脚長効果◎! おしゃれ花嫁が選ぶのはエンパイアライン



「いつ結婚をするか?」「いや、そもそも結婚をするか?」「というか、相手は!?」……そんな具体的なことは何も決まっていない。でもウェディングドレスを見ると心が弾むし、女友だちのドレス姿は何度見たって飽きない。「ああいつか私もウェディングドレスを着てみたい」。ウェディングベルが奏でる音を、今か今かと待ちわびている。

胸下からストンと落ちる、シンプルなシルエットが特徴の「エンパイアライン」。ナチュラルなスタイルを好む方にオススメです。体のシルエットを隠してくれるので、体型に悩みがある人でも大丈夫。また、胸下の切り替えによって脚長効果も期待できます。

小物次第で、クラシックな印象にも。たとえば巻き髪ダウンスタイルをチョイスすると、『セーラームーン』のクイーンセレニティのような上品で神秘的な印象に。頭に沿わせるマリアベールも上品に映えます。品のあるドレスなので、肩の力を抜いた大人の結婚式でよく選ばれています。

数あるドレスの中から、このドレスを選ぶのはきっとこんな2人——。

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“この先もずっと、1人で生きていくのだと思っていた”

眠る前に彼がよく言う言葉だ。ネガティブな響きはない。ただただ幸福を味わうように、ぽつりと漏れ出る言葉。そのたび私も深く頷く。

「私も」

固く手をつないで、そのあたたかさを愛おしく思いながら暗い天井を見つめる。思い浮かべるのは、これまでのことと、明日の挙式のこと。

彼と出会うまでの私は、正直に言って“十分満たされていた”。憧れの仕事に就いて、日々はめまぐるしかったけれど不満はなかった。いやそれどころか、毎日幸せだった。終電で、時には朝まで働いて帰る生活。それでも隙間時間には友人と会えたし、誕生日を祝ってくれる親友だっていた。

もちろん、焦ったときもあった。忘れもしない。27歳、幼馴染が結婚を決めたときだ。

「ゆきこが、結婚するんだって」

喜ばしいニュースを母に伝えると、電話越しに妙な空気が走った。

「そう。で、あんたはいつするの?」

電話を切ってから、急に息が苦しくなった。結婚をしなければ失望をされるような気さえした。母とはもともとそりが合わなかったけれど、これ以来電話をかけるのも億劫になってしまった。電話のあと、当時付き合っていた彼にメールを打った。

「ねえ、結婚って考えてる?」

長年付き合っていた彼だったから、いつかは結婚するのではないかと思い込んでいた。思い込んでいたせいで、不安にもならず質問もしていなかったことに、ようやく気づいたのだ。でもきっと彼は、「俺は考えてるけど」とか、何かそういうことを言ってくれるはず。あまり深く考えなかった。

だけど、彼からの返事はこうだった。

「うーん」

……。結婚が目的になると、関係は破綻する。私はその日を境にしつこく結婚の話を出し、彼は露骨にいやそうな顔をした。そこから半年ほどで私たちの関係は終わりを迎えた。その時期のことは思い出したくもない。結婚、結婚、結婚とその2文字をつぶやき迫りゆく妖怪のようだった、と自分でもわかっている。

そこから5年も経って、“結婚”なんかにこだわっていた自分が別人のように感じる。母は諦めたように“結婚”の話をまったくしなくなったし、あのころ付き合っていた彼が結婚したのをFacebookで知っても、痛みさえ生まれなかった。1人でおいしいご飯を食べ、旅行に行く。好きな仕事をして稼いだお金で、好きなことをする。これほど幸せなことがあるだろうか。

「1人でも、楽しそうだもんね」

嫌味なく、友人にもそう言われるようになったころ、私は自分が誇らしかった。これが一番楽しいのだと胸を張って言えるなんて、むやみな結婚よりも価値がある。だからこれからも、もう1人で生きていこうと思っていた。それが一番、自然で心地よいから。

……でも、出会ってしまった。

1人でいるよりももっと、しっくりくる人。2人でいるほうがずっと気楽で、2人でいるほうがずっと自然でいられる人。こんなことがあるなんて、未だにあまり信じられない。彼も、同じ気持ちだったようだけれど。

「結婚しようか」

そう言われたとき、キョトンとしてしまった。「そういえば結婚というものがある」と思い出したのだ。YESかNOか、悩むようなことはまったくなかった。この人とうまくやっていけるか?  幸せになれるか? いずれの不安も浮かばなかった。私たちは当然、この先も一緒にいると信じられたから。昔想像していたよりもずっと、自然なはじまりだった。結婚ってこういうものだったのねと、今になって思う。好きで、ずっと一緒にいると自然な気持ちで思えて、大きな決意や覚悟もなく、自然と2人が家族になる。なんて素敵なんだろう。

ウェディングドレスは、いくつも試着を繰り返した結果「エンパイアライン」に決めた。これまでのドレスはどれも美しく、どれもいいと思えたけれど、エンパイアラインを着たときに「ああ、これだったのね」と思えたのだ。

華美ではなくささやかで、それでいて上品な空気は十分すぎるほど。ちなみに息もしやすくて、ご飯もたっぷり食べられそうでうれしい。クラッチブーケという茎が見える花束を持ち、できるだけナチュラルな空気になるように小物を選んだ。

このドレスを着たとき、彼が言ってくれた言葉が忘れられない。

「君らしいね。軽やかで、シンプルだ」

そんな風に、私を表現する人がいるとは思わなかった。なにせ昔から、「もっとよく考えなさい」と言われてきたのだ。「人に流されずに、しっかり自分の意見を持って、深く納得してから進みなさい」。そう言われるたび、「たしかに」と反省をしてきたのだ。でも彼と一緒にいれば、私は「軽やかで、シンプル」になる。頰が緩んで、口元がむずむずとうれしさをこらえる。いるべき場所が変わるだけで、私の性質がこんなに変わるなんて。これまで以上に自分を、好きになれた。彼のおかげで。

暗い天井をもう一度見つめる。1人でも生きていけると思っていた。1人でも十分に楽しかった。でも、そんな風でいられるようになったから、やっと彼と出会えたのではないか。

エンパイアラインのドレスをもう一度思い描く。足元でさらさらと触れるあの軽やかな心地。この人と一緒に眠るときのような、軽やかな心地。あのドレスがしっくりきた意味がやっとわかった気がした。

「ベルはまだ聞こえない」

マーメイドドレスの裾を小さく蹴って。脳裏に浮かぶ、過去のあの人

ミモレ丈ドレスで小さく飛びはねる。着飾らない2人が選んだ幸せの形

(文:夏生さえり、イラスト:後藤恵、構成:マイナビウーマン編集部)

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