結果、そうなったんです。ギターをパワーコードで弾くのは今回は違うなと思って、8ビートじゃなくて16ビートだなと思って。細かい16ビートで、裏を強調してちょっとファンキーなところからORESAMAらしいロックにしたいと思ったんです。元々スラップベースが大好きでつい多用しがちなんですけど(笑)、それもORESAMAらしさなのかな、と思う部分もあって。それでギターのカッティングなども惜しみなく入れていって、疾走感がありながら、ちゃんと踊れる曲にしたいと思ったんです。

──そんな疾走感のある楽曲のタイトルが、「迸る(ほとばしる)」ではなく「ホトハシル」なのは、なぜなのでしょうか?

ぽん:「ほとばしる」ってイメージしやすいと思うのですが、濁点を抜くことでちょっと呪文のようになるなと思いましたし、歌詞がいつもよりストレートな分、タイトルでは一瞬言葉の意味を考える時間があるといいなと思ったんですよ。それに、「ハシル」というところに注意がいったりするのも、面白いと思ったんですよね。

小島:僕も正直、最初は「どういう意味なんだろう?」とは思ったんですけど、ぽんちゃんが言ったように、ちょっと考えさせられるというか、音楽は人によって解釈が違っていいと思っているので、いろいろな意味を考えられるいいタイトルだなって思いました。

──さて、この曲は既にMVが公開されています。こちらの反響は、どのようなものがありましたか?



小島:好意的なコメントが多くて嬉しいです。

ぽん:MVについても今年4月にリリースしたアルバムのリード曲の「Hi-Fi TRAIN」で、1stシングルの「オオカミハート」からの要素を全て回収したものを作っていただいて。アルバム自体にも、これまで駆け抜けてきたわたしたちをぎゅっと詰め込むことができたんです。それでORESAMAとして一区切りがついて、「さぁこれからどういうことをしていこう?」ということを考えている時に、今回のTVアニメ『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』のお話をいただいたんです。そんななかで、打ち合わせの時に先ほども言った「ロック」や「クール」といったキーワードが出てきて、「じゃあこれまでとは違うORESAMAを見せていこう」ということになったんですよね。楽曲や歌詞もそうですし、MVについてもいろんなアーティストさんにイラストを描いていただいたり、今回は様々なことに挑戦しているんです。

──「OREASMA第2章」とまではいかないけれども、新しい試みが詰まっていると。

ぽん:そうですね。私たちはデビューからイラストレーターのうとまるさんにCDジャケットやアートワークを担当していただいているんですけど、そのうとまるさんのイラストに興味を持ってCDを買ってもらったり、うとまるさんのイラストを使ったMVからORESAMAに興味を持ってもらう、ということも多かったんです。デもだからこそ今回のMVは、デザインチームから「新しいORESAMAの可能性に挑戦してみませんか?」という提案をしていただいて、進んでいったという感じなんですよ。
撮影:大塚正明
撮影:大塚正明

和のテイストをちりばめた国民的アイス「雪見だいふく」のCMソング

──そしてカップリング曲「ようこそパーティータウン」は雪見だいふくのTwitter企画アニメ『雪見家の日常はほんわりで〆る』の主題歌となっていますが、「雪見だいふくの関連作品の曲を作る」ということを知った時、率直にどのようなことを思われましたか?

ぽん:凄いなぁと思いましたね。ORESAMAの楽曲がのった映像の最後に「LOTTE」のロゴが出るのにみんなで感動して(笑)。

小島:国民的アイスだと思うので。本当に小さい時から食べていたので光栄です。だからこそ今の自分たちしかできない曲、ORESAMAらしい曲を作らなければいけないと思いました。

ぽん:それに、お話をいただいた時は純粋ににワクワクしました。最初に提案いただいた設定や世界観もORESAMAと共通することが多かったですし、上がって来た曲も小島くんらしい楽曲だったので、制作も楽しかったです。

──楽曲自体には、和のテイストが随所にちりばめられています。

小島:今回は「家族」というキーワードが出てきたんですけど、なぜか僕は懐かしい昭和の日本の家族が浮かんだので、何か日本ぽい要素を入れたいと思ったんです。ただ、「パーティー感」「底抜けに明るい感じ」というキーワードもあったので、基本はディスコで、そこに和のテイストをちりばめるようなものにしました。

──そのバランスって、雪見だいふくみたいですよね。洋の食材であるアイスクリームを和の食材である餅で包んでいるというところが……。

小島:おおっ。確かに!

ぽん:今回はタイアップというよりもコマーシャルソングという感覚が強かったので、歌詞も最初「雪見だいふく」に思いっきり寄せちゃおうかなとも思ったんです。でも、やはりORESAMAの曲であり「雪見だいふく」のCM曲、になるようなものにしました。
撮影:大塚正明
撮影:大塚正明

──フルバージョンも聴かせていただいたのですが、「ようこそパーティータウン」はCMのバージョンとは歌詞が違いますよね。

ぽん:はい。CMのバージョンでは「雪見だいふく」に関連するキーワードが入っているんですけど、収録する際には少し変えさせていただいて完成させています。「ホトハシル」はこれまでのORESAMAとは違う面を見せようというコンセプトだったのですが、「ようこそパーティータウン」はこれまでのORESAMAの延長線上にあるというイメージだったので、「楽しくお祭り騒ぎ」という感じで歌わせてもらいました。

小島:「ホトハシル」を作った後に「ようこそパーティータウン」のフルバージョンの制作をしたのですが、CM用に作ってから多少時間があったので、その時に感じたことを詰め込んでいこうということで、新しい要素を入れて少しだけアレンジさせていただいています。

ワンマンライブはライブならではの4人の生のグルーヴを感じてもらいたい

──さて、この夏は『Animelo Summer Live(以下:アニサマ)』に初出演されます。意気込みはいかがでしょうか?

ぽん:まず自分たちが立ったことのない規模のステージなので緊張もしつつ、楽しみな部分があって。ORESAMAのステージで一瞬でもさいたまスーパーアリーナをディスコにできたらな、と思っています。

──アニサマの過去の映像などはご覧になられたのでしょうか?

ぽん:去年のアニサマを見させていただいていて、あの光の海の中心で歌うっていうのはどういう気持ちなんだろうって見ていました。あと、とにかく転換が早いんですよね。ひとつのショーを見ている感じというか……(小島さんを見ながら)……凄いんですよ。

小島:そうなんだ。

ぽん:そうなんですよ。凄いんですよ。

小島:まだ僕はアニサマを見たことがないので、正直なところ今はまだ想像がついていないのですが、ワンマンライブとは違う限られた時間の中で、どれだけORESAMAというものを表現しつくせるかというチャレンジだと思っています。
撮影:大塚正明
撮影:大塚正明

──フェスというと、『Re:animation12』(2018年7月14日、15日に開催)で野外でのフェスにも参加されていましたが、いかがでしたか?

ぽん:楽しかったです!

小島:暑かった!あと実は始まる前にちょっとトラブルがあって嫌な汗もかきましたし(笑)、ギターのネックが汗で滑ってしまってうまく弾けなくなるということも初めて経験しました。いつもクーラーが効いている部屋で曲を作っているんですけど、そこから生まれた曲を野外で大音量で演奏できるのって、不思議な感覚もありましたし、貴重な体験をすることができました。

ぽん:前日にリハーサルをさせていただいたんですけど、スタッフの方々はずっと通しで炎天下にいらっしゃったので本当にお疲れ様ですと思いました。

──そして9月13日にはワンマンライブを開催されます。今回はどのようなものにされたいとお考えですか?

ぽん:「ワンダーランドにようこそ」というテーマでずっとライブをさせていただいていて、毎回バージョンアップをしていっているんですけど、今回もさらにバージョンアップしているので、初めてOREASMAを観るという方にもライブで一緒に遊んだことのある方にも楽しんでいただけると思います。あと初めての平日開催(※9月13日は木曜日)なので、いつも私たちが言っている「現実から非現実に連れ出したい」という言葉通り、仕事や学校という現実のあとに、ライブでワンダーランドを体感してもらえればと思っています。

小島:演奏的な面からいくと、「ホトハシル」から新しいリズムにチャレンジしているのでグルーヴに注目してほしいです。ライブでも、新しい音を表現できればと思っています。

ぽん:私たちのライブは、サポートとしてDJとベースに入っていただいくという特殊な形でやっているんですけど、ライブならではの4人の生のグルーヴを感じてもらいたいです。

小島:ORESAMAのライブは、音源を再現することに重きを置いていなくて、そのライブでしか味わえないORESAMAを感じてもらいたいです。

──では最後に、このインタビューを読んでいる方に一言お願いいたします。

ぽん:「ホトハシル」は今までとは違う、新たなORESAMAの一面を見せることができた一枚になったと思います。まずはぜひ一度聴いてみてください。よろしくお願いします。

小島:今までのORESAMAとは一味違った新しいジャンルを取り入れて、なおかつORESAMAらしい曲になっています。みなさんお楽しみに!
撮影:大塚正明
撮影:大塚正明

インタビュー・文:須永兼次 撮影:大塚正明

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