【インタビュー】LM.C、約2年ぶりのニューアルバムは 横尾忠則氏の作品からインスピレーションを受けて完成

UtaTen

2018/8/7 17:01

横尾忠則氏のアトリエに足を運んで生まれたタイトル



横尾忠則氏が手掛けた『FUTURE SENSATION』のジャケット
――前作の『VEDA(ヴェーダ)』から約2年振りの作品として『FUTURE SENSATION』がリリースされましたが、一枚出来上がってみた今の心境をお聞かせください。

maya:あー出来たなっていう感じですね(笑)今回はいつも以上にそんな気持ちが強いです。

Aiji:スケジュールも割とパツパツだったからかもしれないね。ツアーと並行して作曲やレコーディングをする事になっていたので、ちゃんと出来て良かったなって感じはしますね。

――タイトルの『FUTURE SENSATION』に込めた想いはどのようなものになりますか?

maya:特にないんですけど…。元々アルバムのタイトルは、その時々の自分たちの音楽だったり、こういう風な状態でありたいなっていうキャッチコピーやスローガンであったら良いなという想いがあって。今回もそういうつもりでいくつかアルバムのタイトル候補はあげたんですけど、どれもピンと来なくて。

『FUTURE SENSATION』のアルバムジャケットを担当してくださった横尾忠則さんのアトリエに挨拶に行き、色んな話をしたんです。その時に、閃いたタイトルになります。特に理由はないんですけど、新しい人との出会いで降りてきたイメージです。横尾さんの作品からのインスピレーションですね。「FUTURE」といってもいわゆる近未来みたいな、サイバー感のイメージよりかは新鮮な感覚の方ですね。

――近未来ではなく、新鮮な感覚ですか。

maya:タイトルは英単語になっていますが、最初閃いたイメージはカタカナの感じのイメージでしたね。

――横尾さんにジャケット写真をお願いする事になった経緯を教えてください。

Aiji:知り合いのお医者様がいまして、その知り合いの先生に『VEDA(ヴェーダ)』の初回盤の3Dジャケットをプレゼントしたんですよ。それでその先生の研究室に『VEDA(ヴェーダ)』を飾ってくださっていて。横尾さんもその先生とお友達で、横尾さんが研究室に遊びに行ったときに、『VEDA(ヴェーダ)』のジャケットを凄く気に入られたそうなんです。それで『VEDA(ヴェーダ)を持って帰られて(笑)

――持って帰っちゃったんですね(笑)

Aiji:それで先生からそのお話しを聞いたので、俺が「LM.Cのジャケット、横尾さん描いていただけないですかね?」ってお医者さんに言ったら、横尾さんに話しをしてくれたみたいで。それがきっかけで連絡を取らせていただき、「アトリエへ遊びにおいでよ」と言ってくださいまして。過去の作品が今の自分たちへ導いてくれたようなそんな感じがします。

――このジャケット写真は、楽曲と絡めているのでしょうか?

Aiji:というより、横尾さんにはアルバムの仮タイトル2つと、当時完成していた曲と、テーマカラーは赤という事だけをお伝えしていて。それらのヒントから作って頂いたのがこちらになります。

――とてもインパクトがあるジャケット写真ですね!

Aiji:そうですよね。トップアーティストといいますか、レジェンド枠の方の感性はさすがですね。完成されている印象はありまして、凄いなって。普通ジャケットって手直しの繰り返しで、デザイナーさんとキャッチボールをして構築していく事が多いんですけど、横尾さんはそうではなかったですね。

――ジャケット写真には耳が入っていますが、こちらはLM.Cさんのトレードマークのウサギの耳をモチーフにされたのでしょうか?

Aiji:そこは謎なんですけどね(笑)。近年の横尾さんの作品には耳をモチーフにしたものも多いので、横尾さんが今書きたいものと自分たちの作品の融合というか、合体なのかな?っていう解釈もできるし。

音楽だから耳で聞くっていう点でもあると思うし。その部分は横尾さんにまだ聞けていないっていうのと、多分「なぜ、こうなったのですか?」って聞くことはしないと思うんです。そこはファンの方たちが、LM.Cの作品を手にとってくださったときと同様な感覚でこの作品を受け止めています。

『In Future,New Sensation』は最後に制作した曲



――1曲目の『In Future,New Sensation』は、物語の幕開けにふさわしいプロローグ的な楽曲ですね。

Aiji:そうですね。元々インストと思って作っていた作品で。mayaに声のネタみたいなものを入れて欲しくて、アルバムのキーワードになるような英単語がちょっと欲しいと思って、先に曲だけを渡しました。それで出てきたのが、ポエトリーリーディングというか、普通にポエムのような歌詞に仕上がったので、良い意味での化学反応が起きた感じはしましたね。

――mayaさんはどういった想いを込めて『In Future,New Sensation』の歌詞を書かれたのでしょうか?

maya:これはアルバムの作業的には、最後に取り組みました。まずは、これ以外の作詞を優先的にやっていて、一通り落ち着いた段階でそろそろやらないとなって思ったときに閃いた曲ですね。最初からどうしたいかという事もなく、取っておいた感じでした。一通り言葉がのった状態で、タイトルも、ジャケット写真も、アルバムイメージもあったので、今一度向き合ったらこういう歌詞がハマるのかなって思ったんです。

――こちらは表題曲になるのでしょうか?

Aiji:今回表題曲はないですね。リードトラックとしては、2曲目の『ChainDreamers』にしています。

maya:シングル曲もないので。

Aiji:そういった意味でもプロローグ的な感じがあると思います。

――『In Future,New Sensation』を制作されているときのテンションは、上がっている形なのでしょうか。

Aiji:どうでしょうね。全作、同じような気持ちで作ってはいるので。ただ自分がアルバムでインストの曲を作る場合って、ライブのオープニングSEに使おうと思って作る事がほとんどなんですよ。今回も割とそれに近いですね。いつも一発でいくんですけど、一回mayaからボツをもらい…。

――え!

Aiji:それで作り直しました。

maya:そんな事もないですけどね(笑)。

Aiji:え?いやいやいや(笑)。今まであまりそういう事はなかったので、mayaもアルバムに真剣に向き合っているんだなと思ったし、ちょっと手法を変えて作りました。

――ボツになるという事もあるんですね…。

Aiji:基本的にうちの場合はボツみたいな事はないんですよ。その時にやりたい事とイメージが違うってだけの話なので。3年後、今回流れたインスト曲が何かに使われているかもしれないですし。

『BOYS & GIRLS』を今やったらどうなるかという想いで生まれたナンバー



――『ChainDreamers』はLM.Cさんらしいなと思う、希望に満ちた楽曲だと感じました。

maya:これは10年以上前の曲の『BOYS & GIRLS』みたいなのを今やったらどうだろうと思いまして。LM.Cが活動開始した当初に帯びていた青い雰囲気を、今意識したらどうなのかなっていうのが始まりでしたね。

活動して12年間が経つんですが、12年間『BOYS & GIRLS』をやっているんですよ。所謂似たような曲はいらないんですけど、そういう青さみたいな所からは遠ざかってきたなと感じる部分もあって。バンドの年齢も自分たちの年齢も重ねていく中で、青さみたいのは失われてきているのかなって思っていたので、そこであえて取り組んでみましたね。


――「選んだ未来が本当に正しいのかその答え合わせは来世までお預けさ」という表現はmayaさんらしい表現の仕方ですね。

maya:タイトルもそうなんですけど、言葉使いとかも最近だったら使わなかったなっていう若さや、熱さというかそういうのが滲み出ればいいなと思っていましたね。

――こういった歌詞を書かれるときって、「誰かの背中を押したいんだ!」っていう気持ちになったりはしますか?

maya:そんなないですね(笑)でも、今までよりかは『FUTURE SENSATION』ではその気持ちが多少あったかな。背中を押したいというより、10年以上同じグループで活動をしてきて、少しずつCDとかも手にとるような時代ではなくなってきている中、どういう気持ちで新しいものを作っていくか。

今回はシングル曲を作っていないので、作業としては大変なんですけど、何に向かって音なり、言葉なりを形にしていっているのか?って考えたときに、自分たちを応援してくれる仲間たちに気持ちが向いているという点は今まで以上にあったかもしれないですね。言い方を変えると、今まではその部分を気にしていなかったかな。まず自分が楽しめるのがLM.Cにおいて楽しいものである事なので、そこを大事にしていました。

――心境の変化があったんですね。

maya:押しつけがましいかもしれませんけど、ファンのためにみたいなそういう部分もあったし、仲間たちの影がずっとありました。背中を押す意識はなくても、こういう言葉を含めた音楽に救われたらいいなって思っていたかもしれません。『ChainDreamers』はミュージックビデオも撮っているので、リードトラックっぽくなっていますが、若いし青いので、そういった部分を今やったらどうなるのかな?とは感じていました。

似合わない事はないだろうけど、実際どう響くのかなと。この曲は既に公開されていて聴いてくれている方もいるんですが、すでに響いてくれているみたいで。自分の曲に変換してくれているようなので、ありがたいなと思います。

――自分の曲に変換してくださっているのは嬉しいですね。

maya:今いる仲間たちは、自分の都合の良いように変換してくれている気がしてラッキーでしたね。

――『ChainDreamers』の作曲はAijiさんですか?

Aiji:いや、mayaですね。

maya:2曲目の『ChainDreamers』と9曲目の『Twinkle Star』は僕が作りました。曲を作るときは歌詞も一緒に書いちゃいます。最初は作詞作曲を同時にやっていたのですが、活動が始まって余裕がなくなってからは、曲だけを提出していたんです。だけど最近は前のやり方に戻していったし、こうしたいという想いが伝わるなと思いました。

――Aijiさんはmayaさんが書かれる『ChainDreamers』にどんな印象がありましたか?

Aiji:今、自分たちが青い感じの、前向きなメッセージ性のある曲をやるとしたらこんな感じだろうなと。12年前にはない、今のmayaの言葉でしっかり書かれているなという印象でした。

『BOYS & GIRLS』や『88』だとか、あの辺からすると言葉選びだとか12年のキャリアを積んできて、今しか書けない言葉になっているなと思います。5年前でもこの歌詞は出てこなかっただろうし。

『ChainDreamers』でお気に入りのフレーズ!



――『ChainDreamers』の中からお気に入りのフレーズを教えてください。

maya:2番Aの「誰にも見せない涙がある 誰にも伝えない物語もある」が好きです。大体2番Aが大事なんですよ(笑)歌詞には大事なポイントがいくつかあるんですけど、2番Aをちゃんと押さえればしまっているなっていう所はあって。それこそさっきAijiさんが話していた10年前には、言葉にできなかったフレーズかなって思います。

――2Aが良いんですね!

maya:作詞家として2Aを雑に扱う人は信じられないですね(笑)そういった意味では、他の方の歌詞とかをよく見ますよ。

Aiji:同じ事をリピートして書いていたらどうする?(笑)サビは変えてるんだけど、平歌全部一緒みたいな!

maya:逆パターン(笑)繰り返す良さもあるんですけどね。

――Aijiさんはいかがですか?

Aiji:LM.Cのイズムが出ているのって「その答え合わせは来世まで御預けさ」とか「諦める理由などまだ数えるべき時じゃない」っていう所だと思います。直接的ではない言い回しでありつつも、今頑張ろうぜっていうのが出ているし、mayaイズムも出ている。素敵だなって思いますね。強引さがないのが良いっていうか、mayaの青い系の歌詞って押し付けないんですよね。

――mayaさんの歌詞はピュアさがかなりあると感じました。どこからそのピュアさが出てくるのでしょうか?

maya:そうなんですよ。(笑)10年前はよく言われていましたね。最近は全然言われなくなっちゃいましたけど。

全員:(笑)

Aiji:大人になっちゃったんですね、きっと(笑)。でも、未だにピュアさはありますよ!ピュアさのベクトル、その伝え方が変わってきてる部分はありますけど、根本にあるピュアさは変わらないですね。mayaが17歳くらいのときに出会っているんで、僕の中じゃmayaは永遠の17歳です(笑)。永遠の後輩でもあるし。

maya:ずっと膝出してますしね(笑)

『Twinkle Star』は亡くなった愛犬を想って綴った歌詞



――今作の中で一番涙を誘う楽曲だと感じたのが、『Twinkle Star』でした。同曲はきらめく星という意味でしょうか?

maya:所謂キラキラ星ですね。この曲は12年前の7月7日に出来た曲なんですけど、当時実家で飼っていた犬が死にまして。辛すぎて出来ました(笑)

――愛犬のお話しだったんですね。

maya:そうなんです。LM.Cが活動を開始したのが2006年の10月なので直前だったんです。LM.Cって名前は意味を持たないものが良いなと思ってアルファベットを3つしたんですが、由来としてこのMっていう文字はうちで飼っていたモコっていう犬のMなんです。今はそういう訳ではないんですけど、遡っていくとそこにあるんですよね。

自分的には身内というか、親族が亡くなるのが初めてで本当にショックで切なくて。曲にしとこうと思ったというより、純粋に曲が生まれる瞬間ってこういう時なのかな?って思う感じで曲が生まれて。録音もせずに弾き語りで作っておいたんですけど、きっかけがあれだったので世に発表する事もないのかな?と思わないぐらい個人的な曲で。でもLM.Cが12年経った今なら良いかなって思ったんです。歌詞もその当時のままですね。今のLM.Cとしては、『Twinkle Star』っていう可愛い風に名付けないと思うんですよ。だけど、そこも変える必要もないし言葉もそのままでいいかなと。

――歌詞が当時のままなんですね。

maya:歌詞は変えてないんですけど、最後のサビの繰り返す所は足しましたね。元々は繰り返す予定もなかったんで、こういうアレンジにはなってなかったんですよ。ただアレンジされていく中で、足すならこれかなって。

気持ちとしては自分の祖父母も亡くなっていたりとか、自分たちを応援してくれる仲間も旅立っていまして。そういう人たちへの気持ちも重ねられるかなと思って足しました。それがなかったら当時のままの歌詞にしたかったと思います。

Aiji:その話を始めに知りたかったですけどね。レコーディングも終わって取材でその事を知るっていう(笑)。そういうエピソードを事前に聞いていたら、何か変わっていたかもしれないですね。

maya:でも聞いたら泣いちゃうじゃないですか?(笑)未だに100%泣けるんですけど、泣けるポイントが違うんですよ。家で弾き語りしているときも泣けるし。そういった意味では、ライブでも大事に歌いたいと思っているんで、これを聞いたみなさんがあまり思い入れないで欲しいです(笑)思い入れのあるメッセージとかが来ちゃったら尚更積み重なってくるじゃないですか!それを想像したら恐ろしいなと…。(笑)

――ライブで聴くのが楽しみですね。

maya:そうですね。この先もこういう風に時を越えた思い入れのある曲はないでしょうね。

――最後にお二人にとって『FUTURE SENSATION』はどんな一枚になりましたか?

Aiji:当然今までも「最新のLM.Cは最高」って言い続けてきたんですけど、今回は簡単には何色なのかもわからない様な歪な作品が完成しました。良い意味でしかないんですけど、想像してないものになりました。自分的には何度も聴き続けた事により、ようやく作品全体の色が見えてきてもいるし、何度も聴いてもらうと何度も聴いてもらったなりの楽しみ方が出来ると思います。

今までLM.Cを応援してきてくれた方からしたら、今作は不思議な毛色の作品になったと思いますが、一回だけで作品を判断せずに、何回も聴いて楽しんでもらえたら嬉しいです。

maya:まだ正直、把握できていないですね。ただ思うのは完成して良かったなって思います。完成できない可能性があったとかではなく、12年経って今でもアルバムというものを発表できる事になり、自分たち的に幸せなのは、よくわからなかったものを形にできたのは12年経ったからなのかなって。曲の並びや言葉がこう並んでいる事を必要以上に合わせていないから、これが5年前や10年前なら全てを説明できるようにしていたと思う。

でも今はそういう力の入れ方はしてないのかなっていう気はしています。一曲目が完成して、LM.Cっぽくなった気もしているので、この先のLM.Cが楽しみだなって思うアルバムになりましたね。あとはライブでどうなるかなので、そこで確認していきたいなと思います。



TEXT&PHOTO橋本美波

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